FromプラネットVol.171<国内旅行に関する意識調査>

プラネット

 国内1,400社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)は消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第171号として、国内旅行に関する意識調査の結果をご紹介します。未掲載のデータもご提供できますのでお気軽にお問い合わせください。
  • ワクチン接種が進んで旅行再開動き
 新型コロナウイルスの世界的流行から早2年。変異株の懸念はありながらもワクチン接種が進み、コロナと上手く付き合いながら「そろそろ旅行を再開しよう」と思っている人もいるでしょう。そこで今回は、少し移動がしやすくなった状況下、国内旅行についてどのような意識を持っているのかを調査してみました。
 2020年2月以降、緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置が発出され、私たちの行動にも大きく影響を与えました。状況が変化するなか、フェーズごとに国内旅行に行ったかを聞いた結果が図表1です。各フェーズで期間や時期が異なるので単純比較はできませんが、旅行に1回以上行った人の比率は「1回目の緊急事態宣言下」を含む2020年2~5月は13.6%と意外と高い印象です。感染者数急増で医療がひっ迫した「2回目」と、アルファ株が流行した「3回目」の緊急事態宣言下では、警戒レベルを引き上げた人が増えたためか各9.3%・8.1%と、1回目の宣言下より低下。ですが、デルタ株が猛威を振るった「4回目」の宣言下は11.7%と過去3回に比べて向上。ワクチン接種が進んだほか、夏休み期間であったことや “自粛疲れ”も背景にあったのかもしれません。
 「Go Toトラベル期間中」をみると、旅行に行った人は23.7%とコロナ流行以降で最高に。今回の調査でコロナ前に「年1回以上旅行に行く」人61.2%(図表非掲出)との差分は37.5ポイントもあることから、Go Toトラベルによる需要喚起効果は限定的であったとも言えそうです。

  • “全国の感染者数”が旅行再開の指標
 それでは、どういった状況になったら旅行を再開しようと思うか、具体的な内容を聞いてみました(図表2)。6割と断トツなのが「全国的なコロナ感染者数の減少」。以下、「自身のワクチン接種完了」39.8%、「居住する地域の感染者数の減少」36.6%、「旅行先の感染者数の減少」34.5%と続きました。旅行先より居住地域の感染者数の少なさを気にするのは、興味深いところですね。一方で、“緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置の解除”を目安にしている人は「全国」「旅行先」ともに2割前後、「Go Toトラベルの再開」も21.1%にとどまり、経口薬の国内承認が待たれる「コロナ治療薬の一般化」21.6%とほぼ同率に。全般に、Go Toなどの需要喚起策や政府による宣言解除といった“政策誘導”よりも、“安心感を得られる環境”が担保されるほうが、旅行再開のモチベーションになるようです。

  • 旅行再開は “22年春” が多数派、4分の1が 年内再開”
 2021年10月に緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置が全国的に解除されました。新たな変異株・オミクロン株の影響が懸念されますが、旅行へのハードルは下がったと言えます。そこで2021年10月以降、いつ頃国内旅行を再開したいかを聞いたところ(図表3)、14.6%が「すでに再開した」と回答。宣言解除が秋の行楽シーズンと重なったことも後押ししてか、各年代で1~2割の人が旅行に行っていました。「2021年中」と合わせて “年内に旅行再開” を考えている人は4分の1にのぼり、特に男性30代・60代、女性20代で高値となりました。
 2022年に入ってから旅行を再開したいとしているのは全体の39.4%で、「4~6月」が16%と高くなっています。今年の冬はコロナに加えてインフルエンザの流行も言われていることから、“暖かくなった春先に…”と考える人が多いのかもしれません。「4~6月」再開は男女とも60代以上で高く、特に男性70代以上では27.7%にのぼっています。さらに先延ばしして「2023年以降」という慎重派も13.6%に。しかし最多だったのは、「(今後は)旅行には行かない(つもり)」22.5%に。若年層で高い傾向がみられ、特に男性30代以下では3分の1以上が「行かない」というのは意外な気がします。
 ワクチン接種状況別にみると、8割強を占める“2回接種済み”では全体と同じ傾向を示していますが、“接種するつもりはない”では「行かない」が42.1%と際立って高く、「すでに再開」+「2021年中」17%、「2022年中」25.6%にとどまります。やはりワクチン接種は、旅行を含めコロナ禍でアクティブに過ごすための “お守り”になると言えそうです。

  • 最初の旅行は家族
 緊急事態宣言の解除後、最初の旅行に誰と一緒に行くか/行ったかについても訪ねてみました(図表4)。その結果、57.9%と断トツだったのが「配偶者・パートナーと」、次いで「子どもと」28.9%と、やはり家族で出かけたい人が多いようです。これに「友人と」15.1%、「一人旅」14.5%が続きました。
 性年代別にみると、男性の若年・壮年層での「一人旅」の高さが目を引きます。特に20・30代では3割を超えており、若年男性は“1人気ままに旅をしたい”ということでしょうか。女性30・40代では「子どもと」が約半数であるほか、「両親や祖父母と」も4分の1前後と、ファミリー優先の旅行を考えている人が多いことがうかがわれます。また若年層では「友人と」と「恋人と」が他年代に比べて高いのは納得できますね。60代以上をみると、男性が「配偶者・バートナーと」が7割超と高値である一方で、女性は6割弱にとどまっているのは興味深いところです。

  • 旅行でやりたいこと…“温泉” “グルメ” “街歩き
 次に、緊急事態宣言解除後の最初の旅行で何をしたいか/したかについても、たずねてみました(図表5)。最も支持を集めたのが「温泉、スパ」61.8%で、以下、「グルメ」46.8%、「街歩き、散策」38.1%、「名所、旧跡巡り」35.7%、「宿でくつろぐ」23.2%が続きました。観光スポットや街歩きを楽しんだ後、温泉と食で“コロナ疲れ”を癒し、宿でくつろぐ、という旅行スタイルを求めている人が多いようです。
 「温泉、スパ」は全年代で過半数と、日本人の“温泉好き”ぶりがうかがわれます。性別にみると、女性は全年代で安定的に支持を集めていますが、男性は40代以下で低く60代以上で高値と、年代による差が大きい印象です。「グルメ」は女性40代以下の高さが際立っており、特に20代では「温泉、スパ」を上回ってトップに。「街歩き、散策」も同様の傾向を示しています。また「テーマパーク、遊園地」は男女とも40代以下で高値であることから、若年層は“旅先でアクティブに過ごしてコロナのストレスを発散したい”人が多いのかもしれません。片やシニア層では「温泉、スパ」や「名所、旧跡巡り」「美術館、博物館」が高い傾向がみられ、“歴史・文化に触れながらゆったり過ごす旅”を志向していると言えそうです。
 「友人、知人を訪ねる」と「帰省」はともに女性のほうが高値ではあるものの、後者は男女差が比較的拮抗しています。“まずは、しばらく帰れなかった故郷に” “まずは友達に会いに行きたい”と考える人が一定数いることがうかがわれます。

 

  • 半数近くが“1泊”、“日帰り”でそろり旅行再開も2割近くに
 「1年以上自粛したのだから、少し長めに」、あるいは「まだ予断を許さない状況だから、まずは日帰りでさっくりと」とするか、緊急事態宣言明け最初の旅行にはさまざまな考え方があるでしょう。そこで緊急事態宣言解除後、最初の旅行ではどれくらいの期間行く予定/行ったかをたずねてみました(図表6)。最も多かったのは「1泊」47.4%とおよそ半数、続いて「2泊」23.6%となりました。“せっかくの旅行、宿泊してあれこれ楽しみたい”と考える人が多いようで、「3泊以上」という“ゆったり派”も11.1%に。まずは「日帰り」からという人も17.9%という結果になりました。
 性年代別では、「日帰り」派は男性で20代の26.2%を筆頭に年代が上がるほど低下し、女性は逆に年代とともに上昇する傾向があるのは興味深いところです。また、「3泊以上」(「3泊」+「4泊以上」)のゆったり旅行を志向する人の比率は、男性では30代を除き1割超と安定的ですが、女性は50代以下が6~8%と1割を切っています。女性は“子どもの学校や仕事などを考えると長期の旅行は難しい”などと現実的に考える一方で、男性は “ゆっくり休んでコロナ疲れを癒したい!”という願望も含めての結果かもしれませんね。女性60代が16.1%と全体で最多となっているなど男女ともシニア層では高値になっているのは、定年退職で比較的時間に余裕があることも背景にありそうです。

  • しっかり対策、非日常を求めて旅に出たい
 最後に、Withコロナ時代の国内旅行について思うことや、行ってみたい・やってみたいことを自由に書いてもらいました。コロナの自粛で抑えられていた旅行願望や、具体的に行きたいところ・やりたいことを書いてくれた人も多く見受けられました。一方で依然として慎重な態度を示し、治療用の飲み薬の一般化までは旅行を見合わせるという声も。コロナの完全収束はまだ見渡せない状況ですが、流行が始まって2年経とうとするなか、コロナとの付き合い方も会得してきました。「コロナにうつらない、人にうつさない」を心に留めて感染対策と慎重な行動を心がけながら、旅行を楽しんでいきたいものです。

 

  • 《 Withコロナ時代の国内旅行について思うこと、行ってみたい・やってみたいこと 》
【待望の旅行再開!】
● 旅行が趣味なので解除されるのを待っていた。とうとう行けるという感慨がある。もちろん感染対策はばっちりするつもり。(女性・60代)
● 持病が5つもあり、アルコールアレルギーで消毒も無理でワクチンを打てないので、とにかく平日に一人旅をしています。旅に出ると体調がとても良くなりストレスが減ると、心にも体にも良いことを今さらながら実感しています。(女性・60代)
● とにかく家族に会いたい。1年半の空白は孫たちの成長など、本当に時間がもったいなかった。(女性・70代以上)
● 父の定年退職のお祝いにみんなで旅行に行こうと姉夫婦たちと計画していたが、コロナで行けなくなってしまった。コロナもだいぶ落ちつきワクチン接種も済んだので、様子をみて計画し直そうと思う。(女性・40代)
● 人のいない風光明媚な場所でマスクをはずして大きく深呼吸したい。(女性・60代)
● 我慢、辛抱の2年弱…気晴らしもできず心が疲れたので、現実を忘れ、温泉や好きな水族館に行って、心を洗いたい。(女性・40代)
● また緊急事態宣言が出されるかもしれないので、感染がおさまっている時に墓参りや里帰りをしたい。(女性・50代)
● 無計画で気ままに一人旅をしたい。(女性・50代)
● 子供が行くはずだった修学旅行の代わりになるような旅行に連れて行ってあげたい。(男性・40代)
● マスクなどの対策を可能な限りしっかりとやった上でコロナ以前のようにたくさん行きたい。テーマパーク、スノーボード、果物狩りにも行きたい。やっぱり旅行に行って実際に体験して思い出を作りたい。(男性・20代)
【Go To再開を待っています】
● 旅行は最大最強の非日常体験であるから、それができないということは大変なストレスである。Go Toトラベルが再開したら最大限に活用し、非日常を体験したい。(男性・50代)
● Go Toトラベルでお得に旅行して、今困ってる観光業や航空業などを助けたい。そして、久しぶりに家族旅行して、リフレッシュしたい。
(女性・30代)
【まだ慎重姿勢】
● 次の波がいつ来るかわからない中、旅行する気になれない。もっと安全な状況になったら考える。(女性・30代)
● 近隣の病院で飲み薬をもらって治療できるレベルまでこないと、旅行に出かける気にならない。(男性・20代)
● 自粛が明けて一気に人が出ると、無症状、知らないうちに実はかかっている人がいるかもしれない。考えたらきりはないが、ちょっと怖い。
(女性・50代)
【Withコロナ時代の新しい旅行は…】
● 多く連泊してワーケーションで休みと仕事の両立をためしてみたい。職場の中で流行るような楽しみ方を発見したい。(男性・50代)
● 大型連休にみんなが一斉に移動することを避けたい。リモートワークを定着させて、いつでも自由に休める、もしくはどこでも仕事ができるようにすれば旅行者の分散が可能になると思う。ソーシャルディスタンスに慣れてしまった今となっては、混雑する場所に行くのはためらわれる。
(女性・40代)

調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「国内旅行」に関する意識調査を実施。

期間:2021年11月12日~16日、インターネットで4,000人から回答を得ています。

株式会社プラネットと https://www.planet-van.co.jp/ 
メーカー、卸売業、小売業がサプライチェーンとして連携し、生活者へのサービス向上を目指して進化を続ける日本の消費財流通を、情報インフラ運営で支えている上場企業(証券コード2391)です。

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株式会社プラネット 広報部(河合、角田)
E-mail : koho-pr@planet-van.co.jp

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業種
情報通信
本社所在地
東京都港区浜松町1丁目31番 文化放送メディアプラスビル3階
電話番号
03-5962-0811
代表者名
田上 正勝
上場
JASDAQスタンダード
資本金
4億3610万円
設立
1985年08月