ミズノのゴルフクラブに「レオクリスタ」が初採用 セルロースナノファイバーでクラブの軽量化、高強度化を実現!
第一工業製薬株式会社(本社:京都市南区、代表取締役社長:山路直貴)は、6月10日に発売されたミズノ株式会社様のゴルフクラブに、セルロースナノファイバー(CNF)「レオクリスタ」が初めて採用されたことをお知らせします。

「レオクリスタ」は、東京大学の磯貝明特別教授・齋藤継之教授らが開発したTEMPO酸化技術をもとに当社が製造しています。
CNFの中でも特に細い、幅約3nmのシングルナノファイバーを均一に調製でき、高密度に多量のカルボキシ基を導入できることが特長です。これを生かして、ナノ材料として高い品質と強度を発揮します。
CNFはユニークなレオロジー特性や乳化・分散機能を持つ注目の素材として、これまでもボールペンインクやセラミックスバインダーなどに実用化されてきました。
今回採用されたゴルフクラブ(ドライバーシャフト部分)にはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)が使用されており、CNFとの複合化により衝撃強度の向上が期待されます。
「ヘッドスピードが遅めのシニア・レディースをターゲットにした軽量設計のクラブ」という特長で、幅広いゴルファー層に快適なゴルフライフをサポートします。
(商品名:ST-MAX 230 LITE DRIVER、シャフト名:PLTNM MFUSION AERO)
当社はカーボンニュートラルな素材であるCNFの実用化を促進し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
[採用に至った背景]
アドバンスドバイオカーボンコンソーシアム(研究期間平成28年11月~令和3年3月 https://www.shinshu-u.ac.jp/institution/icst/abc-conso/)
において、ミズノ株式会社様と国立大学法人東京大学未来ビジョン研究センターの古月客員教授らとの共同研究として、CFRPのマトリクスであるエポキシ樹脂に分散させやすいCNFの研究開発が進められてきました。
一般的に、水分散体の製品形態であるCNFは樹脂(今回の事例ではエポキシ樹脂)との相溶性がよくないため、樹脂にCNFを均一に分散させることは困難です。また、CNFの水分散体から水分を除去しただけでは、乾燥過程においてCNF同士が強力に結合し、樹脂中で容易にほぐすことができず、このCNF同士の凝集物が異物として悪影響を及ぼします。
東京大学とミズノ株式会社様が開発した方法は、これらの課題を解決し、CNFと樹脂を効果的に複合化することを可能としました。当社はTEMPO酸化技術によるCNFを製品化しており、本研究にこれを提供しております。
関連URL
セルロースナノファイバー(CNF)を利用した炭素繊維強化樹脂(CFRP)の衝撃強度の向上に成功
https://corp.mizuno.com/sites/corp/files/2022-07/CNFCFRP.pdf
製品紹介ページ(ミズノ株式会社様)

●レオクリスタは第一工業製薬株式会社の登録商標です。
【本リリースについてのお問い合わせ先】
第一工業製薬株式会社 管理本部 戦略統括部 広報IR部
TEL.075-276-3027 E-mail: d-kouhou@dks-web.co.jp
〒601-8002 京都市南区東九条上殿田町48番地2
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