ギャルリーためなが京都《 工芸から派生した芸術 》開催のご案内

2024.9.28(土) ー 2024.11.4(月•祝)

株式会社ギャルリーためなが

 この度ギャルリーためなが京都では、9月28日(土)から11月4日(月・祝)まで「工芸から派生した芸術」と題しました展覧会を開催致します。本展は、今年で14回目を迎える現代アートの祭典「ニュイ・ブランシュKYOTO」の一環として企画したもので、日本の伝統工芸である漆芸に焦点を当て、五名の漆作家による芸術作品をご紹介致します。

 工芸品と美術品との違いがよく議論されますが、広辞苑には「工芸品とは芸術的要素を含む工作物」と記されています。一般的に工芸品は日用品としての機能性が求められ、一方で美術品は観賞用としての美の表現力が重視され、日常生活で使用される物ではありません。作家達は技法を習得する上で長年工芸を学ぶことから、工芸家と芸術家との区別がされずに曖昧な振り分けの中で認識されていることが多いようです。本展にて展示する作品は、漆の芸術家達の手による「芸術作品」であり「工芸作品」ではありません。長年工芸を学び継承されてきた高い技術を身に着けた作家達が、独自の世界観、感性等をそれぞれの独創的表現方法で制作した作品をご紹介致します。

 漆の技術が疎かになると作品が経年と共に劣化するなど、とても蒐集家や美術館の元に収まる物とはなり得ないため、本展では手法として高い漆の技術力を求めました。この機会に漆という伝統工芸技術に目を向け、更にはその技法によって表現された五者五様の芸術を堪能していただければ幸いです。

※今年で14回目を迎える「ニュイ・ブランシュKYOTO」は「Transmission(継承)」をテーマに、特別企画としてフランスの「メートル・ダール」制度30周年を祝う特別企画が市内各所で展開されます。

                    参加作家一覧

          村本 真吾 | 松島 さくら子 | 五月女 晴佳 | 柞磨 祥子 | 隗 楠

村本 真吾 / Shingo MURAMOTO 「枝羽-梢の華-」H34×W80×D32cm
松島 さくら子 / Sakurako MATSUSHIMA 「inherent elements II」H135cm×W78cm×D7cm
五月女 晴佳 / Haruka SŌTOME 「粧う」H60 × W60 × D15cm
柞磨 祥子 / Shoko TARUMA 「Koimari 10」H5.5×W36×D6cm
隗 楠 / WEI Nan 「Powerful」H67×W74×D60cm

村本 真吾 / Shingo MURAMOTO

1970年石川県に生まれる。東京藝術大学大学院工学科漆芸専攻。

奈良時代より伝えられる脱活乾漆技法という仏像制作の技法に精通。その技法と竹・漆の素材が相まって、艶やかな表面、美しい形状そして宙を浮遊するかのような軽やかさを作品に融合する。竹をしならせながら布を張り、成形し、漆を施すと、偶然と必然が調和し美しい曲面が生まれる。幾重にも塗り重ねた漆は磨かれるほどに艶やかで瑞々しい光沢を放ち、豊かな表情が生まれる。枝葉などの自然界の姿に触発された造形を旨とし、自然と人間の共存・共生の表現を探求している。

松島 さくら子 / Sakurako MATSUSHIMA

1965年東京都に生まれる。東京芸術大学大学院美術研究科漆芸専攻修了。

大学の卒業制作から本格的にボディジュエリーに取り組み、その後そこから派生した壁面作品やオブジェへと創作の幅を広げている。作品は、宇宙や自然の要素からインスピレーションを受けた曲線を特徴とする。麻布を漆で塗り重ねた薄い板は伝統的な乾漆技法により作られており、この技法が自由でダイナミックな造形を生み出している。「身を飾る心」に向き合いボディジュエリーの創作に注力するかたわら、未知の漆文化を求めて東アジアから東南アジアの奥地へと旅をし、漆文化の探究を続けている。

五月女 晴佳 / Haruka SŌTOME    

1987年栃木県に生まれる。東北芸術工科大学修士課程芸術文化専攻工芸領域修了。2023年金沢卯辰山工芸工房を修了。漆を素材に唇をモチーフにした作品を主に制作。口紅が個性や美しさを表現しつつ唇を保護するように、漆も表面を飾り保護する役割がある。この共通の性質に注目することで見えてくる、漆と化粧の「美しく粧う」「覆い隠す」という二面性に親和性を感じ魅かれている。化粧が人に心の鎧を与えるように、漆を用いて内面の葛藤や欲望を表現し、表面の美しさと内面的な複雑さを探求する作品を創り上げている。2023年モード学園のCMのメインビジュアルに作品が起用されている。 

柞磨 祥子 / Shoko TARUMA

1991年広島県生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程工芸専攻(漆工)修了。

日本人は古来より自然を慈しみながら「闇」の中に美を見いだす感性を培ってきた。この美意識と漆の黒の深みに魅せられた柞磨は、液体のように自由な形態と闇に溶け合う「陰翳」の融和を現代彫刻で表現している。重要文化財である狩野派の襖絵がある部屋に作品を展示した際には、仄暗さの中で漆の光沢の魅力と存在感がより一層増すことを感じさせていた。最近では、伊万里や景徳鎮の磁器と漆を調和させ、日本と東アジアの古き良きものを自らの作風に取り込んだ作品も手掛けている。

隗 楠 / WEI Nan

1994年中国、北京市に生まれる。京都市立芸術大学大学院美術研究科漆工領域博士後期課程修了。

素材に皮革を用いて、造形の独自性や生命力など漆芸の新たな可能性を引き出している。作品は、革を引っ張り、皺を付ける制作過程の中で出会う偶発的な美しい曲面を漆で留めることにより、異彩を放つ豊かな造形を生み出す。色は漆を代表する艶があり奥深い黒とパワフルな赤を基調としている。革のしなやかさと漆の輝きを活かし、自然の美しさや力強さを作品に込め、花の開花や水の動きなど自然の神秘とエネルギーを表現している。


《 展覧会開催概要 》

『工芸から派生した芸術 ORIGINES ARTISANALES』

【会期】9月28日(土) ー 11月4日(月・祝) 

【会場】ギャルリーためなが京都

      京都市東山区上堀詰町265-7

            TEL 075-532-3001

【時間】11:00〜19:00 (会期中無休)

【 HP 】www.tamenaga.com

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会社概要

株式会社ギャルリーためなが

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URL
http://www.tamenaga.com
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
東京都中央区銀座7-5-4 毛利ビル1F
電話番号
03-3573-5368
代表者名
為永清嗣
上場
未上場
資本金
3億円
設立
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