【〆切4/22】経済危機で苦しむベネズエラ人から学ぶ『命のスペイン語レッスン』(5月1日~10月31日)、受講者募集

難民717万、インフレ率537%、1カ月の最低賃金700円‥‥の国ベネズエラ

途上国に特化したメディア「ganas」を運営するNPO法人開発メディアはこのほど、経済危機で苦しむベネズエラ人から学ぶ『命のスペイン語レッスン』(5月1日~10月31日)の受講者の募集をスタートしました。レッスン料の大半が、スペイン語の講師&教材制作者らの報酬などとしてベネズエラ支援に回るのが特徴。これまでの受講者は延べ650人。レッスンの質についても「同等のレッスンを日本で受けると10倍すると思う」との感想もいただいております。

国民の95%以上が「貧困」に、4分の1近くが「難民」になってしまった知られざる国があります。南米のベネズエラです。

理由は、経済が完全に崩壊し、世界最悪のインフレがほぼ10年にわたって続いているため。ウクライナ危機やミャンマーの軍政反対運動のような「派手さ」がないことから日本ではまったく注目されませんが、実は、米国の通信社が毎年発表する「最も惨めな国ランキング」で6年連続1位になるほど深刻なのです。

運の悪い境遇に生まれてしまったベネズエラの人たちを少しでも助けようと、途上国・国際協力に特化した非営利メディアの「ganas」(運営:NPO法人開発メディア)が3年前に立ち上げたwin-winのプログラムが、経済危機で苦しむベネズエラ人から学ぶ『命のスペイン語レッスン』です。第10期生の募集をこのほどスタートしました。

第10期の受講期間は2023年5月1日~10月31日の6カ月(特別プランのみ2023年5月1日~2024年4月30日の1年)。ベネズエラ在住のベネズエラ人からオンラインでスペイン語を学びます。レッスンはマンツーマンですので、スペイン語の初心者から上級者まで、ご自身のレベルにあったレッスンを受けられます。ベネズエラ人講師が頑張ってスキルアップしてきた結果、過去の受講者からは「レッスンの質はお値段以上。同等のレッスンを日本で受けたら10倍すると思う」と好評を得ています。

『命のスペイン語レッスン』はスペイン語のレッスンを提供するだけではありません。大きな特徴のひとつは、受講者からいただくレッスン料の大半をベネズエラへ送金すること。クラウドファンディングや寄付といった一過性の支援ではなく、「スペイン語講師」の仕事をきっちりしてもらい(すべての講師はスペイン語の教え方の訓練を受けています)、その報酬として毎月払うのがミソです。新しい国際協力のカタチ。

■ベネズエラの難民はシリアより多い

ベネズエラの経済はいま、どうなっているのか。

その国の経済規模を表す国内総生産(GDP)をみると、ベネズエラのGDPはわずか3年(2017~20年)でなんと半減しました。1人当たりに換算すると、驚くことに60年以上前(1960年ごろ)の水準に戻ってしまったのです。極貧を含む「貧困層」の割合はいまや95%を超えます。

ベネズエラの2023年2月のインフレ率は年換算で537%(世界最悪)。ハイパーインフレが始まって以来、ベネズエラの通貨であるボリーバルの価値は99%失われたといわれます(数回にわたるデノミネーションでゼロをいくつとったのかわからないほど)。

想像しやすいように日本円にあてはめてざっくり説明すると、400万円だった年収が4万円に、100万円あった貯金が1万円に激減したということ。自分事だと想像してみてください! こうしたありえないことが起きているのがベネズエラなのです。

ごみの中から食べ物を探すベネズエラの人たちを撮った衝撃的な写真を目にしたことがある方もおられるでしょう(「venezuela crisis」とグーグル検索すると、さまざまな写真が出てきます。ベネズエラの悲惨な状況についてganas編集長が解説したユーチューブはこちら)。

経済が破綻して以来、ベネズエラ国民の4分の1近く(2023年1月27日時点で約717万人)が難民として国外へ逃れました。550万人(2023年3月時点)といわれるシリア難民の数を上回ります。国際通貨基金(IMF)の予測によれば、ベネズエラ難民の数は2025年までに840万人に達するとも。ベネズエラでは紛争も、自然災害も起きていないというのに‥‥。

最近では、米国へ渡ろうとするベネズエラ難民が急増しています。ベネズエラから米国へは飛行機で飛んでも十数時間。それをバスや徒歩で目指します。コロンビアとパナマの間には、命を落とす危険がある悪名高いダリエン地峡(パンアメリカンハイウェーも通っていない密林・湿地地帯)が横たわっています。ここはおよそ10日間にわたって泥道を歩くしかありません。最低限の水と食料を担いで‥‥。

ベネズエラ人はこう口をそろえます。「難民になった知り合いをもたないベネズエラ人はだれもいない。ダリエンを越えるベネズエラ人もいまや珍しくない」と。

■世界で「最も惨めな国」に陥ったわけ

ベネズエラの経済危機のきっかけを作ったのは、反米・社会主義を掲げたものの経済政策の失敗を重ねたチャベス前大統領(2013年に死去)と、その後継者のマドゥロ現大統領との見方が一般的です。

ベネズエラで何が起きたのか。単純化して説明します。

チャベス前大統領は2000年代、貧困層にお金を回すために、外資系の石油会社を国有化したり、モノの価格を統制(安い価格にした)したりしました。一見すると、良さそうな政策に映るかもしれません。ところが結果は、想像を絶する最悪の事態(最大で200万%超のハイパーインフレ)を招いたのです。

外資系の石油会社を国有化したところ、新規の油田開拓や経営がうまくいかず、石油生産量は落ちていきました。2015年ごろから最近まで続いた国際的な石油価格の下落と相まって、石油収入は激減。石油からの収入はベネズエラの国家収入のおよそ8割を支えていただけに、インパクトは半端ありません。

モノの価格を統制したら、どうなったのか。生産側からすると、モノを作っても儲からなくなりました。国内の産業はつぶれていきます。輸入への依存度は高まるばかり。結果として、ベネズエラ経済は「死に体」となってしまったのです。

財政赤字を埋めようと、国営の石油会社(PDVSA)の利益を増税などでより多く吸い上げたら、新規投資どころか、石油設備のメンテナンスに回すお金が不足。石油の生産量が減り続けていく悪循環に拍車をかけていきます。

ちなみにベネズエラは世界最大の石油埋蔵確認量をもつ国。なのにイランから2020年、ガソリンを輸入しました。

国家財政が立ち行かなくなり、貨幣をたくさん刷った結果起きたのがハイパーインフレです。そこに追い打ちをかけたのが米国の経済制裁(簡単にいうと、米国企業と取引できなくなった)。国民の95%以上が貧困に陥り、国民の4分の1近くが難民として国を去ったのは前述のとおりです。

2000年代は「反米の旗手」ともてはやされたベネズエラは悲しいことに、米国の通信社ブルームバーグが毎年発表する「最も惨めな国ランキング」で6年連続1位になってしまいました(米ジョンズホプキンス大学のスティーブ ・ハンケ教授が発表した「2020年悲惨指数」の記事はこちら)。

■収入は1日たったの24円

ご存知ですか。ベネズエラの1カ月の最低賃金がわずか130ボリーバル(5.4ドル=約714円)であることを。30日で割ると1日18セント(約24円)。日本で言えば小学生のお小遣い並みです。

インフレが凄まじい(モノによっては日本か、それ以上の物価)ベネズエラで、これでは到底暮らしていけません。しかもこの金額で家族を支えないといけないのです。

世界銀行が定める貧困ラインは1日1.9ドル(約250円)。この数字を大きく下回るベネズエラ人の暮らしがいかに悲惨か、容易に想像できると思います。

ベネズエラの主食であるトウモロコシの粉は1袋(1キロ)1.7ドル(約225円)します。5人家族の場合、これは1回の食事でなくなる量。ですがこれだけで月収のおよそ3割を占めます。

困窮する庶民は1日1食にしたり、収入を少しでも増やそうと家で食べ物を作って路上で売ったり、山へ金を掘りに行ったり(ゲリラが支配しているため治安が悪く、犯罪に巻き込まれることも)、ごみを漁って食べ物を探したりしてなんとか糊口を凌いでいます。

何とも言えない気持ちになるのは、経済危機で仕事を失った人たちを行政(市役所)が最低賃金で何人も雇っていること。雇ってもらう人たちは、わずかな収入でも毎月欲しいから、自分たちを困窮させた政府に対して「ノー」と言えなくなります。なんという皮肉。ある意味、口封じのやり方です。

■4日間ノンストップの停電も

ベネズエラでいま深刻なのは「停電」です。状況は悪化の一途。電力供給を優先的に受ける首都カラカスはともかく、地方だと、電気が1日に10回止まることもざら。ひどいときはノンストップで停電が3~4日続くこともあります。

水の供給も最悪。メンテナンス(お金がかかる)を長年怠ってきたツケから、停電していなくても水道が頻繁に止まるようになってしまいました。どうか想像してみてください。水なしで過ごす地獄の日々を。

ベネズエラ政府がしきりにPRする国民への配給(CLAP)制度も十分に機能していません。コメやトウモロコシ粉、パスタ、砂糖、食用油をカラカスでは1カ月に1回、地方では3カ月に1回のペースで配るだけ(全員がもらえるわけではない)。にもかかわらずマドゥロ大統領は「危機は起きていない」と繰り返します。

ただ現実として生きていけない。だから難民として国を出る。これは否定できない事実です。

かといって政府を批判するとどうなるか。命の危険にさらされます(マドゥロ政権をSNSで批判するベネズエラ人のほとんどは国外に住んでいる人たち)。

国連人権委員会は2020年9月、マドゥロ政権が「司法を無視した処刑」「不法な拘留」「強制失踪(政府に拉致され、行方不明になること)」「拷問」にかかわっていると糾弾する報告書を出しました。

ベネズエラ国民を直接取り締まるベネズエラ国軍には、汚職で私腹を肥やす幹部も少なくないといわれます。マドゥロ政権が倒れない最大の理由は、こうした軍への配慮があるからです。汚職はますます増えていきそうです。

ベネズエラでは2020年12月6日、議会選挙が実施されました。ですが野党がボイコットしたため当然、与党は勝利。ただ投票率はたったの30%超でした。早い話、野党だけでなく、有権者も選挙をボイコットしたのです。独裁がますます強まるなか、「マドゥロ大統領に歯向かうと命を狙われる。ベネズエラ人の多くはもう諦めている‥‥」とベネズエラ人の多くはため息をつきます。

■国際社会からの支援はほぼない

問題は、マドゥロ政権が国際社会からの支援の受け入れをほぼ拒否していることです(ユニセフなど一部の団体は入っています)。これは、国連やNGOなど外部の組織からの援助すら国民にほぼ届かないことを意味します。

チャベス、マドゥロ両政権が引き起こした経済危機、米国の経済制裁、国際社会からの支援がほぼ入らないこと、コロナ禍、ウクライナ危機‥‥こうした要因が重なって、日々の食べ物にも事欠く「極貧層」の割合は増えるばかり。またコロンビアをはじめとする近隣国に逃れるベネズエラ難民も増えるばかり。

世界から見放された国、ベネズエラ。ここが、ウクライナやシリア、ミャンマーなどとの決定的な違いです。日本のメディアが取り上げないこともあってか、日本のNGOで、シリアやミャンマー、ウクライナを支援するところはいくつかあっても、ベネズエラは聞いたことがありません。おそらくganasだけです。

窮地に追い込まれたベネズエラ人を助けるプロジェクト、それが『命のスペイン語レッスン』なのです。

といってもお金(寄付金)をただ渡すことはしません。ganasが提供するスペイン語講師の仕事をきちっとやることで、彼ら自身が責任をもって稼ぐのです。なぜなら寄付は永続的ではありませんし、ベネズエラ人にとってはスキルを身につけ、それを使って稼ぐことは長い人生で必須ですから。また、たとえ“国ガチャ”“時代ガチャ”に外れたとしても、ベネズエラ人には日本人と同じようにプライドがあります。

■だれも生まれる国を選べない

『命のスペイン語レッスン』は2020年5月に正式スタートしました。嬉しいことに、過去9回(合計3年)で延べ650人(おかげさまでリピーターの方が多いです)の社会人・学生に受講していただきました。ベネズエラ人講師らの家族の生活は劇的に改善されています(心から感謝を申し上げます)。

下は、彼らから届いた声です。

「家族全員が普通に食事をとれるようになった」
「家族の服を買えるようになった」
「病気の夫のために薬を買えるようになった」
「電気の供給を受けられるようになった(壊れていた機器を直した)」
「家族が病気になったときに困らないよう蓄えも少しずつできるようになった」
「井戸を掘ることができた(水が手に入るようになった)」

(レッスン料の一部は、講師の家族ではない貧しい子どもたちや高齢者、障がい者へ服、サンダル、食事、薬などを渡すお金に使っています。また子どもを対象に、楽しみながら学べるワークショップも時々開いています)

第10期(2023年5月1日~10月31日)は3人のベネズエラ人が講師を務め、それに加えて1人が教材をつくる担当となる予定です。4人にはそれぞれ支えないといけない家族がいます。

皆さま、苦境のなかを必死に頑張るベネズエラ人(スペイン語の講師を任せるので、優秀で責任感のある人を厳選しています)を応援していただけませんか。

絶対に忘れてはいけません。人はだれも生まれる国を選べないことを。悲しいかな、危機はウクライナやミャンマー、シリアだけではないのです。

世界最悪の経済危機がベネズエラで続く限り、ganasは『命のスペイン語レッスン』をやめることはありません。

■『命のスペイン語レッスン』の3つのメリット 

①スペイン語をマンツーマンで好きな時間に学べる!
②政治・経済・文化も知れる!
③頑張るベネズエラ人を支援できる!

■これまでの受講者の皆さまの声(抜粋)

「今まで参加したことのある外国語教室の中で一番楽しい。先生のお人柄とプロ意識が質の高いレッスンに結び付いていると思う。ベネズエラのことももっと教えてほしいし、もっと聞くことができるようにがんばりたい」

「スペイン語が初心者の私に、先生は真摯に対応してくれたので、学習意欲が増した。お互いの国の写真を送り、それについての情報や考えを交換できたのは私にとって大変良い刺激になった」

「教え方がていねい。私は文法を一応かじっており、先生もそこを考慮して授業を進めてくれた」

「テキストとボイスメッセージのやりとりなので不安があった。でもボイスメッセージの音はかなりクリア。また写真も受信でき、問題なくレッスンできた。ビデオ通話のようなリアルタイムのコミュニケーションではないけれど、そのぶん、しっかり考える時間がもてるし、先生の質問にも落ち着いて答えられる。私にはこっちのスタイルがあっていた」

「先生の熱意がすごい。レッスンの日時が選びやすい」

「2カ月目から宿題が出るようになり、レッスンのない日もスペイン語に親しめて良かった。音声だけでなく打ってくれるし、間違いをすぐに直してもらえるところはマンツーマンならでは」

「スピーキング、ライティング、リスニング、リーディングをバランス良く学べ、とても質の高いレッスンだと感じた」

「講師の質が高い。間違いをていねいに訂正してくれ、弱点を強化するような宿題を出してくれる。私はwritingを練習したいのでWhatsAppでのやりとりが適している」

■期間

2023年5月1日(月)~2023年10月31日(火)。ただし2023年6月9~16日、9月9~16日はお休みさせていただきます。時間帯(日本時間)は7~12時、19~25時。この中から自由に選んで、予約していただきます。

*「特別プラン」のみ期間は2023年5月1日~2024年4月30日の1年。
*レッスンを受けられるのは半年で30回(各回1時間)まで。ライトプラン(お試しコース)は15回まで。
*レッスンは予約制です。
*詳しいやり方はお申し込みされた方へご案内します。 

■レッスン料(基本は半年分。特別プランは1年分)

・ganasサポーターズクラブのパートナー/サポーター: 1万9500円(1カ月当たり3250円)
・一般:2万4200円(1カ月当たり4033円)
・ライトプラン(お試しコース):1万4300円(1カ月当たり2383円)
・特別プラン(1年分):2万9000円(1カ月当たり2416円)

*特別プラン(受講期間は1年)は、ganasサポーターズクラブに新規に入り(受講期間が終わるまで継続)、なおかつganasが販売するミャンマーのチャリティ商品(蓮100%のストール)を同時に購入された方のみがお申し込み可能(詳しくはお問い合わせください)。
*レッスンは半年で合計30回(各回1時間)まで受けられます(ライトプランは15回まで)。特別プランは1年で60回(半年30回×2期分)まで。

■定員と締め切り

100人(先着順)

*締め切りは2023年4月22日(土)。先着順。定員に達し次第、締め切ります。お早めの申し込みが確実です。
*お申し込みを完了された方から順番に受講日時を予約できます。

■申し込み方法

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf7ByaMBWjhdThFbN_6ra6h5uqQ051ZxFI0rNaZvsNl0yIMjA/viewform?usp=sf_link

■こんな方におススメ

・単なる寄付ではなく、自分がスペイン語を習うことが支援につながるwin-winのこのプログラムに参加したい!
・アメリカ大陸で広く話されるスペイン語(スペイン語を公用語とする国・地域は世界に21以上!)を気軽に学びたい(寝っ転がりながらでも、移動中でも、食事中でもOK)!
・JICA海外協力隊(青年海外協力隊)のOB・OGで、ラテンアメリカをウォッチし続けながらスペイン語を忘れないようにしたい!
・スペイン語を勉強中なのでネイティブにチェックしてもらいたい!
・スペイン語だけでなく、ベネズエラや他のラテンアメリカのことも知りたい!
・難民を多く出すベネズエラの現状をベネズエラ人から直接聞きたい!
・日本にいながら海外(海外に興味がある人とも)とつながり続けたい!
・JICA海外協力隊に将来参加したい!
・ラテンアメリカが好きで、これから旅したい!
・ラテンアメリカに友だちを作りたい!

■主催

特定非営利活動法人開発メディア(途上国・国際協力に特化したNPOメディア「ganas」の運営団体)

・website:https://www.ganas.or.jp/
・Facebook:https://www.facebook.com/ganas.or.jp/
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会社概要

URL
https://www.ganas.or.jp/
業種
情報通信
本社所在地
埼玉県入間市小谷田 1666-4-412
電話番号
-
代表者名
長光大慈
上場
未上場
資本金
-
設立
2012年08月