【STARTUP DB】調査結果 国内スタートアップ資金調達金額ランキング
6社が新規ランクイン、2位には124.9億円調達のSmartHR
2021年1-5月の国内スタートアップ資金調達金額ランキングでは、クラウド人事労務ソフト「SmartHR」を展開するSmartHRが124.9億円の調達を行い、ランキングの2位に躍り出ました。また、Mobility Technologies(注1)、ビットキー、シンクサイト、マネーツリー、アクセルスペースホールディングスが25億円を超える資金調達を新たに実施し、新規ランクイン企業は6社となりました。
注1:以前より公表していた調達内容が登記簿に反映されたため計上
2013年1月に設立されたSmartHRは、人事・労務の業務効率化と、働くすべての人の生産性向上を支えるクラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供。同サービスは、様々な労務手続きや書類のペーパーレス化や効率化はもちろん、従業員情報の一元管理や、蓄まったデータの有効活用を容易にしています。
2020年4月、大企業を中心に社会保険の電子申請が義務化され、今後、中小企業にも適用拡大が行われることで、同社ソフトのさらなるニーズ拡大も見込まれています。登記簿によると、2021年3月から4月にかけて、およそ124億9,500万円の調達を確認。これにより、企業評価額は1,700億円に到達しました。
また、2020年5月29日には、商工組合中央金庫よりクラウド人事労務ソフト事業の販路拡大などに必要な資金5億円の融資を受けています。
ブロックチェーン技術を基盤としたスマートロック「bitlock」や暮らしのコネクトプラットフォーム「homehub」を展開するビットキーは、2021年5月にパナソニックのハウジングシステム事業部および、プライムライフテクノロジーズとの資本業務提携を発表。パナソニックとは、「homehub」とパナソニックが扱う住宅設備や建材商品をつなげることで、住宅市場において、顧客のニーズに対応した商品を開発する目的としています。プライムライフテクノロジーズとは、2022年3月までに「homehub」を基盤としたタウンポータルサイトを開発し、新規の大型分譲での展開を開始。共有施設予約、住民間のコミュニケーションなどの機能を提供し、様々な製品やサービスとの連携も視野に取り組みを進めていく方針です。
シンクサイトは、AIが駆動するイメージ認識型高速セルソーティング技術(注2)を用いた治療・診断プラットフォームの研究開発を行うスタートアップ。2021年5月19日には、シリーズBラウンドで総額28億5,000万円の資金調達を発表しました。引受先は、スパークス・グループ、シスメックス、三井住友トラスト・インベストメント、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、SBIホールディングスなどが参画。これまでの累計資金調達額は、49億300万円となっています。
今回の調達を受けて、GC技術(注3)を利用した革新的な治療や検査診断の実用化に向けて、各領域における共同研究を更に推し進めると同時に、GC技術が搭載された細胞分析・分離システムの開発を加速していく予定です。また、事業拡大に伴い人材を拡充し、大きな需要の見込まれる米国市場の事業開発も積極的に進めとのことです。
注2:超高速・高精度なイメージ認識型のリアルタイム細胞分離システム
注3:同社が独自に開発したイメージ認識型高速セルソーティング技術であるゴーストサイトメトリー技術
ランクイン企業のうち、累計資金調達金額100億円越えの企業は5社
今月の資金調達金額ランキングのランクイン企業の設立日と、設立からの累計調達金額は以下の通りです。
トップ20にランクインしている企業のうち、累計調達金額が100億円を超えている企業はPaidy、SmartHR、Mobility Technologies、ディーカレット、TBMの5社です。
また、設立5年以内のスタートアップは、ディーカレット、ネットプロテクションズホールディングス、ビットキー、Legal Force、アクセルスペースホールディングスの5社で全社が20億円以上を調達しています。
今回のランキングで13位に新規ランクインしたアクセルスペースホールディングスは、2020年に設立され、独自開発の超小型衛星を活用した宇宙ビジネスを展開するアクセルスペースの親会社です。子会社であるアクセルスペースは、東京大学と東京工業大学で生まれた超小型衛星技術を使用した世界初の民間商用超小型衛星を含む実用衛星の開発・運用に取り組んでおり、2018年6月には、経済産業省が推進するスタートアップ集中支援プログラム「J-Startup」に採択されています。
2021年4月には、スパークス・イノベーション・フォー・フューチャーが運営する宇宙フロンティアファンドや三井住友トラスト・インベストメントが運営するジャパン・コインベスト3号投資事業有限責任組合、JPインベストメント、三井不動産とグローバル・ブレインが運営する31VENTURES-グローバル・ブレイン-グロースⅠ合同会社、三菱UFJキャピタル、京セラを引受先とした約25億8,000万円の資金調達を実施。同社が構築を進める次世代地球観測プラットフォーム「AxelGlobe」プロジェクトにおいて世界の任意の地点の毎日観測を可能にすることを目指しています。
12位に新規ランクインしたマネーツリーは、個人向けの家計管理アプリ「Moneytree」やエンタープライズ向け金融プラットフォーム「Moneytree LINK」を提供。2021年5月には、GMOベンチャーパートナーズ、任天堂創業家の山内家ファミリーオフィス、Aslead Capital、Fidelity Internationalを引受先とする26億円の第三者割当増資を実施。2012年の創業以来、同社の累計調達金額は58億5,000万円に到達しました。
当社は、今後もSTARTUP DBを通じて、スタートアップ・エコシステムの活性化を行い、国内成長産業の発展に貢献してまいります。
【調査概要】
タイトル:「国内スタートアップ資金調達金額ランキング」
調査期間:2021年1月から5月まで(2021年6月4日時点)
レポート記事:STARTUP DB (https://media.startup-db.com/research/funding-ranking-202105)
※当社が取得した登記簿謄本に記載している情報を元に参考値として算出しておりますが、当社は、本情報の正確性、信頼性、完全性を保証するものではなく、本情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切責任を負いません。
STARTUP DB(スタートアップデータベース)について
国内最大級の成長産業領域に特化した情報プラットフォームです。企業データベースは、13,000社以上の日本のベンチャー・スタートアップ企業の情報を保有するとともに、起業家・投資家、エコシステムビルダーの方々累計100名以上のインタビューコンテンツをリリースしています。2019年6月24日より、英語版リリース。また、世界最大級のベンチャー企業データベース「Crunchbase」とデータ連携し、日本企業の情報を海外のプロフェッショナルに届けることで、国内の成長産業領域市場の発展に貢献しています。
https://startup-db.com/
フォースタートアップス株式会社 概要
社名 : フォースタートアップス株式会社
代表者 : 代表取締役社⻑ 兼 CEO 志水 雄一郎
設立 : 2016年9月1日
事業内容:成長産業支援事業
所在地 : 東京都港区六本木1-6-1 泉ガーデンタワー36F
https://forstartups.com/
フォースタートアップスは、「世界で勝負できる産業、企業、サービス、人を創出し、日本の成⻑を支えていく」 ために、「for Startups」というビジョンのもと、インターネット/IoTセクターをはじめ、ディープテック等リアルビジネス領域も含めた起業支援と転職支援を中核とした成長産業支援事業を推進。国内有⼒ベンチャーキャピタルと連携したスタートアップ・ベンチャー企業への戦略的資⾦⽀援や、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB(スタートアップデータベース)」の運用、及び、大企業とのビジネス共創モデルによる産業エコシステム強化にも取り組む。今後もビジョンとともに、日本の成長・発展に貢献してまいります。
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