あなどらないで、こどもの好奇心 ~目を離した隙の自転車事故に注意!~
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE(ナイト))は、大型連休を前に「こども(※1)の自転車(※2)の事故」に関する注意喚起を行い、事故を防ぐポイントをお知らせします。
2018年から2022年までの5年間にNITEに通知された製品事故情報(※3)では、0歳から14歳までのこどもが被害に遭った自転車の事故の件数は40件ありました。
事故状況をみると年代別に特徴があり、0歳から4歳までのこどもでは自転車を停車中に発生している事故が多く、幼児用自転車の車輪の回転に興味を持ったこどもが指を挟み込む事故などが発生しています。5歳から14歳までのこどもでは自転車を走行中に発生している事故が多く、自身の足が車輪や泥よけに接触することで前輪がロックして転倒する事故などが発生しています。
自転車は手軽な乗り物ですが、事故に遭うと重傷を負いやすく、大変危険です。また、こどもは好奇心の塊です。特に小さなこどもは何にでも興味を示しますが、危険かどうかを判断することが難しいため、より一層、保護者の注意が必要です。
事故を防ぐために親子そろって自転車の正しい使い方を確認し、安全に連休を楽しみましょう。
(※1) 本資料では、0歳から14歳までを「こども」としています。
(※2) 「自転車」には、一般用自転車、幼児用自転車、電動アシスト自転車、スポーツ車、折りたたみ自転車、幼児用座席を含みます。
(※3) 消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故やヒヤリハット情報(被害なし)を含みます。
「こどもの自転車事故」の被害状況
2018年から2022年までの「こどもの自転車の事故」40件について、被害状況別に分類したグラフを示します。「こどもの自転車の事故」は、重傷事故が多く、全体の7割(28件)を占めています。
けがの種類別割合
「こどもの自転車の事故」40件のうち、こどもがけがを負った事故38件について、けがの種類別にまとめたグラフを示します。全体では手・腕の骨折が最も多く、倒れる際に手をつこうとするなどして骨折しています。また、0歳から4歳までのこどもでは指の切断・挫創が多くなっています。
幼児用自転車を購入する際のポイント
○チェーンケースが付いた、より安全な製品の検討をお勧めします。
チェーンケースは、衣服や手足の巻き込みを防止するための保護装置です。
日本産業規格(JIS D 9302:2019)を満たしている幼児用自転車のチェーンケースは、チェーンとギヤを内側・外側と外縁すべてを覆っているケースもあります。
「0歳から4歳までのこどもの事故」を防ぐためのポイント
○不用意に自転車にはこどもを近づけないよう、保護者はこどもから目を離さない。
「指を挟み込む事故」は、こどもが自転車を使用中に、ほかのこども(特に1歳から2歳)が自転車に近づいて、回転部分に手を触れることで多く発生しています。車輪、チェーン、ギヤには手や足を絶対に触れないように、保護者がしっかりと見守りましょう。
○幼児用座席にこどもを乗せたまま離れない。
こどもを乗せた自転車が倒れると、こどもが地面にぶつかり、けがを負うおそれがあるので、絶対にこどもを乗せたまま、自転車から離れないでください。また、バランスを崩しやすいため、傾斜地などに絶対に駐輪しないでください。
「5歳から14歳までのこどもの事故」を防ぐためのポイント
○泥よけや車輪などの回転部に足や物を近づけない。
足が車輪や泥よけに接触すると、車輪に巻き込まれて、急にロックして転倒するおそれがあります。
○ハンドルにものをぶら下げて走行しない。
ハンドルに傘、かばん、袋などの荷物をぶら下げていると、車輪に巻き込まれてロックし、バランスを崩して転倒するため危険です。荷物はハンドルにぶら下げたりせず、かごに入れてください。
今回のプレスリリース本文はこちら
>>NITE公式HP
http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2023fy/prs230427.html
今回の注意喚起動画はこちら
>>NITE公式 YouTube
【nite-ps】自転車「13.こどもが自転車で指を切断2」
事故品・事故事例を確認する
NITEはホームページで製品事故に特化したウェブ検索ツール「SAFE-Lite(セーフ・ライト)」のサービスを行っています。製品の利用者が慣れ親しんだ名称で製品名を入力すると、その名称(製品)に関連する事故の情報が表示されます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/safe-lite.html
独立行政法人 製品評価技術基盤機構 製品安全センターの概要
NITE 製品安全センターには、消費生活用製品安全法などの法律に基づき、一般消費者が購入する消費生活用製品(家庭用電気製品やガス・石油機器、身の回り品など)を対象に毎年1千件以上の事故情報が寄せられます。
製品安全センターでは、こうして収集した事故情報を公平かつ中立な立場で調査・分析して原因究明やリスク評価を行っています。原因究明調査の結果を公表することで、製品事故の再発・未然防止に役立てています。
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