ブルガリアで開催された国際ハンズオンワークショップにてジャパン・メディカル・カンパニー社製の精密医療模型「KEZLEX」が使用されました

ブルガリア・ソフィアで開催された「第3回世界脳神経外科医若手会議(The 3rd ACNS-EANS Young Neurosurgeons Congress」において、株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:大野秀晃、以下「当社」)が開発する精密医療用立体模型「KEZLEX」が使用されました。

同会議はEuropean Association of Neurosurgical Societies(欧州脳神経外科学会、以下EANS)およびAsian Congress of Neurological Surgeons(アジア脳神経外科学会、以下ACNS)の共同主催で行われ、KEZLEXはハンズオンワークショップにおいて、その高い性能と教育効果が高く評価されました。

 当社が開発した「KEZLEX」は、先進的な3Dプリンティング技術と、30年にわたる医療分野のモノづくりノウハウを結集した精密医療用立体模型です。脳神経外科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科など多岐にわたる分野で使用され、リアルな人体再現性と触覚フィードバックを提供することで、外科手術のトレーニング効果を最大化します。本製品はこれまで国内外の多くのハンズオンセミナーで採用され、医療従事者の技術向上に貢献してまいりました。

 「第3回世界脳神経外科医若手会議」は、欧州脳神経外科学会とアジア脳神経外科学会が共同で主催し、今回初めてヨーロッパで開催されました。同会議には世界各国から多くの若手脳神経外科医が参加し、プログラムの一環として実施されたハンズオンワークショップでは、KEZLEXがトレーニング用教材として採用されました。ワークショップでは、日本を含む世界各国の著名な講師陣が、KEZLEXの特性を活かした高度な技術指導を実施。当社のスタッフも現地でサポートを行い、製品を通じた実践的な学習を支援しました。

ワークショップ参加者からは、

「KEZLEXは人体と遜色ない再現性を備えており、非常に実践的なトレーニングが行えた」

「熟練した日本の医師による指導と相まって有意義な学びを得られた」

といった高い評価をいただきました。

 本ワークショップは、医師同士が技術を共有し合うことで手術の安全性向上を図る貴重な機会となりました。当社は、KEZLEXが医療教育の場で評価され、世界中の医療技術の発展に寄与していることを誇りに思います。今後も、グローバルな医療ニーズに応える製品開発を進めるとともに、医療の均てん化に向けた取り組みを推進してまいります。

 当社は、コーポレートミッションである「世界にまだない、選択肢をつくる。」を指針に、製品力およびサービス力のさらなるの強化を図り、医療業界の発展に寄与し続けます。「世界最高」の医師とともに、「世界最高」のものづくりと「世界最高」のサービスを通じて、世界中の患者様に安心と健康を提供することを目指してまいります。

本会を主催したアジア脳神経外科学会会長加藤庸子先生よりコメント

Asian Congress of Neurological Surgeons President

アジア脳神経外科学会 会長

藤田医科大学 ばんたね病院 脳神経外科教授

加藤庸子先生

 今回もジャパン・メディカル・カンパニー社の製品使用ありがとうございました。

脳外科の治療のパラダイムシフトを迎え、次世代を担う若手脳外科医の手術実践の数も減少するなか、今回はブルガリアのソフィアで3rd ACNS-EANS YNS congress Handson sessionを行いました。このハンズオンセミナーではBypass,skull baseを中心としてジャパン・メディカル・カンパニー社からの多大な応援を受け、若手脳外科医師の多くがベテランの日本を中心とする海外からの講師の手解きを受けながら精密医療用立体模型での実際のオペに則した練習をふんだんにさせていただきました。

 Bypass手術はこの先も脳外科治療の色々な場面で必要とされていく手技であり、また失敗が許されない技量のひとつでありtrainingは必須です。

 頭蓋底手術に及んではドリルなどの器機の使い方や、精密医療用立体模型を用いた実技練習はオペの成功に直結します。この一連の作業ができるモデルも提供いただきました。国の壁を越えた今回のハンズオン企画は、ジャパン・メディカル・カンパニー社のご尽力なくしては成立しませんでした。

 ハンズオン企画、実践に参加いただきました多くの脳外科の先生への感謝と同時に参加の若手脳外科医の更なる活躍を祈念します。

ハンズオンセミナーに講師として参加された先生方よりコメント

日本大学病院 脳神経外科教授

大谷直樹先生

 加藤庸子先生の志に呼応した、まさにTeam Japanともいえる国内外で脳外科医学を牽引する先生方が講師陣として集うハンズオンが、今回は欧州脳神経外科学会(EANS)との共同開催でブルガリアにて行われました。加藤先生が率いるアジア脳神経外科学会(ACNS)主導によるアジアを中心とした若手脳外科医育成教育の歴史は長く、世界トップクラスの日本の高い技術力と安全で緻密な脳外科ストラテジーは各国で教育の機会を得て継承され、脳外科医学の発展に寄与してきました。その中でも、ハンズオンは教科書を繰り返し読んでも簡単に把握できない解剖学的な3次元立体構造と手技操作の意義を3Dイメージとして理解することに繋がるため、手術手技を会得するラーニングカーブ向上のための一助になることは間違いのないところです。

 ハンズオンの実現には、優秀な講師陣とジャパン・メディカル・カンパニー社が手掛ける精巧緻密な精密医療用立体模型の存在なくしては成立しません。今回のワークショップを通じて「KEZLEX」の有益性を改めて認識するとともに、今後の需要拡大と更なる改良と開発で、より実践に近いモデルの登場も期待されます。ジャパン・メディカル・カンパニー社のコーポレートミッション「世界にまだない、選択肢をつくる。」は、若手脳外科医教育にも通じる信念です。教育にとどまらず、各国の先生方や国内外を股にかけエネルギッシュに活躍する講師陣との交流で多くの刺激を受けるこのような機会に関われることを深謝します。

 自己の研鑽こそ欠かすことなく、日々の診療に邁進しようと毎回決意せずにはいられないこのようなハンズオンが、これからも様々な機会に国内外問わず開催され、脳外科医学の発展に寄与していくことを期待します。

愛知医科大学 脳神経外科教授

渡邉督先生

 3Dプリンターを用いた精密医療用立体模型「KEZLEX」は、国内では術者の意見を取り入れていただき、常にブラッシュアップをしていますので、手術シミュレーションに非常に役に立ちます。経験値の少ない術者にとって、エキスパートとともにこのモデルでのハンズオンを行うことで得られるものは大きいと思います。日本国内ではかなり触れる機会が多くなってきましたが、まだ海外では広く知られていません。

 今回海外の指導者に現場で触れていただき指導いただきましたが、骨の構造や頭蓋内の組織構成において、術野の再現が忠実になされているので、比較的スムーズに指導を進めていただきました。Traineeたちも本当の手術さながら真剣な表情で取り組んでいました。世界でも認めていただくクオリティーだと思います。これからも改良を続けていただき、より良いモデルを目指していただきたいです。

順天堂大学大学院医学研究科 脳神経外科学教授
近藤聡英先生

 このたびブルガリアのソフィアにて、アジア脳神経外科コングレス(ACNS)とヨーロッパ脳神経外科学会(EANS)の共同開催による世界若手脳神経外科コングレスが開催され、錐体骨モデルを用いたハンズオンコースが実施されました。錐体骨モデルは、ジャパン・メディカル・カンパニー社より提供され、コース終了後には参加者は自らが削開したモデルを持ち帰ることが許されました。

 今回の参加者は若手脳神経外科医が中心であったため、経錐体骨手術の意義からの説明が必要であり、解剖学的部位の把握に時間を要した印象があります。一方で提供されたモデルではanterior とposterior transpetrosal approachの骨削開が可能であり、最終局面では色付けされた硬膜を視認することでその到達度を把握でき、またsuperior petrosal sinusを意識した手技も可能であり、骨削開にあわせて3次元構造が理解できるものでした。したがって、受講者の理解度に応じたモデルバリエーションが必要なのかもしれないと考えさせられました。

 精巧な3次元モデルと適切な着色によって手術手技とその理解が可能であり、これらによる手術トレーニングが可能だったと思います。今回は3次元モデルを用いた手術トレーニングの有用性をヨーロッパ諸国の若手脳神経外科医に示すことができた、有意義なハンズオンであったと言えます。

国際医療福祉大学三田病院 脳神経外科教授

大山健一先生

 脳神経外科手術の技術を習得する上でoff the job トレーニングは必須ですが、その中でもとりわけハンズオンセミナーは、エキスパートの直接の指導の元で手術操作をシミュレーションすることができるため、その重要性は極めて高いと言えます。

 3Dプリンターを用いた精密医療模型 「KEZLEX」を使用したハンズオンでは、実際の手術場において行う手術手技を疑似体験することが可能であり、参加者の技術向上に寄与したと思われます。また屍体頭部を用いるハンズオンに比べて倫理面や衛生面においてのハードルが低く(今回のハンズオンはホテル内会場での開催)、アクセスしやすい点が評価されます。

高知大学脳神経外科准教授
福田仁先生

 このたび、ブルガリアで行われた第3回World Young Neurosurgeons Congressの血管吻合ワークショップで講師を担当しました。ヨーロッパとアジアから専門医前の医師10名が参加し、実体顕微鏡と血管モデルを用いたワークショップを行いました。

 参加者は、血管吻合術は脳血管障害の手術になくてはならないものと理解はしているものの、実際の手術をする機会もトレーニング環境も著しく不足しているおり、血管吻合ワークショップ自体が初めての医師がほとんどでした。彼らは多くを学んで自国に持って帰ろうという意欲が非常に高く、積極的に質疑応答も行えたため、充実したワークショップとなりました。今後ぜひこのような試みを世界中に広めていきたいという決意を新たにしたところです。

 ハンズオンの詳細に関しては、実際の血管吻合トレーニングに入る前には血管が最適に固定されている必要があるのですが、そこが慣れていなくて時間が取られているケースが多かったです。そこは、手術器具の用意とともに、ハンズオン講師と機器メーカーとの事前の打ち合わせで改善していきたいと考えました。今回ジャパンメディカルカンパニーにご用意いただいた吻合血管の灌流装置は、今回は灌流液を流しませんでしたが、血管の固定にも良く、灌流液を流せば吻合の際の一時遮断の練習にもなるので、今後うまく使っていきたいと思います。

慶應義塾大学医学部脳神経外科専任講師

三輪点先生

 今回、脳室モデルでのハンズオンを担当させていただきました。どの国でもそうですが、脳室内手術は症例が少なく、人体でのトレーニングが難しい状態です。そのため、ハンズオンでの経験を積むことが、実際の人体での脳室内手術の上達への一番の近道であると思います。その基本手技、応用手技を、アジア・ヨーロッパの先生方が同じ内容、同じレベルで取得できること、またその分野のスペシャリストの先生に直接教わることができるのが、このハンズオンのメリット、意義と思います。

 今回もジャパン・メディカル・カンパニー社の脳室(第3脳室底開窓術)モデルを使用させていただきました。受講者からは、脳室内の解剖がリアルに表現されていること、第3脳室底の開窓の感触が人体と同様であり、実際の手術をしているようだ、とのコメントがありました。またこのモデルの脳室内に黒豆やぶどうを設置し、内視鏡下腫瘍生検術のトレーニングも行ったことも好評でした。ここまでの精度のモデルは他にはなく、受講生の満足度も非常に高いものでした。アジア・ヨーロッパの実際の脳室内手術手技の上達に大いに貢献できたと思います。

大阪公立大学脳神経外科講師

森迫拓貴先生

大阪公立大学脳神経外科 講師 森迫拓貴先生

 今回参加したハンズオンコースでは経鼻内視鏡手術を担当しました。場所はブルガリアのヒルトンソフィアホテルで開催されました。開催に当たっては、事前に準備のためのwebミーティングにおいて、愛知医科大学脳神経外科 渡邉督先生が、ハンズオンコースに必要な機器・器具を主催者側と入念に打ち合わせをされていたこともあり、日本でハンズオンコースを行う際と同様のセッティング(ジャパン・メディカル・カンパニー社の経鼻内視鏡モデル、硬性内視鏡(4mm)、経鼻用ドリリングシステム、吸引システムなど)が使用可能でした。経鼻内視鏡手術は、合計3テーブル、受講生9名、3時間のハンズオンコースでしたが、ヨーロッパを中心に様々な国から参加された受講生は経鼻内視鏡モデルを用いて熱心にトルコ鞍底の術野展開に取り組んでいました。深部における術野展開でトルコ鞍底の硬膜切開を行い視神経や下垂体などが観察できた際の受講生の表情や内頸動脈を露出するために丁寧にドリリング操作を行なっていた受講生の姿が印象的でした。

 経鼻内視鏡手術において術者へのステップアップには、on-the-job trainingやoff-the-job trainingを通じて、必要な臨床解剖を知り術野展開の方法を学ぶこと、内視鏡下手術に用いる手術器具・機器の特性に習熟することが重要と考えます。特にoff-the-job trainingでは、カダバーコースへの参加の機会は限られるため、種々のハンズオンコースに参加することは若手脳神経外科医のトレーニングに適していると思います。日本では学会主導で定期的に神経内視鏡のハンズオンコースが開催され、その方法が確立されていますが、海外においても手術モデルを用いたハンズオンコースの意義が認知され、その需要は徐々に高まっていると実感しました。

帝京大学脳神経外科助教

後藤芳明先生

 経鼻内視鏡手術は、しばしば限られた施設に症例が集約されることから、ともすれば若手医師にとって実臨床での経験を蓄積するのが困難な場合があります。頭部モデルを用いたハンズオントレーニングは、この若手医師が勤務先を問わず技術と知識を習得する大きな助けとなるとともに、中堅医師やベテラン医師が更に困難症例に挑戦する際にも役立つものです。今回ジャパン・メディカル・カンパニー社製の頭部モデルは、鼻腔内構造物を、粘膜、骨構造のみならず、血管、神経まで精細に再現しているものであり、高いレベルでのモデルトレーニングを行うにあたっての有用なツールとなっていました。今後いくつかの改善を行えば、近い将来に、実際の経鼻手術とほとんど遜色がない程度のトレーニングが可能となると考えられます。このようなoff the job trainingの機会が増えることで、日本における経鼻頭蓋底手術の未来は明るいものとなることを期待しています。


KEZLEXについて

 「KEZLEX」は、当社が開発・製造・販売する医療用精密立体模型であり、人骨と同様の削り心地および人体の内部構造をリアルに再現しています。30年以上にわたり、脳神経外科や耳鼻咽喉科、頭頸部外科の医師と共同で幾度もの改良を重ね、現在の完成度に至りました。医師の知見と当社の3Dプリンティング技術を中心とするモノづくりのノウハウが融合したモデルであり、国内外のハンズオンセミナーや術前シミュレーションなど、幅広い用途で利用されています。現在までに、アメリカ、ヨーロッパ、中国、東南アジアなど世界50ヵ国以上で導入されています。

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーについて

 ジャパン・メディカル・カンパニーは、最先端の3Dプリンティング技術を活用し、医療の新たな可能性を切り拓くものづくりベンチャー企業です。1897年創業の鉄鋼メーカー「大野興業」を前身とし、130年以上にわたり培われた技術力とものづくり精神を基盤に、革新的な医療製品の開発を続けています。

 1999年には、積層造形技術(3Dプリント)を活用したリバースエンジニアリングを導入し、耳小骨などのヒト骨模型製法で特許を取得しました。この技術を基に、術前シミュレーション用3D模型や教育練習用模型の開発を数多く手がけ、脳神経外科や耳鼻咽喉科領域を中心に、手術前シミュレーションや認定医試験等の場面で当社製品が活用されています。

 2012年には、国内初の頭蓋矯正ヘルメット「Aimet(アイメット)」を脳神経外科医との共同開発により発表。2018年にジャパン・メディカル・カンパニーとして独立し、医療分野でのさらなる成長を遂げました。

 現在では、頭蓋矯正用ヘルメット「Qurum Fit(クルムフィット)」および「Qurum(クルム)」、乳児の頭蓋変形の程度を簡便に計測できる「赤ちゃんの頭のかたち測定アプリ」、ヘルメット治療を支援する「metto(メット)アプリ」などの製品を開発・製造・販売しています。当社は、医療分野における新たな価値の創出を目指し、革新を続けています。

 これまでに、当社の頭蓋矯正ヘルメットを用いた治療は累計17,000症例以上に達しており、ヘルメット治療の認知拡大や普及に努めています。また、頭蓋形状矯正という新しい概念を広めるとともに、疾病啓発活動を推進し、より良い医療環境の実現に貢献してまいります。

■社名:株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー

■設⽴:2018年5⽉

■代表取締役CEO:⼤野秀晃

■事業内容:医療機器の開発・製造・販売、医療雑品の開発・製造・販売

■URL:https://japanmedicalcompany.co.jp

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーのプレスリリース⼀覧

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/46445

本リリースに関するお問い合わせ・ご質問はこちらまで

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー コーポレイト・デザイン室 柳本 瑞穂

TEL:03-5829-8342 / choice@japanmedicalcompany.co.jp

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会社概要

URL
https://japanmedicalcompany.co.jp/
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都中央区東日本橋2-24-12 東日本橋槇町ビル2F
電話番号
03-5829-8342
代表者名
大野秀晃
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2018年05月