リケンテクノス 産学連携で「微生物コンポジット型」プラスチックを開発
ネイチャーポジティブ実証試験を始動
リケンテクノス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:常盤 和明)は、
国立研究開発法人理化学研究所(以下、理研)および産学連携型・大学発ベンチャー株式会社サーマス(本社:千葉県市川市)と共同で、微生物を活用した環境調和型材料の研究開発を進めてきました。
このたび、微生物の機能を保持したままプラスチック内部に固定化する独自の「微生物コンポジット材」技術を開発しました。
本技術は、生分解性プラスチック中に特定の微生物を分散させることで、使用時には十分な機械特性を維持しつつ、一定の環境条件下で微生物の代謝機能や環境改善機能を発現させることを可能とするものです。さらに、本材料は微生物を徐々に放出(徐放)する機能を有しており、水質浄化やブルーカーボンの生育環境改善など、海洋・湖沼環境の修復への応用が期待されます。
本研究は、リケンテクノスの高分子材料設計・加工技術、理研の環境微生物学 1)・材料情報学 2) ・
医学/免疫学 3)分野における基礎研究力、ならびにサーマスの好熱性・耐熱性微生物に関する実用的知見 4)を融合し、材料設計からネイチャーポジティブに資する環境応用までを一体的に検討する形で実施しました。

1.共同研究の概要と成果
本共同研究では、微生物の生存性と機能性を維持したまま材料内部に組み込む技術を確立しました。
これにより、環境条件に応じて機能を発現する新たな材料設計が可能となりました。
具体的には、水環境中においても機械特性を維持しつつ、微生物機能を保持・発現させるプラスチック材料の開発に成功しています。
例えば、水環境中において微生物機能を保ったまま、徐々に放出(徐放)させる機能を付与することも可能であることを確認しました。これにより、本材料は、ネイチャーポジティブに資するブルーカーボンの生育環境改善や水質浄化など、海洋・湖沼環境の修復技術への展開が期待されます。
さらに、プラスチック材料中における微生物の代謝活性の保持や、酵素・代謝物の放出挙動を制御できる可能性も示されました。こうした成果は、水環境に限らない、より広範な環境条件下での応用可能性を示すものであり、ワンヘルスやネイチャーポジティブ社会への貢献が期待されます。
2.研究の意義
本成果は、微生物機能と材料工学を融合した新しい技術基盤を提示するものです。こうした技術は、
海洋汚染問題などプラスチックに対するネガティブイメージの払拭にもつながり、ネイチャーポジティブに資する次世代型の新たな材料設計の方向性を示すものといえます。
また、材料・微生物・環境という異なる分野を横断的に統合することで、環境負荷低減や生態系再生といった社会課題の解決に資する技術として、ネイチャーポジティブ社会の実現への貢献が期待されます。
3.今後の展望
今後は、本技術を基盤として、環境配慮型材料の高度化および水環境・土壌・生態系修復への応用を
進め、社会実装に向けた開発を加速していきます。
その社会実装の第一段階として、ブルーカーボン保持担体としての実証試験を2026年7月より横浜港において開始します。
リケンテクノスは、理研の基礎研究力と民間企業の材料開発・実装力を融合することで、持続可能な
社会の実現に資する技術の創出を目指してまいります。
▼引用情報
1) 2014年5月15日理研プレスリリース「河口底泥の環境分析データの統合的評価と“見える化” | 理化学研究所」
2018年5月2日理研プレスリリース「海洋微生物生態が織り成す「環境予測科学」を始動 | 理化学研究所」
2023年1月12日理研プレスリリース「ブルーカーボンのための海草底泥の共生環境を予測 | 理化学研究所」
2024年5月13日理研プレスリリース「「微生物村」はいかに形成されるか | 理化学研究所」
2) 2025年6月23日理研プレスリリース「「AI聖徳太子」が複数情報を聞き分け、開発方針を指示 | 理化学研究所」
2025年11月11日理研プレスリリース「機械学習が導く「水を抱える材料」の設計方程式 | 理化学研究所」
2025年12月23日理研プレスリリース「万能AIによるサステナブル材料設計 | 理化学研究所」
3) 2023年8月31日理研プレスリリース「インスリン抵抗性に関連するヒト腸内細菌の網羅的解析 | 理化学研究所」
2021年7月15日理研プレスリリース「酢酸による免疫グロブリンAの機能制御 | 理化学研究所」
2020年4月22日理研プレスリリース「寄生虫が自己免疫疾患の発症を抑える仕組みを解明 | 理化学研究所」
2020年8月27日理研プレスリリース「腸内細菌が中枢神経系炎症を促進する仕組みを解明 | 理化学研究所」
2013年11月14日理研プレスリリース「腸内細菌が作る酪酸が制御性T細胞への分化誘導のカギ | 理化学研究所」
2011年1月27日理研プレスリリース「ビフィズス菌の作る酢酸がO157感染を抑止することを発見 | 理化学研究所」
4) 2022年5月18日理研プレスリリース「炭素・窒素循環を担う昆虫共生細菌系の因果構造 | 理化学研究所」
2025年8月26日理研プレスリリース「環境保全型養殖への魚体画像診断イノベーション | 理化学研究所」
2026年2月10日理研プレスリリース「家畜の暑熱ストレス耐性と腸内環境 | 理化学研究所」
2023年4月12日理研プレスリリース「持続可能な農業のための堆肥-土壌-植物相互作用モデル | 理化学研究所」
2022年3月25日理研プレスリリース「好熱菌を黒毛和種仔牛に投与! | 理化学研究所」
▼当社ホームページ
https://www.rikentechnos.co.jp/
▼国立研究開発法人理化学研究所(理研)
▼株式会社サーマス
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