【大阪・泉大津市】7月1日から、南海泉大津駅周辺を路上喫煙禁止へ

～誰もが安心して暮らせる「共生のまち」をめざして～

泉大津市

2025年6月24日 14時00分

泉大津市は、令和7年7月1日から「泉大津市路上喫煙の防止に関する条例」を施行し、南海泉大津駅周辺を路上喫煙禁止区域に指定します。この条例は、単に「たばこを吸ってはいけない」というルールではありません。喫煙する人も、しない人もお互いを思いやり、誰もが気持ちよく過ごせる「共生のまち」をめざす、大切な一歩です。

喫煙をめぐる、さまざまな想い

これまで、市へのアンケートでは、「歩きたばこの煙で不快な思いをした」「子どもがたばこでやけどしそうになった」といった、健康や安全への懸念の声が寄せられてきました。

一方で、「喫煙しているが、たばこのポイ捨てはしたことがない」「マナーは守っている」「たばこを吸っている人を悪い人のようにしないでほしい」という意見もあり、喫煙をめぐる課題は、私たちの日常生活に密接に関わっていることが浮き彫りになりました。

条例制定に込めた想い

「泉大津市路上喫煙の防止に関する条例」は、こうした市民の皆さんの声と、有識者のご意見も踏まえ、誰もが安全で安心して暮らせる環境をめざして制定されました。路上喫煙をなくすことで、健康への影響を抑制し、小さな子どもから高齢者まで、幅広い年齢層の人たちへの危険を減らしていきます。そして、たばこの吸い殻がなくなることで、泉大津のまちがきれいに、より快適になると考えています。

泉大津駅周辺を禁止にした理由とは

南海泉大津駅は、2023年度実績で一日当たり約2万5,000人と、南海本線42駅中5位の乗降者数を誇ります。駅周辺には、スーパーマーケット、中学生や高校生が多く利用する市立図書館シープラ、働く親が安心して子どもを預けられる保育所など、市民の皆さんが日常的に利用する施設が数多くあります。

また、駅前ロータリーは、金融機関や飲食店、南海バスやタクシーの停留所に加え、中学校・高校・大学のスクールバスや泉大津急性期メディカルセンターへのシャトルバスにも利用され、子どもから高齢者まで、あらゆる年齢層の人が行き交う場所です。

さらに港湾に位置する「泉大津フェニックス」で大規模な野外音楽コンサートが8月30日・31日と10月25日・26日に開催が予定され、令和５年度実績では累計約6万人が訪れ、その多くが駅や周辺施設を利用します。

こうした状況から、駅を利用される人の安全確保と快適な環境を守るため、泉大津駅周辺を禁止区域に指定しました。

いつから、どこで、何が禁止になるのか

令和7年7月1日から、南海泉大津駅周辺の指定された区域では、24時間路上での喫煙が禁止されます。道路などでたばこを吸う行為だけでなく、火のついたたばこを持っていることも禁止です。さらに、自動車の窓から煙が流れ出す状態での喫煙も路上喫煙となります。

火をつける紙巻たばこはもちろん、加熱式たばこなど、健康増進法で定められたすべてのたばこ製品が規制の対象です。

「共生のまち」へ、意識の醸成と多様な啓発活動

今回の条例制定は、喫煙する人と吸わない人が互いを思いやり、誰もが気持ちよく過ごせる「共生のまち」を実現するための大切な一歩です。「自分だけ」ではなく、「相手の気持ちを思う気持ち」が、泉大津をより良いまちに変えていく力につながると信じています。

条例が施行される7月1日(火)午前８時から、禁止区域内において、市職員と衛生委員会、泉大津駅周辺の企業等が連携し、駅を利用する人たちへの啓発キャンペーンも実施する予定です。

行政だけではなく、地域に関わる多様な団体や企業がともに手を取り合い、市民の皆さんとともに、誰もが笑顔で過ごせるまちづくりをめざしていきます。

地域を支える「衛生委員会」との連携

市では、地域における環境衛生や保健衛生に関する活動を主体的に担う衛生委員会と連携し、本条例の周知・啓発に取り組んでいます。

衛生委員会は、昭和24年に設立され、今年で76周年を迎える歴史ある団体で、現在の会員数は116人です(令和７年４月１日現在)。地域の清掃活動や不法投棄パトロールといった環境衛生に関すること、また市民の健康増進を図る健康教室や献血推進、住民健診キャンペーンといった保健衛生に関することなど、多岐にわたる活動を同時に主体的に行っている全国的にみても珍しい組織です。

これまでの功績として、環境保全に積極的に取り組む団体に贈られる「おおさか環境賞奨励表彰」や、長年にわたる赤十字奉仕活動への貢献が評価され「金色有功章」を受賞するなど、その活動は高く評価されています。今年は、委員会で初めて委員就任50年を迎えられた方、また10・20年を迎える委員も多数おり、長年にわたって市に貢献いただいています。

広報活動と啓発キャンペーン

こうした意識を醸成するために、市では６月より市ホームページや市公式SNS、泉大津駅構内でのポスター掲示やデジタルサイネージの活用、コミュニティラジオの活用といった多様な広報媒体で周知を図っています。また、南海バスやタクシーの乗務員への周知も進めるとともに、条例が施行されると7月1日には、禁止区域内において、市職員と衛生委員会、泉大津駅周辺の事業者等が連携し、駅を利用する人たちへの啓発キャンペーンも実施する予定です。