【国立アイヌ民族博物館】第11回特別展示「アイヌ民族と博覧会 ―150年の経験―」6月20日から開催、展覧会新着情報
国立アイヌ民族博物館、国立歴史民俗博物館と共催

1. 展覧会の趣旨
1872(明治5)年の湯島聖堂博覧会に初めてアイヌ資料が出品されてから、2025(令和7)年の大阪・関西万博に至るまでの、およそ150年にわたってアイヌ民族がいかに博覧会と関わりをもってきたのかを紹介します。
明治以降、日本国内外で開催された数々の博覧会におけるアイヌ展示は悲しい歴史として伝えられている一方で、時代を経るごとに主体的に参加するアイヌ民族も出てくるなど、博覧会そのもののあり方も変化してきました。
本展覧会は、博覧会と関わりを持ったひとりひとりの「声」に焦点を当て、喜びや悲しみ、経験と記憶、さらには時の情勢やそこに関わった人たちの差別心や優越感を含んだまなざしや力学を丁寧に解きほぐしていくことによって、個人にとっての博覧会がいかなるものであったかに迫ります。
2. 展示構成
第1章 アイヌ⼯芸品展⽰の草創期から博覧会へ
和人社会で異域の産物として関心を集めたアイヌ工芸品、明治初期の博覧会での北海道「開拓」と産業振興の文脈への再編。


近世後期の物産会等から明治初期までの博覧会におけるアイヌ工芸品の展示を取り上げます。近世後期の和人社会では、アイヌ民族が作った〈工芸品〉が流通し、本草会、物産会、博物会といった場で展示されました。そして、明治初期になると、殖産興業や啓蒙思想を背景に、〈文明〉と〈野蛮〉を対比させるアイヌ民族観の中で、アイヌ工芸品の展示が行われました。多くの観客が訪れた博覧会が、そうしたアイヌ民族観を和人社会へと浸透させる巨大メディアとして機能した可能性について描きます。
第2章 アイヌ民族の出場
日本の植民地拡大を背景として、人の生活そのものを観覧させる「人間展示」の対象となったアイヌ民族。


明治末から昭和戦中期までのアイヌ民族と博覧会の関わりが深まる中で、アイヌ民族がいわゆる〈人間展示〉されるようになったことを取り上げます。ヨーロッパやアメリカで行われていた、主に植民地下にある地域の人びとを展示したことに由来し、背景には、和人をはじめとする展示する側が、展示される側であるアイヌ民族を〈野蛮〉で劣った人びとと見なしていたことが挙げられます。他方で、そうした状況においても、出場に際しては人と人との様々な関係性のなかにあったことを描きます。
第3章 アイヌ文化を見せていく時代
戦後社会のなかで、変化する博覧会のあり方、主体化するアイヌ民族の博覧会への関わり、そして表現するアイヌ文化。


戦後の復興を記念した地方博覧会に始まり、1970(昭和45)年の大阪万博、そしてその後の国内外の万国博覧会や日本各地における、アイヌ民族と博覧会の在り方の変化を取り上げます。第二次世界大戦後、世界的に万国博覧会の在り方が変化するなかで、1970年に日本で初めて万国博覧会が開催されます。アイヌ民族の自文化との向き合い方、博覧会への参加の在り方が変化し、各地のアイヌ民族が観光地などで出会い、交流するなかで、それぞれの舞踊を習得したり、自文化として取り入れるなどの動きが起こったことを描きます。
4章 アイヌ民族と博覧会のゆくえ
現代のアイヌ文化を表現する場を通して紡がれる人と人のつながり、連鎖する思い、文化の継承の回復。


2025年大阪・関西万博のアイヌ舞踊「ウレシパ モシリ」と、展示「イランカラプテ」を取り上げ、「アイヌ民族と博覧会」の行方にせまります。博覧会だけでなく、文化を見せる場は、参加するアイヌ民族に何をもたらすのか。そこで得られた経験や人と人の関係は何を生み出すのか。こうした過程を追うことによって、日常にある個々人の営為の積み重ねと、その先にある博覧会を描き出します。
※下線部太文字、「ウレシパ モシリ」のシとリ、「イランカラプテ」のプは下付き文字
3. 関連イベント
ギャラリートーク 各回 13:30から30分程度

|
日にち |
話者(所属) |
タイトル |
|---|---|---|
|
6月20日(土) |
内田順子 (国立歴史民俗博物館 副館長) |
アイヌ工芸品展示の草創期から博覧会へ |
|
7月11日(土) |
関口由彦 (国立アイヌ民族博物館) |
「人間展示」について「学術人類館」を中心に |
|
8月8日(土) |
小沼史子 (民族共生象徴空間運営本部 伝承課主任) ※聞き手 立石信一 (国立アイヌ民族博物館) |
日英博に出場した曾祖母 貝澤こきんについて |
|
8月9日(日) |
是澤櫻子 (国立アイヌ民族博物館) |
博覧会に出場するということ-1910年代の経験をたどる |
|
8月16日(日) |
田村将人 (文化庁 アイヌ文化振興調査官) |
<声>に耳を傾けて |
講演会 各回 13:30から60分程度

|
日にち |
話者(所属) |
タイトル |
|---|---|---|
|
7月5日(日) |
山崎幸治 (北海道大学アイヌ・先住民研究センター センター長) |
博覧会と海外アイヌ・コレクション |
|
7月20日(月・祝) |
三浦泰之 (北海道博物館 学芸部長) |
明治初期の地方博覧会とアイヌ工芸品 |
|
8月2日(日) |
辺泥敏弘 (樺太アイヌの伝統弦楽器トンコリの製作・演奏家) ※司会 立石信一(国立アイヌ民族博物館) |
曾祖父 辺泥五郎の話と私の話 |
トークイベント 各回 13:30から60分程度

|
日にち |
話者(所属) |
イベントタイトル |
|---|---|---|
|
7月25日(土) |
山道響、藤岡千代美、酒井学 (大阪・関西万博 アイヌ舞踊公演 舞台監督) ※聞き手 川上さやか (国立アイヌ民族博物館) |
大阪・関西万博でのアイヌ舞踊公演の舞台作りを経験して |
|
8月1日(土) |
野本正博(国立アイヌ民族博物館 館長)、立石信一(本展覧会代表)、川上さやか(本展覧会第4章担当) |
アイヌ文化の表象をめぐって |
|
8月11日(火・祝) |
加藤峻也、早坂駿 (大阪・関西万博 アイヌ舞踊公演 出演者) ※聞き手 川上さやか |
大阪・関西万博でのアイヌ舞踊公演を終えて |
4. 基本情報
■展覧会名称

|
名 称 |
第11回特別展示「アイヌ民族と博覧会 ―150年の経験―」 |
|
英語名称 |
The Ainu and the Expositions -150years of experience- |
■会場
国立アイヌ民族博物館 特別展示室(北海道白老郡白老町若草町2-3-1)
■会期
令和8年6月20日(土)~8月23日(日)65日間
■休館日
月曜日
※ 6月22日、7月20日、7月27日、8月10日は開館、7月21日(火)は休館
■主催・特別協力・協力
-
主 催:公益財団法人 アイヌ民族文化財団 民族共生象徴空間運営本部 国立アイヌ民族博物館、大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館
-
特別協力:公益社団法人北海道アイヌ協会
-
協 力:尼崎市立歴史博物館、板橋区立郷土資料館、大阪府、株式会社乃村工藝社、川村カ子トアイヌ記念館、京都府立京都学・歴彩館、公益財団法人大阪日本民芸館、公益財団法人石水博物館、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会、国立公文書館、札幌市、市立函館博物館、東京国立博物館、東京大学総合研究博物館、徳島県立鳥居龍蔵記念博物館、日本民藝館、函館市中央図書館、北海道エアポート株式会社、北海道大学アイヌ・先住民研究センター、北海道大学附属図書館、北海道伊達市教育委員会、北海道博物館、幕別町教育委員会、松浦武四郎記念館、松本市立博物館、立教小学校、立教大学立教学院史資料センター、Library of Congress
■展示資料数
約270点
■観覧料
特別展示観覧料 無料
本展示および基本展示室の観覧料は、民族共生象徴空間(ウポポイ)の入場料金に含まれます。

|
ウポポイ入場料[税込] |
|
|---|---|
|
大人 |
大人1,200円(960円)/ 年間パスポート 2,000円 |
|
高校生 |
600円 (480円)/年間パスポート1,000円 |
|
中学生以下 |
無料 |
※ ()は20名以上の団体料金。
※ 障がい者とその介護者各1名は無料です。入場の際に証明書等をご提示ください。
■画像素材をご利用される方へ
本展覧会の広報を目的として画像をご利用の場合は、別紙「キャプションリスト」のキャプションを表記してご使用ください。
他の目的でご利用の場合は、キャプションリストに表記された連絡先までお問い合わせください。
※国立アイヌ民族博物館は、民族共生象徴空間(愛称:ウポポイ)のなかにあります。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
