奈良市で「パートナーシップ宣誓制度」を導入
●具体的に可能となるサービスとして、市営住宅の入居、庁内各課における各種申請書等での性別欄の見直し(市任意様式)や性別違和を理由とした通称の使用の検討、市立病院での患者(パートナー)の症状を聞くこと及び手術の同意等。
●宣誓後、要件を満たす場合は登録及び証明書等の後日交付を行う。宣誓者のお二人に「パートナーシップ宣誓証明書」及び「パートナーシップ宣誓証明カード」を交付する。
奈良市は、1300年前から様々な国の多様な文化を受け入れてきたことから、多様性を重んじる街の魅力を高めようと平成27年度には性的マイノリティの旅行を支援する国際ゲイ・レズビアン旅行協会(IGLTA)と連携する一方、性的マイノリティをとりまく社会環境を整備するため、平成28年度以降、講演会や啓発展示、市職員への研修会などを実施してきました。
その具体的な施策を進めるため、令和2年4月1日から性的マイノリティ(※1)であるカップルが、相互にパートナーであることを宣誓し、市がこれを認証する奈良市パートナーシップ宣誓制度を導入します。
※1 性的マイノリティ
…性的指向(自己の恋愛又は性愛の対象となる性別についての指向をいう。)が異性愛のみでない人、又は性自認(自己が認識している性別をいう。)が戸籍上の性と異なる人をいいます。
パートナーシップ宣誓制度導入を行う行政サービス等
- 市営住宅の入居
- 庁内各課における各種申請書類等で、市が任意で定める様式の性別欄の見直し
- 性別違和を理由とした通称の使用を検
- 市立病院では患者(パートナー)の症状を聞くこと及び手術の同意(平成16年開設時から実施中)
- 職員の休暇制度及び福利厚生の拡充
1 制度導入日
令和2年4月1日
2 宣誓の対象者の要件
(1)成年に達していること。(民法第4条)
(2)住所について次のいずれかに該当すること。
ア、双方が市内に住所を有していること。
イ、一方が市内に住所を有し、かつ、他の一方が3箇月以内に市内への転入を予定していること。
ウ、双方が3箇月以内に市内への転入を予定していること。
(3)双方に配偶者がいないこと及び他の者とパートナーシップにないこと。
(4)宣誓をしようとする者同士が近親者でないこと。
3 パートナーシップ宣誓制度導入に伴う行政サービス等
行政サービス
【1】市営住宅の入居(市営住宅入居資格者)【担当:住宅課】
奈良市営住宅条例施行規則を改正し、市営住宅等への入居要件の中に「パートナーシップ宣誓を行った者」を追加します。
導入前
(1) 配偶者(内縁関係を含む)
(2) 3親等以内の血族又は姻族
導入後
(1)(2)に加え、(3)パートナーシップ宣誓を行なった登録者
【2】庁内各課における各種申請書類等で、市が任意で様式を定めているものについては、性別欄の見直しを行います。
また性別違和を理由とした通称の使用を検討します。
【3】病院での対応:症状を聞くこと及び手術の同意【担当:医療政策課】(平成16年開設時から実施中)
本人同伴の場合は、パートナーシップ宣誓証明書の有無にかかわらず立会ができま
す。
本人不在の場合は、本人の委任状か同意書があれば確認できます。
その他
【4】職員の休暇制度【担当:人事課】
結婚に伴い認められる結婚休暇(5日間)に関して、「パートナーシップの関係にある者」を認められる「パートナーシップ休暇」を新設する。
導入前
(1) 結婚休暇
導入後
(1)に加え、(2)パートナーシップ休暇
その他、婚姻関係等に基づき利用できる休暇制度について「パートナーシップの関係にある者」についても認められるよう、制度を拡充予定。
【5】職員の福利厚生【担当:奈良市職員互助会】
(ア)結婚祝金(5万円)
結婚した際に給付する結婚祝金に関して、「結婚」を「パートナーシップの 関係にある」と読み替えることで新たな給付対象者とする。
導入前
(1) 結婚
導入後
(1)に加え、(2)パートナーシップの関係にある
(イ) 弔慰金(配偶者8万円)、出産祝金(2万円)
配偶者が給付対象となる弔慰金、出産祝金に関して、婚姻関係にある相手方を意味する「配偶者」を給付規程内では「パートナーシップの関係にある者」を含めることで新たな給付対象者とする。
導入前
配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)
導入後
配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む又はパートナーシップの関係にある者)を加える。
4 宣誓日当日
宣誓日に必要書類をご持参のうえ、宣誓しようとするお二人で来庁してください。
職員立ち会いのもと、提出書類に必要事項を記入し提出していただきます。
提出書類
- パートナーシップ宣誓書
- パートナーシップの宣誓に関する確認書
- 世帯全員の住民票の写し(3箇月以内に発行され、続柄を記載したものに限る。)
- 戸籍謄本又は戸籍全部事項証明書(3箇月以内に発行されたものに限る。)
次の書類のいずれかを提示してください。
- 個人番号カード
- 住民基本台帳カード(顔写真が貼付されたものに限る。)
- 旅券
- 運転免許証
- その他官公署が発行した免許証、許可証又は登録証明証であって、本人の顔写真が貼付されたもの
パートナーシップ宣誓の要件を満たしているときは、「登録簿」への登録及び証明書等の交付手続を行います。
手続き終了後、人権政策課から宣誓者へ電話連絡させていただき、交付日時の調整をさせていただきます。
6 証明書等の交付等
宣誓を行ったお二人へ「パートナーシップ宣誓証明書」及び「パートナーシップ宣誓証明カード」を交付します。
パートナーシップ宣誓証明書
パートナーシップ宣誓証明カード
※この制度は、市政の中で運用するものであり、宣誓によって何らかの法律上の効果(婚姻、相続、税金の控除等)が生じるものではありません。
7 問い合わせ先
(1) 問い合わせ先
市民部 人権政策課
電話 0742-34-4733
メール jinkenseisaku●city.nara.lg.jp(●を@に変えて送信)
(2)宣誓日時及び証明書等の交付日時
月曜日から金曜日(祝日、年末年始を除く)午前9時から午後5時まで
8 啓発活動
(1)市民向け啓発
- 啓発リーフレットを作成し、公共施設等に配布します。
- 性的マイノリティに関する啓発記事を「奈良しみんだより4月号」に掲載します。
- 奈良市パートナーシップ宣誓制度及び性的マイノリティに関するホームページを作成します。
(2)職員に対する啓発
- 職員向けハンドブックを作成
- 性的マイノリティに係る職員研修会を計6回実施
9 他市・県内の導入状況
全国34自治体で導入済み
中核市…6市(那覇市、横須賀市、枚方市、宮崎市、長崎市、尼崎市)
奈良県内…奈良市の他、大和郡山市が令和2年4月1日から導入予定
10 これまでの主な取り組み
平成27年度
性的マイノリティの旅行を支援する国際ゲイ・レズビアン旅行協会(IGLTA)との連携
平成28年度
「LGBTを理解する」をテーマに市民向けに講演会を実施
平成29年度
・教育委員会で職員向けに研修会を実施
・市議会3月定例会で「LGBT(同性愛や性同一性障害)を含む性的少数者のための社会環境済美を求める意見書」を可決
平成30年度
・市職員(管理職)への研修会を実施
・教育委員会で職員向けに研修会を3回実施。
・市立小中学校で職員向けに研修や講演会を10校実施
令和元年度
・庁舎及び啓発事業会場で人権啓発パネル展示
・市職員(係長級職員)への研修会を実施
・教育委員会で職員向けに研修会を2回実施。
・市立小中学校で職員向けに研修や講演会を30校実施
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