【パーソルダイバース/調査レポート】法定雇用率2.7%の達成、企業の半数以上が「困難」と回答。今後障害者採用の拡大には意欲的
~パーソルダイバース「企業の障害者採用に関する実態・意識調査」~
総合人材サービスのパーソルグループにおいて障害者雇用支援事業を展開するパーソルダイバース株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:渡部 広和)は、企業の障害者採用担当者501名を対象に「企業の障害者採用に関する実態・意識調査」を実施し、このたび結果を発表いたします。
法定雇用率2.7%への引き上げや障害者労働市場の変化を背景に、企業は障害者採用において“量の確保”と“質の向上”の両立が求められています。本調査では、企業が抱える障害者採用への意向や課題、そして、成長・活躍を見据えた人材活用の実態が明らかになっています。
■主なトピックス
1. 法定雇用率2.7%の達成は「困難」が52.6%。それでも75.8%の企業が”採用拡大”に意欲的
2. 企業が求める人材は「安定・定着志向」。成長・活躍志向を求める割合は18.2%にとどまる
3. 採用後の成長・活躍支援やキャリア形成の取り組みは不足。事業貢献を見据えた体制づくりに課題
■調査結果詳細
1. 法定雇用率2.7%の達成は「困難」が52.6%。それでも75.8%の企業が”採用拡大”に意欲的
2026年7月に引き上げが見込まれる法定雇用率2.7%の達成について、52.6%が「困難」「やや困難」と回答しました。その一方で、多くの企業が社員数の増加に加え、採用対象の拡大や配属先の多様化など、採用の幅を広げる意向を示しています。
法定雇用率の上昇や労働市場の変化を受けて、企業は障害者採用の拡大の必要性を感じていることがわかります。

2. 企業が求める人材は「安定・定着志向」。成長・活躍志向を求める割合は18.2%にとどまる
企業が障害者人材に求める志向を調査したところ、最も高かったのは「安定・定着志向」で45.1%。一方、「成長・活躍志向」を持つ人材を求める割合は18.2%にとどまりました。
パーソルダイバースが2025年5月にはたらく障害者に実施した調査※では、「成長・活躍志向」を持つ障害者の割合は38.1%となっており、企業と障害のある人では志向にギャップがあることが明らかになりました。

※パーソルダイバース「はたらく障害者の就業実態・意識調査2025 vol.2 就業意識と合理的配慮」
(https://persol-diverse.co.jp/research/report013/)
3. 採用後の成長・活躍支援やキャリア形成の取り組みは不足。事業貢献を見据えた体制づくりに課題
採用プロセスでは「任せたい業務内容や役割の決定・明示」を実施していると答えた企業が61.1%と比較的高い一方、「キャリアパスの説明」や「成長支援制度の提示」の実施割合は低い結果となりました。採用活動での連携の実施割合も高く、採用活動に直結した取り組みは行えているものの、採用後の成長・活躍までを見越した動きができていない可能性が考えられます。
さらに企業からは「キャリア形成や能力に応じた処遇の見直し、昇格などが今後の課題」(金融業・保険業)、「個々に合わせたキャリアプランが必要」(製造業)といった声も寄せられ、定着後の成長・活躍支援が十分とは言えない実態が浮かび上がりました。企業は今、雇用の量的拡大に加え、社員の成長・活躍を通じて事業貢献につなげる「質の向上」への取り組みが求められています。

■調査結果考察
パーソルダイバース株式会社
人材ソリューション統括本部 人材ソリューション本部
人材紹介事業部・コンサルティング事業部 ゼネラルマネジャー
鈴木 紀子
今回の調査で、障害者の「はたらく」価値観が安定志向に偏らず、キャリアアップや成長を望む人も多いことがわかりました。
私たちが運営するdodaチャレンジへご登録いただいた方々の転職理由でも、以前は「まずは安心できる環境で安定してはたらきたい」といった声が多くありましたが、直近では、障害者雇用ではたらく中で業務の幅を広げたい、さらに成長したいという声が増えています。

企業による合理的配慮の提供はまだ不十分で、改善を求める声も多く上がっています。企業の人事担当者からは、「どの範囲まで、配慮すべきか」「障害のある社員と、他の社員の職場の公平性とのバランスは、どう取るのか」といった、雇用後のサポートや合理的配慮に悩む声も多く寄せられています。
障害者雇用では「雇用の質」の向上が重要で、多様な価値観を前提とした適切な配慮とキャリア支援が求められています。パーソルダイバースは今後も、dodaチャレンジを通じて一人ひとりのはたらく想いの実現を目指すとともに、企業の雇用課題と真摯に向き合い支援を続けてまいります。
■調査概要

■パーソルダイバースについて<https://persol-diverse.co.jp/>
パーソルグループの特例子会社として、「障害者雇用を成功させる。そして、その先へ。」をミッションに、障害者の多様なはたらき方とはたらく可能性の創出に取り組んでいます。グループ内外の企業や地域と連携した多様な業務受託サービスを展開するほか、国内最大級の求人・登録者数を持つ障害者のための転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」、就労移行支援事業所「ミラトレ」「Neuro Dive」の運営や、企業の雇用課題を支援する「障害者の人材紹介」「障害者雇用コンサルティング」などのサービスを提供しています。
■「PERSOL(パーソル)」について<https://www.persol-group.co.jp/>
パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」、ITアウトソーシングや設計開発など、人と組織にかかわる多様な事業を展開しています。グループの経営理念・サステナビリティ方針に沿って事業活動を推進することで、持続可能な社会の実現とSDGsの達成に貢献していきます。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
