宇都宮地方裁判所、クラックプログラム使用情報を販売した長野県内の男性を商標法違反で有罪の実刑判決

BSA | The Software Alliance(本部:米国ワシントンDC、以下BSA)は本日、宇都宮地方裁判所が2016年6月24日、BSA加盟企業であるアドビ システムズ インコーポレイテッド(以下、アドビ システムズ)の商標権を侵害したとして、長野県内の30代男性に対し有罪判決を出したと発表しました。
長野県内の男性は、2015年2月16日頃、インターネットのオークションサイトである「ヤフオク!」上で、アドビ システムズが著作権を有する「Adobe Photoshop」製品の認証を不正に回避するクラックプログラムが蔵置されたストレージサイトのURL及びクラックプログラムの使用情報を掲載したクラックマニュアルを不正に販売する目的で、同社が登録を受けている商標に似せた商標を無許可で載せて不特定多数に閲覧させ、商品の広告を行っていたものです。栃木県警察本部生活環境課と宇都宮東警察署は、これら広告が商標法違反に当たるとして2015年11月23日に男性を逮捕し、宇都宮地方検察庁が同年12月14日に起訴していました。

男性側は公判上で、本件各標章を使用したことについては、商標的使用に該当しない、登録商標に類似しない、出所表示機能、品質保証機能を害しないことによる実質的違法性阻却事由が存在する、故意がないか違法性の意識の可能性を欠いたことに相当な理由があると主張し、また一部の登録商標については、男性が商品について使用した各標章は役務商標である各登録商標とは類似しない、登録商標に無効原因が存在するとして無罪主張をしていました。しかし、宇都宮地方裁判所は男性の主張をすべて退け、本件各標章の利用が、商品に関する広告情報に標章を付けて電磁的方法により提供することで本件各商標をそれぞれ使用して商標権を侵害する行為とみなされる行為に当たり、男性の販売広告が商標法違反に当たるとして懲役1年、罰金100万円(併科)の有罪の実刑判決を下しました。

男性は、2014年10月15日にも、BSA加盟企業であるマイクロソフト コーポレーションの商標を不正に使用し、インターネット上でプロダクトキーやクラックプログラムを販売する旨の広告をしたことが商標権侵害に当たるとして、宇都宮地方裁判所栃木支部より商標法違反等で有罪判決(懲役1年(執行猶予3年)及び罰金100万円(併科))を受けましたが、今回の判決は男性の執行猶予を取り消したので、判決が確定すれば今回の刑と併せて服役することが見込まれることとなります。本判決は、クラックマニュアル等の情報の販売に際しての広告が商標法違反に当たるとした初の判決で、BSAは、栃木県警察本部生活環境課などの依頼を受けて捜査協力を行っておりました。

今回の判決を受けBSA日本担当共同事務局長の松尾早苗は、「クラックプログラムの提供が不正競争防止法違反に当たり、BSA参加企業の商標を使用してソフトウェアやそのプロダクトキーを販売することが商標法違反に当たるとする判決が各地の裁判所で下されています。今回の判決は、クラックマニュアルなどの情報の販売に際しての広告に商標法違反を認めたもので、同種事案の抑止や対処にとって非常に意味のある事案です」とコメントしています。

近年のソフトウェアの不正販売の手口は、従来の偽造版販売に比べ、不正ダウンロードサイトへの誘導に加えて不正に入手したプロダクトキーやアクセスキー、シリアルナンバー、それにとどまらずクラックマニュアル等の販売が大幅に増加していることから、BSA加盟企業では警戒感を強めていました。今回の事案は、今後の同種事案の抑止又は同種事案への対処にとって非常に意味のあるケースであり、BSAとしては今後の刑事手続の動向に注目しています。

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【BSA | The Software Allianceについて】

BSA | The Software Alliance(BSA | ザ・ソフトウェア・アライアンス)は、グローバル市場において世界のソフトウェア産業を牽引する業界団体です。BSAの加盟企業は世界中で最もイノベーティブな企業を中心に構成されており、経済の活性化とより良い現代社会を築くためのソフトウェア・ソリューションを創造しています。ワシントンDCに本部を構え、世界60カ国以上で活動するBSAは、正規ソフトウェアの使用を促進するコンプライアンスプログラムの開発、技術革新の発展とデジタル経済の成長を推進する公共政策の支援に取り組んでいます。詳しくはウェブサイトをご覧ください。



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設立
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