トビラシステムズ 特殊詐欺・フィッシング詐欺に関するレポート(2024年2月)
電気料金に関する不審な自動音声電話が急増。春の行楽シーズンに注意したい詐欺SMS
また、直近の当社調査で確認された傾向についてもお知らせいたします。
<調査サマリー>
携帯電話番号を利用した迷惑電話が増加、国際電話番号も高止まり
国際電話番号からの迷惑電話着信は前年同期比5倍に増加
070番号発信の電気料金に関する自動音声ガイダンスの不審電話が急増
通信事業者をかたる詐欺SMSが増加、「SoftBank」や「KDDI」かたる文面目立つ
春に注意したい詐欺SMS... 春休み・ゴールデンウィークも警戒を
1. 詐欺電話レポート
○携帯電話番号を利用した迷惑電話が増加、国際電話番号も高止まり
2024年2月に新たに確認された迷惑電話番号の種別割合においては、090・080・070から始まる携帯電話番号の割合が増加し、特に070番号が急増する動きが見られました。
国際電話番号を利用した特殊詐欺や不審電話は依然高止まりしており、2024年2月の割合は45.1%でした。
また2024年4月から、契約時の本人確認義務の対象に特定IP電話番号(050番号)が含まれた、改正後の携帯電話不正利用防止法が施行されます。2023年6月に本人確認義務化の方針が発表されたのち050番号を使った迷惑電話が減少したように、今後の社会情勢や規制の変化によって迷惑電話番号の種別割合も変化する可能性があります。
○国際電話番号からの迷惑電話着信が増加、前年同期比5倍
国際電話番号を利用した迷惑電話着信件数の増加が続いており、2024年2月は前年同期比で約5倍まで増加しました。
2024年2月に確認された国際電話発信で特に多かった国番号上位3位は、アメリカ合衆国やカナダなどの北米地域、イギリス、ウガンダでした。特にイギリスの電話番号からの発信では、固定電話に対して、オレオレ詐欺や“劇場型”の特殊詐欺の可能性がある電話が増加しました。
【国際電話発信が多く確認された国番号ランキング(2024年2月 トビラシステムズ調べ)】
順位 | 国・地域名 | 国番号 |
1 | 北米地域(アメリカ合衆国・カナダ等) | +1 |
2 | イギリス | +44 |
3 | ウガンダ | +256 |
○070番号発信の電気料金に関する自動音声ガイダンスの不審電話が急増
2024年2月は、070番号発信の電気料金に関する不審な自動音声ガイダンスの電話が急増しました。「電気料金の削減診断アンケート」などの名目で、「○歳以上か」「住居は一戸建てか」「同居家族の人数は」「電気代はいくらか」などの質問にダイヤルで回答を求める自動音声ガイダンスの電話が確認されています。
なお、発信元の電話番号は070に続く2桁(070-XX)まで一致するものが多数確認されており、070番号の特定の電話番号帯から電気料金に関する自動音声ガイダンスの電話が頻繁に発信されていると考えられます。
トビラシステムズの調査では、電気料金関連の音声ガイダンスに登場する事業者名として「東京電力」「関西電力」「中部電力」「九州電力」などがありました。なお、各事業者の公式ホームページでは、自動音声を使用した電話案内に関する注意喚起が発表されています。
電気料金に関する不審電話については、070番号からの発信のほか、国際電話番号を使い「電気料金の未払いで数時間後に停電する」「○番を押して担当者につないでください」などの不審な自動音声ガイダンスの電話も発生しています。
<参考資料>
【ご注意】東京電力を装った自動音声ガイダンスによる電気料金に関するアンケートにご注意ください
https://www.tepco.co.jp/ep/archive/20171214.html
関西電力を装った不審業者に関する注意喚起
https://kepco.jp/information/notice_swindle/
中部電力関係者を装った不審電話や訪問などにご注意ください!https://www.chuden.co.jp/publicity/important/1203634_3507.html
九州電力を騙った自動音声ガイダンスによるご連絡にご注意ください
https://www.kyuden.co.jp/company_attention_10.html
2. 詐欺SMSレポート
○通信事業者をかたる詐欺SMSが大幅増加、前月比4倍
トビラシステムズの調査で、2024年2月に確認されたフィッシング詐欺のSMSの種別割合は、宅配事業者をかたる手口が66.6%、通信事業者をかたる手口が32.9%となりました。通信事業者をかたる手口の割合は前月比約4倍まで増加しました。
○大手通信事業者2社をかたる詐欺SMSが目立つ
2024年2月は、通信事業者をかたる詐欺SMSの送信が活発化しました。実在する企業やブランドの名前をかたる詐欺SMSについて、2024年2月1日〜2月20日は「SoftBank」、2月21日〜2月29日は「KDDI」をかたる文面が目立ちました。
<参考資料>
ソフトバンク発表 注意喚起
https://www.softbank.jp/mobile/info/personal/news/support/20221129a/
auサポート よくあるご質問
https://www.au.com/support/faq/detail/61/a00000000161/
詐欺SMSの検知状況をリアルタイムに観測し可視化する「詐欺SMSモニター」で、詐欺SMSに関する最新情報をご確認ください。
詐欺SMSモニター
3. <トピック>春に注意したい詐欺SMS・ゴールデンウィークも警戒を
春は進学や就職、新生活など環境の変化が起こりやすいシーズンです。また、春の行楽やゴールデンウィークなど、旅行や遠出の機会も増えやすくなります。この春、特に注意したい詐欺SMSを紹介します。
○春休み・ゴールデンウィーク注意!交通系サービスかたる詐欺SMS
旅行や帰省などで移動が増える春休みやゴールデンウィーク。昨今はJR東日本の「みどりの窓口」の設置数削減が進められており、交通系サービスのチケットレス化・モバイル化が加速しています。
このような状況下で注意したいのが、交通系サービスをかたる詐欺SMSです。2024年2月〜3月は「えきねっと」や「スマートEX」などの交通系サービスをかたるフィッシング詐欺のSMSや偽サイトが発生しています。
宿泊施設や飛行機のチケットなどをオンラインで予約・購入する機会も増えているため、金融機関やクレジットカード会社等をかたるフィッシング詐欺にも注意してください。
○年度の変わり目に注意!官公庁かたる詐欺SMS
物価や賃金の変動に応じて、毎年4月に年金額が改定されます。この影響か、2023年3月〜4月は「日本年金機構」や「厚生労働省」をかたる詐欺SMSが急増しました。
年度の変わり目は、環境の変化や様々な手続きが増えやすい時期です。今後も官公庁や公的機関をかたる詐欺SMSにご注意ください。
<参考資料>
【注意】「エクスプレス予約」や「スマートEX」のメールサービスを装った偽メールについて
https://smart-ex.jp/topics/detail/?id=762
えきねっとをかたる偽メール(フィッシングメール)偽サイト(フィッシングサイト)にご注意ください!
https://www.eki-net.com/top/oshirase/security/
日本年金機構を装った不審なメール・SMS、不審な電話や偽サイトにご注意ください。
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/gochui/notice.html
厚生労働省職員や機関を装った不審な電話・メールにご注意ください。
https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/0713-1.html
<詐欺SMSの対策>
身に覚えのないメールやSMSが届いた場合、文面に添付されたURLに触らない
日頃利用するサービスは、公式アプリやブックマークしたサイトから情報を確認
迷惑SMS対策サービスを活用し、フィッシング詐欺などの不審なSMSを自動で遮断
4. トビラシステムズについて
テクノロジーで社会課題の解決を目指し、特殊詐欺やフィッシング詐欺、グレーゾーン犯罪撲滅のためのサービスを提供しています。詐欺電話・詐欺SMS等の情報を収集・調査してデータベースを構築し、自動でフィルタリングする「迷惑情報フィルタサービス」は、固定電話、モバイル、ビジネス向けに展開し月間約1,500万人にご利用いただいています。
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