【いのち会議】~いのち宣言をつなぐ「103のアクション」~ 第38回「こどもの意見が尊重され、互いに、またおとなとともに民主的な対話ができる社会を実現しよう。その社会を担う次世代のおとなを育てよう」

みなさまとともにすべてのいのちが輝く世界を実現したく、ぜひお声とご協力を!

いのち会議

いのち会議は2025年10月11日に大阪・関西万博会場内にて「いのち宣言」および「アクションプラン集」を発表いたしました。本リリースは いのちを「まもる」【宣言3-2】こどもや若者が自由に思いや意見を表明し、意思決定に関われる社会にしようへのアクションプランの1つをご紹介するものです。ご興味ございましたら、ぜひお問い合わせください。

こどもの意見が尊重され、こどもが、こどもどうしで、あるいはおとなとともに、民主的な対話ができる社会を実現しよう。そのような社会を担う次世代のおとなを育てよう

2023年4月に施行された「こども基本法」では、これからのこども施策の基軸となる6つの理念の一つに、「すべてのこどもは年齢や発達の程度に応じて、意見が尊重され、こどもの今とこれからに とって最も良いことが優先して考えられること」※1が掲げられています。この理念が実現されるためには、こどもたちが、年齢や性別、国籍などの属性にかかわらず、自分と自分の暮らす社会をよりよくするために、公の場で安心して意見が言えるように、また、その意見を契機にして人びとが対話を展開するようになることが重要です。

そこで、大阪大学社会ソリューションイニシアティブ(SSI)はプロジェクト「自らの生から公共の知を共創する次世代市民の育成に向けた教育の開発」(代表:岡部美香 大学院人間科学研究科教授)を立ち上げました。本プロジェクトは、こどもをはじめとする市民参加型の社会を構想・構築することをめざします。特に、こどもどうしで、またこどもとおとなが民主的な対話・議論をするなかで、現実との乖離が目立ちはじめた従来のカテゴリー分け(おとな/こども、男/女、専門家/素人、西洋/非西洋、ノーマル/アブノーマル、家族、国家、民族など)や社会システムの区分(行政の区分、法の区分、学問領域の区分、学校種の区分、官民・公私の区分など)を問い直し、区分けしている境界線を引き直す、あるいはその境界線を越えて/超えていく、あるいはまた境界線そのものをなくすべく、理論的・実践的な試みを展開することを目的としています。

2022年度は夜間中学に通う生徒が、2023年度は全国の中学生・高校生が、国内のみならず世界の人びとに向けて、社会の現状と課題、未来社会の構想・構築に向けた希望や抱負を発信しました。

2024年度以降は、毎年下記の2つの試みを実施し、探究学習のなかでSDGs の目標・ターゲットを批判的に捉えなおすことを通して、高校生・大学生・大学院生が来るべき未来社会の構想・構築に向けて自分にできる取り組みを「いのちの声」としてまとめ、社会のなかにある関連する組織・機関に向けて発信、提言をするという活動を展開しています。作成した「いのちの声」をもとに、こどもたちとおとなたちとの対話・議論の場を設けることによって、社会的・政治的なコミットメントができる高校生・大学生・大学院生を涵養するとともに、こどもたちの活動を支援できる次世代のおとなも養成します。

議論をする大学生・大学院生

議論をする高校生と支援する大学院生


今後は、以下のような活動を計画しています。まず、大学生の試みとして、探究的な学びの重要性を唱えたアメリカの哲学者ジョン・デューイ(1859–1952)の「探究」概念を主題とする先行研究を精読し、「探究」とはいかなる営みかを理解します。そのうえで、 SDGs を主題として「探究」を行います。具体的には、SDGs 前史を明らかにし、SDGs がどのような歴史的・社会的状況の下で提唱されたのかを明らかにします。

その背景をふまえつつ、SDGs の目標とターゲットについて、一つの正解がある「インフォメーションの問い」ではなく、自分たちも含め、今日の人々が知らず知らずの間に当たり前にしてしまっている前提を問い直すための「内省の問い」を立てます。その「内省の問い」に関係する先行研究を図書・論文検索エンジンを活用しながら探し、それらを読むなかで「内省の問い」をさらに充実したものにしていきます。この「内省の問い」に即しつつ「いのちの声」を作成し、それをもとに社会の関連組織・機関に働きかけるなど、社会的・政治的なコミットメントや活動を始めるきっかけとします。

高校生の試みとしては、大学生と大学院生が上記の試みで学んだ「探究」活動の経験に基づきながら、こんどは高校生による SDGsを主題とする探究活動(3日間の集中セミナー)を支援します。

いのち会議は、こうしたプロジェクトの支援などを通じて、こどもの意見が尊重され、世代を超えた民主的な対話ができる社会の構築をめざします。

【註】

※1 こども家庭庁:「こども基本法」

https://www.cfa.go.jp/policies/kodomo-kihon

【参考情報】

・大阪大学社会ソリューションイニシアティブ(SSI)基幹プロジェクト「自らの生から公共の知を共創する次世代市民の育成に向けた教育の開発」

https://www.ssi.osaka-u.ac.jp/activity/core/public_knowledge/

・大阪大学社会ソリューションイニシアティブ「日本OECD 共同研究で、日本の夜間中学校の取り組みを報告しました」

https://www.ssi.osaka-u.ac.jp/activity/other/japanoecd-2022082728/

・大阪大学社会ソリューションイニシアティブ「第5回SSI シンポジウム開催報告 私たちの創る「誰一人取り残さない」未来の社会」

https://www.ssi.osaka-u.ac.jp/activity/salon/5thssisymposium-2/?sortcat=cat01

本記事に関する問い合わせ先

いのち会議 事務局、大阪大学 社会ソリューションイニシアティブ(SSI)
特任助教(常勤) 宮﨑 貴芳(みやざき たかよし)、教授 伊藤 武志(いとう たけし)
TEL: 06-6105-6183
E-mail: ssi2@ml.office.osaka-u.ac.jp
※取材の申し込みにつきましてはお気軽にご連絡ください。

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会社概要

いのち会議 事務局

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URL
https://inochi-forum.org/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
大阪府吹田市山田丘 2-8
電話番号
06-6105-6183
代表者名
西尾 章治郎
上場
未上場
資本金
-
設立
2023年03月