パタゴニア日本支社、新たな挑戦「Ridge to Reef」プロジェクトを始動
環境省との協定に基づき、流域思考で日本の海洋再生を目指す

アウトドア企業のパタゴニア・インターナショナル・インク(本社:米国カリフォルニア州ベンチュラ、日本支社:神奈川県横浜市、日本支社長:マーティ・ポンフレー)は、劣化が進む日本の沿岸生態系の再生を目指し、新たな挑戦となる「Ridge to Reef(リッジ・トゥ・リーフ)」プロジェクトを立ち上げました。本プロジェクトは、環境省との協定に基づき、同省が推進する「戦略的『令和の里海づくり』基盤構築支援事業」と連携し、陸域と海域を一体的に捉えるアプローチで持続可能な海洋環境の実現に貢献します。
この協定締結およびプロジェクトの始動を記念し、来る2025年7月23日(水)にシンポジウム「Ridge to Reef: Restoring Our Ocean -流域思考でひらく海洋再生の道-」を開催します。
「Ridge to Reef」プロジェクト始動の背景
日本の沿岸生態系は、高度経済成長期の埋め立てなどにより大幅に縮小し、その生物多様性は長期的な悪化傾向にあります。これは、『生物多様性及び生態系サービスの総合評価2021』でも明確に報告されている通りです。パタゴニアはこれまで、「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」。というミッションに基づき、環境保護に取り組む草の根の活動を長年にわたり支援してきました。
沿岸生態系の健全性を回復させるには、海域だけでなく、その源流となる陸域を含めた流域全体を見据えた広域的な視点が不可欠です。2013年策定の第2期海洋基本計画、そして現行の海洋基本計画にも引き継がれている「陸域と海域を一体的かつ総合的に管理する取組」の推進は、まさにこの広域的な視点に立ったアプローチです。しかしながら、この重要な取り組みは、多様な関係者の協働が求められるがゆえに、いまだ十分な施策として展開されているとは言えません。
「Ridge to Reef」プロジェクトでは、パタゴニアが培ってきた支援の仕組みを活用し、沿岸域の再生に取り組む地域の人々を、陸域とのつながりという視点から支援します。そして、その実践から得られる知見や教訓を整理・共有することで、陸域と海域を一体的に捉えるアプローチで持続可能な海洋環境の実現に貢献します。
シンポジウム開催概要
この歴史的な協定締結とプロジェクトの始動を記念し、私たちは下記シンポジウムを開催します。このシンポジウムでは、専門家や実践者を招き、流域思考による海洋再生の道を深く掘り下げます。
Ridge to Reef: Restoring Our Ocean -流域思考でひらく海洋再生の道-
日時: 2025年7月23日(水)14:00-17:00
会場: 紀尾井カンファレンス(永⽥町駅直結、⾚坂⾒附駅より徒歩1分 )
参加費: 無料(事前登録制)
お申し込み:https://info.patagonia.jp/events/1110/
申込締切:2025年7月10日(木)
主催: パタゴニア日本支社
協力: 環境省
開催プログラム
シンポジウムでは、以下のプログラムを予定しています。
オープニング
・開会挨拶/趣旨説明: マーティ・ポンフレー(パタゴニア日本支社 支社長)
・祝辞(ビデオメッセージ): エイミー・T・ゴンザレス氏(東アジア海域環境管理パートナーシップ(PEMSEA)事務局長)
協定書署名式
・プロジェクト・事業説明
パタゴニア日本支社:「Ridge to Reef プロジェクト」柳谷牧子(パタゴニア日本支社 オーシャン イニシアティブス ディレクター)
環境省: 戦略的「令和の里海づくり」基盤構築支援事業 水谷好洋氏(環境省 海洋環境課長)
・署名式
パタゴニア日本支社:マーティ・ポンフレー(パタゴニア日本支社 支社長)
環境省:浅尾慶一郎氏 (環境大臣)
記念シンポジウム
・基調講演
「流域という視座 つながりのダイナミクス ー大山での試み―」大原徹氏(一般社団法人Bisui Daisen 代表理事)
コロナ禍を機に新たな生き方を模索し、仲間と共に一般社団法人Bisui Daisenを設立された大原氏。自然、歴史、文化、精神性が交差する鳥取県大山のダイナミックな流域を舞台に、「身体を通した学び」を通じて地域の魅力を発信しながら、流域の視座を内包した生き方を伝えています。
「共創する流域治水」島谷幸宏氏(熊本県立大学 特別教授)
九州大学大学院修了後、国土交通省や土木研究所を経て九州大学教授を歴任された島谷氏。現在は熊本県立大学特別教授として、「流域治水」を軸に持続可能な社会の構築に取り組み、地域と連携した自然共生型の川づくり・地域づくりを推進されています。河川工学・自然再生・合意形成を専門とし、実践と理論の両面で国内外に大きな影響を与え続けています。
・ダイアログ
島谷幸宏氏、大原徹氏、柳谷牧子
・パネルディスカッション
「沿岸生態系のレジリエンスと流域、そして社会システム」(仮題)
クロージング
・閉会挨拶:マーティ・ポンフレー(パタゴニア日本支社 支社長)
パタゴニアについて
パタゴニアは1973年にイヴォン・シュイナードが創業した、米国カリフォルニア州ベンチュラに拠点を置くアウトドア・アパレル企業です。「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」。をミッションステートメントに掲げ、環境に与える悪影響を最小限に抑えながら、最高品質の製品を作り続けています。1996年には製品に使用するコットンをすべてオーガニックコットンに切り替え、2016年には、生産からサプライチェーンまで、食の流れを修復するために、責任ある方法で調達された食のコレクション「パタゴニア プロビジョンズ」を日本で開始しました。
Bコーポレーション認証を取得し、1% for the Planetの加盟企業であるパタゴニアは、独自の所有形態によって、事業に再投資されなかった利益を配当金として地球を守るために分配しています。リジェネラティブ・オーガニック認証は、現在グローバルで600万haを超える農地、250を超える農場や牧場、6万人を超える小規模農家が認定を受けており、パタゴニア日本支社は日本国内での認証事例づくりに向けて、協同者の方々と取り組みを進めています。
【会社概要】
パタゴニア日本支社
Patagonia International Inc., Japan Branch
・所在地:神奈川県横浜市戸塚区川上町91-1 BELISTA タワー東戸塚5階
・設立年月日:1988年8月23日
・日本支社長:マーティ・ポンフレー
・公式サイト:www.patagonia.jp
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