2022年フォーブス「日本長者番付」ユニクロ創業者の柳井 正が首位に復帰

上位50人の資産総額は前年比3割減の1700億ドルに

リンクタイズグループ


シンガポール(2022年6月1日)─世界経済が直面する逆風はこの1年で、日本人の富豪上位50人が手にしていた富の多くを吹き飛ばした。その総額は、昨年と比べて30%近く減少。1700億ドル(約21兆7000億円)となっている。

50 人全員を含む日本長者番付のリストは、Web 特設ページ www.forbes.com/japan(英語)とwww.forbesjapan.com/feat/japanrich(日本語)、雑誌「Forbes Asia」6月号に掲載される。

エネルギー・商品価格の上昇とサプライチェーンの混乱は、景気回復に対する日本の希望を押し流した。前回の日本長者番付を発表した昨年4月以降、円相場は対ドルで17%下落。その影響は株式市場にも及び、代表的な株価指数の日経平均株価は、同じ期間に12%値下がりした。番付に名を連ねる富豪50人のうち38人が、1年前と比べて資産を減らしている。

最新の番付のトップは、前回2位だった衣料品大手ユニクロの会長兼社長、柳井 正。ただ、その保有資産は前年比およそ44%減少、約236億ドル(約3兆円)となっている。ユニクロの国内・中国市場における売り上げの低迷が、親会社であるファーストリテイリングの株価に影響を及ぼしたことが、主な要因だ。

今回初めて2位につけたのは、ファクトリー・オートメーション用センサなどを手掛けるキーエンスの創業者、滝崎武光だった。ただし、順位は上げたものの、滝崎の資産も昨年から約42億ドル減り、約216億ドルとなっている。

3位は昨年の首位、ソフトバンクグループ創業者、孫 正義だ。資産額はおよそ211億ドルで、昨年の約444 億ドルから50%以上減少している。金額(ドル換算)でも変動率でも、マイナス幅は番付に入った富豪のなかで、最も大きかった。テクノロジー関連株が全般的に値を下げるなか、ソフトバンクのビジョン・ファンド事業は、運営する2つのファンドがどちらも損失を計上。先ごろ発表した2022年3月期の決算では、投資損失が過去最多の270億ドルに膨らんだことを明らかにしている。また、今回の番付では孫以外にも十数人が、資産を前年から10億ドル以上減らしている。

一方、世界経済の混乱が続くなかでも、富豪6人が初の番付入りを果たしている。精密加工装置の製造・販売などを行うディスコの創業家、関家一家(20位、保有資産20億ドル)、ホスピス事業などを手掛けるアンビスホールディングスの創業者、元研究者の柴原慶一(34位、同13億5000万ドル)、化粧品会社DHCの創業者、吉田嘉明(44位、同10億3000万ドル)、缶・ボトル入り茶・清涼飲料水メーカー、伊藤園の会長、本庄八郎(48位、同9億5000万ドル)などだ。

また、昨年の番付からは外れていたものの、今回50位以内に復帰した富豪は3人だった。ソーシャルゲーム・プラットフォームを運営するグリーの創業者、田中良和(43位、同10億4000万ドル)がその一人だ。ゲーム2タイトルのローンチが、資産の増加を後押しした。

資産の大幅な減少により、最新の番付から名前を消した富豪9人には、中古品を売買できるフリマアプリ、メルカリの創業者、山田進太郎が含まれている。山田は昨年のリストでは、前年比で最も大きく資産を増やした富豪となっていた。メルカリは、出品数の減少などにより、過去9カ月に損失がさらに膨らんだことを今年3月期の決算発表で公表。株価の下落が続いている。

番付の50位の資産額は今回、昨年の11億5000万ドルから9億2500万ドルに減少していた。

2022年版「日本長者番付」のトップ10は、以下のとおりとなっている。

 

1位 柳井 正(ファーストリテイリング) 236億ドル
2位 滝崎武光(キーエンス) 216億ドル
3位 孫 正義(ソフトバンク) 211億ドル
4位 佐治信忠(サントリーホールディングス) 93億ドル
5位 高原豪久(ユニ・チャーム) 64億ドル
6位 永守重信(日本電産) 46億ドル
7位 三木谷浩史(楽天) 44億ドル
8位 伊藤雅俊(セブン&アイ・ホールディングス) 43億5000万ドル
9位 毒島秀行(SANKYO) 42億ドル
10位 野田順弘(オービック) 35億ドル

 

番付は、株式・資金に関して家族やその他の個人、証券取引所、年次報告書、アナリストなどから入手した情報に基づき作成した。リストに入った各氏の保有資産は、家族・親族の資産を含む場合もある。非公開会社の価値は、類似した公開会社との比較による推計。資産額は、2022 年5 月13 日の株価の為替レートの終値に基づいて算出している。番付には、日本国内に事業基盤や住居その他を持つ外国人、海外在住ながら事業その他の形で日本と深く関わる日本人が含まれる。

詳細は下記リンク先を参照のこと。

www.forbes.com/japan
www.forbesjapan.com/feat/japanrich

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上場
未上場
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設立
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