神戸大学と船井総研、『100億企業化研究公開シンポジウム2025』を開催。共同研究により、地域のブランド化と持続的成長の要である中小企業 “100億企業化”の成功パターンを発表!

船井総合研究所

株式会社船井総合研究所(本社:東京都中央区、代表取締役社長:真貝大介、以下「船井総研」)は、神戸大学大学院経営学研究科と共同して2025年5月13日(火)に「100億企業化研究公開シンポジウム2025」を開催しました。

また、本シンポジウムの内容をまとめたレポートを8月上旬に船井総研のオフィシャルサイトで公開することをお知らせします。

当日は「100億企業化」を目指す全国の中小企業の経営者、地域銀行の法人担当者、100億企業化を支援する法人や官公庁の担当者ら113名が参加しました。神戸大学大学院経営学研究科長・教授 國部克彦氏に加え、中小企業庁 事業環境部企画課 課長補佐(総括)阪本裕子氏をはじめとする関係者が登壇し、国策として注目される「100億企業化」をめぐる政策的背景や社会的意義について多角的な視点から議論が交わされました。

また、船井総研と神戸大学大学院経営学研究科が共同で進めてきた「中小企業の価値創造に関する研究」の成果も、本シンポジウム内で発表されました。発表では、成長企業に共通する経営者の特性や組織構造、財務戦略に関する分析結果が共有され、100億企業化に必要な成長条件を明らかにしました。

本共同研究は、中小企業庁をはじめ、国が政策として取り組む100億企業の創出を背景に、「中小企業が持続的に成長し、100億企業化を達成するためにはどのような戦略と経営者の資質が必要か」という問いに対し、理論と実務の両面から成功パターンを導くことを目的としたものです。

              
船井総研は今回得られた研究成果をもとにコンサルティングの精度をさらに高め、2020年より展開している「100億企業化プロジェクト」の推進に活用してまいります。

■シンポジウムの実施背景

近年、人口減少や都市部への過度な経済集中により、地方経済の活性化が日本全体の持続的成長の鍵となっています。こうした中、中堅・中小企業の飛躍的な成長を促す政策として、中小企業庁は「100億企業化」を国家的なテーマと位置づけ、2024年より「100億宣言制度」や「中小企業成長加速化補助金」など、成長意欲のある企業を支援する新たな枠組みを本格始動させています。

しかしながら、企業が売上高100億円を実現するためには、戦略的な事業構造の転換や、経営者の成長志向・組織変革が不可欠です。そこで、船井総研では、これまで全国の中小企業の経営支援を行ってきた現場の知見をもとに、アカデミアとの連携によってこの「100億企業化」に必要な要素を理論的に解明すべく、神戸大学大学院経営学研究科と共同研究を実施してまいりました。

そしてこの研究成果を発表し、企業の経営者、官公庁の関係者、金融機関の法人担当者が「100億企業化」の推進を考える場として、シンポジウムを開催しました。

(シンポジウムの詳細はこちら:https://www.funaisoken.co.jp/news/22286

■プログラムの内容

【総括】

神戸大学大学院経営学研究科の教授陣が各自の研究テーマに基づく成果を発表し、それを踏まえた実践的な視点での解説を船井総研のコンサルタントが行うなど、密度の高い議論が展開されました。また、中小企業庁からは政策の最新動向とその政策を推進する背景の説明がありました。シンポジウムを通して、「100億企業化」を支える、国、企業、研究機関によるインフラともいえる環境の全体像が示されました。

 

当社代表の真貝は登壇するセッションの中で、「100億企業化を実現する企業に共通するのは、単なる売上拡大ではなく、構造としての進化を遂げているという点です。具体的には

  1. 既存事業と新規事業を両立させる“両利き経営”の実現

  2. 財務体質の強化と投資判断の質の向上

  3. 企業フェーズに合わせた経営管理体制の構築

の3つが今回の神戸大学との研究で明らかになりました。」と説明。

会場では登壇者によるディスカッションだけでなく活発な質疑応答が飛び交い、国策ともいえる中小企業の100億化が更に推進する兆しを見せた時間となりました。

【詳細】

①「オープニングセッション~100億企業化を研究する必要性・意義~」

登壇:  神戸大学大学院経営学研究科長・教授 國部克彦氏

概要:

シンポジウムの冒頭では、神戸大学大学院経営学研究科長の國部克彦氏より、神戸大学と船井総研の共同研究「100億企業化研究」の必要性と意義について説明がありました。

本研究の意義として、神戸大学の研究者が持つ理論的・データ分析的視点と、船井総研の豊富な現場経験を掛け合わせることで、中小企業の成長における実態解明と、実践的な可能性の探求が可能になる点が強調されました。中小企業が100億企業化を目指す社会的意義については、人口減少による国内市場の伸び悩みや、地方における生産年齢人口の減少といった外部要因に加え、中小企業自身が内発的な動機に基づき、従業員や社会全体を含む「価値創造」を追求することの重要性が述べられました。売上や利益だけでなく、顧客の支払意思額とサプライヤーの売却意思額の差である「価値」の拡大が真に目指すべき方向であると示され、社会全体に貢献し、従業員が誇りを持てる会社となることが、中小企業の持続的な成長への鍵であると結ばれています。

 

②「100億企業化に向けたパネルディスカッション」

登壇:  経済産業省 中小企業庁 課長補佐(総括)阪本裕子氏 

     神戸大学大学院経営学研究科 特命助教 久保雄一郎氏
     株式会社船井総合研究所 代表取締役社長 真貝大介

概要:

今回のメインプログラムとして、政策、学術、実務の3視点から100億企業化の展望を語るパネルディスカッションが行われました。

中小企業庁の阪本氏からは、現在進行している100億宣言や中小企業成長加速化補助金に関する説明をはじめ、中小企業庁が取り組んでいる中堅企業育成の施策の紹介があり、企業の100億企業化に本腰を入れている姿勢が示されました。神戸大学の久保氏からは、共同研究の実施目的として「中小企業が企業成長を実現するプロセスを解明し、成長企業に共通する要素を抽出することで、再現性ある支援モデルを構築することにあると」説明がありました。

また、当社代表の真貝は、自社の実践を通じた支援の視点から、100億企業化は「主力事業への過度な依存からの脱却」などが重要であるなど、構造変革の必要性について言及しました。

 

③「研究成果発表①100億企業化に向けて両利きの経営を実現させる経営者とは」

登壇:  神戸大学大学院経営学研究科 准教授 塩谷剛氏

     株式会社船井総合研究所 副本部長 下田寛之

概要:

本セッションでは、100億企業を実現するための重要な要素として「経営者の成長」に焦点が当てられました。

事業の成長段階ごとの課題認識と戦略が必要であり、それを経営者自身が身に着けるためには、他の経営者や外部関係者から継続的に気づきを得ることの有効性が解説されました。その上で、神戸大学との研究結果として「両利き経営(深化と探索の両立)」を実現する経営者の特徴が明らかになり、経営者自身が自己の特性を認識し、自社の事業を深く理解して磨き上げる力、さらに社内外に発信する力が求められることが示されました。

加えて、経営者個人の限界を補完するために、相互補完可能な幹部人材の採用・育成が不可欠であることが、組織論の視点から語られました。

④「研究成果発表②100億企業化に向けて財務諸表から読み解く成長性と生産性」

登壇:  神戸大学大学院経営学研究科 准教授 安間陽加氏

     株式会社船井総合研究所 シニアコンサルタント 谷翔太

概要:

本セッションでは、100億企業の特徴を財務面から分析した研究結果が発表されました。従来の財務行動研究が主に上場企業を対象としている中で、本研究では中小企業の財務構造と成長との関係性を実証的に解明しようとするものであり、その意義があらためて強調されました。

研究の結果として、以下の3点が示されました:

  1. 中小企業経営者には利益をゼロ近辺に維持しようとする行動傾向が見られること

  2. 負債比率と将来的な売上成長率の間には関連性が認められたこと

  3. 成長率の高い企業ほど、ROA(総資産利益率)も高い傾向があること

また、投資実施時における投資計画の重要性が指摘され、それに伴う財務管理体制の整備が、100億企業化に向けて欠かせない要素であるとされました。

 

⑤「研究成果発表③100億企業化に向けて求められる経営管理体制」

登壇:  神戸大学大学院経営学研究科 准教授 佐久間智広氏
     株式会社船井総合研究所 マネージングディレクター 鈴木圭介

概要:

企業の成長過程における「経営管理体制」の課題と対応策をテーマにした本セッションでは、成長に伴って生じる「経営者による直接管理の限界」と、それに対応する「仕組み化による間接的管理」への転換が焦点となりました。

研究結果からは、他社で管理職経験がある経営者ほど、財務管理、採用・研修、戦略計画といった各種仕組みの導入を早期に進める傾向が判明しました。これは、外部知見や専門人材の重要性を示唆します。鈴木による考察では、年商1~10億、年商10~30億、年商30~100億、年商100億以上という4つの企業年商フェーズに分けて、経営・事業・人材・財務の各領域で取るべき戦略が整理されました。また、従業員数別の管理体制についても、組織の成長段階に応じたマネジメント手法が提示されました。

 

⑥「クロージングセッション~100億企業化実現に向けた経営戦略~」

登壇:  株式会社船井総合研究所 執行役員 本部長 松井桂

 

概要:

最終セッションでは、シンポジウムの総括と今後の展望が語られました。地方経済および日本経済全体の持続的発展のためには、中小企業の100億企業化が不可欠であるとの認識があらためて共有されました。

今回の研究成果を受けて、船井総研としては今後、同社の支援メソッドである「地域コングロマリット経営」を軸に、100億企業化に向けた成長支援を本格展開していくことを表明。多面的な支援を通じて、中小企業の構造転換を後押ししていく方針を示しました。

■船井総研が推進する「100億企業化プロジェクト」とは

船井総合研究所が推進する「100億企業化プロジェクト」は、中小企業の年間売上高を100億円規模へと成長させることを目指して、2020年に始動した取り組みです。

日本経済の持続的な成長を支えるには、地域に根ざした中堅・中小企業の飛躍が不可欠であるという問題意識のもと、船井総合研究所では本プロジェクトを全社横断の重点テーマに位置づけ、経営資源を集中的に投下。2024年には100社を超える企業に対して、100億企業化のコンサルティングを提供。戦略策定から実行支援まで一貫して伴走しています。

・「100億企業化」は株式会社船井総研ホールディングスの登録商標です。

プロジェクト 専用WEBサイト:https://10billion.funaisoken.co.jp/

 

 

■ 国も本腰を入れる「100億企業創出」とその課題とは

日本にある企業約380万社のうち、売上高100億円を超える企業はわずか約1%。その企業群は、10億円規模の企業と比較し、収益性1.6倍・給料水準1.3倍という高い経済性を誇ります(※船井総合研究所調べ)。

さらに、規模が持つ信用力・資金調達力・雇用力により、「地域に根差す産業のコア」として機能するため、地方創生の要としても期待されています。

中小企業が100億円を超える売上を達成するには以下のような多くのハードルが挙げられます。

  • 既存のビジネスモデルからの変革の必要性

  • 経営チーム体制の構築

  • コンフォートゾーン(現状維持)からの脱却

  • 経営者のマインドセットと行動の変化    など

これらの要因は相互に関連しており、中小企業が売上高100億円を超えるためには、事業戦略の抜本的な見直し、組織体制の強化、経営者の意識改革といった、総合的な取り組みが求められると考えられています。

昨年2024年は「中堅企業元年」と言われており、国や民間のコンサルティング企業などが、

様々な視点から、全国の中小企業を対象に、年間売上高を100億円超に成長させるサポートを展開しています。

 

▼政府による100億企業創出のサポート事例:

  • 中小企業庁

    100億宣言のような経営者への意識づけ、100億企業成長ポータルをはじめとした情報発信から、中小企業成長加速化補助金による資金支援など複合的なサポートを実施

  • 自由民主党

    「100億企業」を目指す中小企業を対象に、税制の拡充、延長を実施

(その他発表)

  • 経済産業省

    令和7年度税制改正に関する経済産業省要望【概要】に100億企業に関する記載あり

  • 内閣官房

    新しい資本主義実現会議(第30回)の政策案に100億企業化の記載あり

 

株式会社船井総合研究所について

中堅・中小企業を対象に専門コンサルタントを擁する日本最大級の経営コンサルティング会社。業種・テーマ別に「月次支援」「経営研究会」を両輪で実施する独自の支援スタイルをとり、「成長実行支援」「人材開発支援」「企業価値向上支援」「DX(デジタルトランスフォーメーション)支援」を通じて、社会的価値の高いサステナグロースカンパニーを多く創造することを目指している。その現場に密着し、経営者に寄り添った実践的コンサルティング活動は様々な業種・業界経営者から高い評価を得ている。

<本件に関する報道関係者さまのお問い合わせ先>

株式会社船井総合研究所

コーポレートコミュニケーション室 広報 担当/國延 まり菜(クニノベ マリナ)

TEL. 0120-958-270(9:45~17:30)

Mail. press@funaisoken.co.jp

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会社概要

株式会社船井総合研究所

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https://www.funaisoken.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
大阪府大阪市中央区北浜4-4-10
電話番号
06-6232-0271
代表者名
真貝 大介
上場
未上場
資本金
30億円
設立
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