日本発「10代のデジタルエチケット」プログラム、スウェーデン公立高校で海外初導入!

AI生成コンテンツに関しても学べる新しい著作権とデジタルリテラシーに関わる教育プログラム、北欧スウェーデンで評価

株式会社Barbara Pool

一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)が開発した「10代のデジタルエチケット」プログラムが、2024年11月、スウェーデン・シェレフテオにあるバルダー高校(Baldergymnasiet)で実践されました。国内で実績を積んできた本プログラムは、海外での初実践ながら、生徒・教育関係者からの高い評価を得ました。

スウェーデン北部シェレフテオ市の公立バルダー高校で日本発のデジタルエチケット教育を実践

一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は、2024年11月、コンテンツと著作権に関する教育プログラム「10代のデジタルエチケット」をスウェーデン北部シェレフテオ市の公立バルダー高校で実施しました。本プログラムは、日本国内の学校での豊富な導入実績を背景に、今回、初の海外展開として北欧スウェーデンでの実証授業が実現しました。バルダー高校は多文化共生が特徴の公立高校で、スウェーデン国内外のさまざまな国や地域出身の生徒が学んでいます。今回のプログラムでは、1年生から3年生までの複数のコースの生徒が参加し、クイズやグループディスカッションを通じて著作権の基本知識やクリエイティビティについて学びました。

本プログラムでは、AI生成コンテンツの著作権という現代的な課題にも踏み込み、生徒たちは「創作の独自性」や「クリエイターの権利」について理解を深めました。急速に発展するAI技術を背景に、この課題が世界共通のテーマとしてますます重要性を増しています。

プログラムの様子

プログラムはバルダー高校の図書館司書Anton Söderlund氏によって、現地の教育環境に合わせ英語とスウェーデン語を使用して実施されました。授業内では、AI生成アートに関するグループワークやディスカッションが行われ、生徒たちは意欲的に意見交換を行いました。

AI生成画像に関するグループワークでは、「どのくらい具体的なプロンプトを作成したかによって答えは変わってくる。例えば、絵を描くのは得意ではないがツールとしてAIを活用して画像を作る人もいるかもしれない。『Show me a flower』のような単純なプロンプトでは創造性があるとは言えないが、すごく細かく具体的にプロンプトを書いて画像を作ったのなら、そこには創造性があるといえる」など、問題に対して様々な視点からの意見が出されました。

 

■プログラム実施前後のアンケート調査結果

10代のデジタルエチケットプログラム実施前後で著作権に関する意識調査を行ったところ、実施前はスウェーデンの生徒の方が日本に比べて著作権を持っていないと回答した生徒の割合が多かったが、実践後は、著作権が自分に関わりがあることを認識するという結果となりました。また、両国の生徒に共通して、著作権を持っているかどうかに関わらず、著作権を身近な課題として捉える姿勢が見られました。授業の前後で理解度を比較したところ、いずれのケースでも理解が深まったことが確認され、本プログラムが著作権意識を高めるうえで大きな効果を発揮していることが明らかになりました。

<著作権に対する意識、授業プログラムの効果測定>

Q. あなたは著作権を持っていますか?

Q. 著作権は自分に関係があると思いますか?

Q. 著作権について理解していると思いますか?/(事後)授業を受ける前に著作権についてちゃんと理解できていたと思いますか?

※授業プログラム前後の理解度の比較は次の問いで比較します。

Q. プログラムを終えて、今の著作権の理解度について質問です。著作権について理解していると思いますか?

※事前の回答結果は前項の「事後」を採用

プログラムを受けた生徒の声

「著作権についてはインターネットで得た知識はありましたが、授業でしっかり学んだのは初めてです。特に印象に残ったのは、著作権が公有(パブリック・ドメイン)になる仕組みです。クリエイターが亡くなった後、一定の年数が経つと作品が誰でも使えるようになることは知っていましたが、具体的な年数については今回初めて理解しました。

AI生成コンテンツについても、著作権で保護されるかどうか考えたことはありました。SNSで多くの人がこの問題について議論しているのを見たことはありますが、自分自身の意見をしっかり持っていたわけではありません。ただ、人工的に作られたものだから著作権は必要ないのではないか、と漠然と思っていました。でも、プロンプトを入力するのは人間であり、そこには別の視点や考え方もあることがわかりました」

Johannes Nygrenさん(自然科学コース2年生)

プログラムを受けた生徒の声(その他一部抜粋)

-       「著作権については、家でSNSやYouTubeを通じて学んだことがありますが、何かが創作された瞬間に自動的に著作権が発生するという仕組みは、とても興味深かったです」

-       「子どもが描いた絵にも著作権が発生するという話が特に面白かったです。これまで全く知らなかったので驚きました」

-       「著作権はアート作品など、自分の創作物を守るための権利だと理解していましたが、何かを作った瞬間に著作権が生じるという点は新しい発見でした。また、自分が書いた詩やアートが保護されるのは良いことだと思います。著作者の死後70年後に権利が消滅するという話も興味深かったです」

-       「特にAIアートに関する議論は、哲学的な側面や『独自性』という概念が社会でどう受け止められるかという問題にもつながっていると感じました」

-       「すべての内容が良かったですが、特にクイズが面白かったです。新しいことを学べて理解しやすかったです」

授業を実施した教員の声

今回の授業を通じて、多くの生徒が著作権は「私たち全員に関係するもの」だと気づいたと思います。スウェーデン社会は個人主義的な傾向が強いですが、他人の立場に立って考えることが共感を生む第一歩です。そのためにも、自分自身が創作者になる経験は非常に重要です。

また、AIツールについても創造性の面から単純に「悪」とするのではなく、その可能性とジレンマの両面を考える機会になりました。AIを使ったアートも、クリエイティブなツールとして創造性を発揮する手段になり得ることを示してくれたと思います。

共感的な視点を育てる方法としては、自分自身で何かを創作し、その作品の著作権をどう扱いたいかを考えさせることが挙げられます。例えば、生徒が授業で制作物を提出する際に、その作品を先生がどのように使用してよいかを生徒自身に決めさせる、といったプロセスを導入することも良いかもしれません。これを繰り返すことで、生徒たちは自然と著作権についての理解を深め、クリエイティブな視点を養う良い訓練になるでしょう。

授業実施を担当したAnton先生(図書館司書)

これまで著作権について特化した授業を行ったことはありませんでしたが、AI技術が普及する現代において、著作権をしっかりと学ぶ機会はますます重要だと感じています。今回のプログラムには、非常に良い意味で驚きました。著作権の基本を解説するだけでなく、グループディスカッションや演習、ビデオを組み合わせた構成が非常に分かりやすく、生徒たちも積極的に参加していました。特に、著作権が“自分ごと”であり、クリエイティブな活動に関わる全ての人にとって身近なテーマだと生徒たちが気づいた点が印象的でした。

私自身が普段、授業を計画する際にはクリエイティブな視点を持つよう心がけていますが、自分に適切なツールやスキルがあれば、同じようなプログラムを作ってみたいと思ったほどです。これ以上改善するための特別な提案はありませんが、強いて言うなら、ぜひこのプログラムの続編や「パート2」のような発展版も作ってほしいですね。今回の内容をさらに深めることで、生徒たちにとってより実践的で意義のある学びにつながると思います。

クラス担任のNathanael先生

■「10代のデジタルエチケット」PBL型プログラム学習について
「どうすればデジタルエチケットを守れるのか?」をテーマに、コンテンツを取り巻く諸課題について「なぜ問題なのか」「どうしたらいいのか」を実社会に紐付け、自分ごと化して理解し学べるPBL型の無料プログラムです。

・プログラム監修:
一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)
一般社団法人STEAM JAPAN /株式会社Barbara Pool
・協力:
経済産業省

*PBL(Project Based Learning)は、生徒が現実世界に主体的に関わること、もしくは個人として意味のあるプロジェクトに取り組むことを支援する教育方法です。

■ 関連サイト:
「10代のデジタルエチケット」特設サイトURL:https://digital-etiquette-japan.com/

「10代のデジタルエチケット」英語教材URL:https://www.youtube.com/playlist?list=PLAUd8-BxsNuFu4JtKSdvVsiWc8xt3MR32

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

株式会社Barbara Pool

5フォロワー

RSS
URL
-
業種
サービス業
本社所在地
東京都江東区新大橋3-6-7
電話番号
-
代表者名
井上 祐巳梨
上場
未上場
資本金
-
設立
-