【岐阜県高山市】飛騨匠の技術を引き継ぐ高山市の職人が、京都祇園祭の車輪を新調

高山市

岐阜県高山市を中心に祭に登場する屋台や山車・鉾、社寺建築の修理等を行っている八野(はちの)大工(高山市片野町)に、京都祇園祭の大船鉾(おおふねほこ)保存会から山車「大船鉾」の車輪の新調の発注があり、今年度完成したため、令和6年7月4日(木)に納品とお披露目をしました。

日本三大祭のひとつである京都祇園祭は、神輿を迎える「前祭(さきまつり)」と神輿を送る「後祭(あとまつり)」があり、今回、車輪の新調を行った「大船鉾」は「後祭」に登場します。

大船鉾は、応永29年(1422年)には存在していたという説や、嘉吉元年(1441年)の建立という記録が残っているなど、建立には所説有りますが、非常に古い歴史を持つ鉾です。古い歴史の中で、何度も焼失と復興を繰り返しており、応仁の乱では、他の山鉾とともに焼失しています。しかし、23年後の明応9年(1500年)には、再興したと言われています。再興した鉾も、天明の大火の際には神功皇后の御神面を残して焼失してしまいます。この時も再興されましたが、幕末に起こった禁門の変により大部分を焼失し、150年間は巡行を休んでいました。

その後、平成26年(2014年)に150年ぶりに復活し、巡行に参加しました。この年から「後祭」も復活しています。平成26年に復活を果たした大船鉾ですが、本来の姿により近く戻すために、現在も復興事業を続けています。復活した大船鉾の車輪は、同じ京都祇園祭に登場する「菊水鉾(きくすいほこ)」の車輪を譲り受けたものでしたが、経年劣化も見られたため、今回の新調に至りました。

新調を請け負ったのは、岐阜県高山市の八野大工で、滋賀県大津祭の月宮殿山(げっきゅうでんざん)を手掛けたことがきっかけで依頼される形となりました。八野大工には、京都祇園祭とともに三大美祭に数えられる高山祭の屋台の修理を手がける、「高山・祭屋台保存技術協同組合」に加盟する職人が多く在籍しています。飛騨匠の技を引き継ぐ技術者の力を発揮し、非常に大きな車輪(直径約2.1メートル、重さ700キロ)4台を完成させました。

7月6日(土)には、高山市から京都まで車輪が運ばれ、納品とお披露目が行われました。7月20日(土)には、実際に車輪が取り付けられ、試し曳きが行われるとのことです。

京都祇園祭も高山祭と同じく、全国山・鉾・屋台行事としてユネスコ無形文化遺産にも登録される大変歴史のある祭の一つです。

今年の京都祇園祭では、八野大工の職人の作製した大船鉾の車輪をぜひ間近でご覧いただき、現代まで引き継がれる飛騨匠の技を感じてください。

【本件に関するお問い合わせ】

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   岐阜県高山市花岡町2丁目18番地

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田中 明
上場
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資本金
-
設立
1936年11月