アラブ首長国連邦アブダビ首長国におけるe-メタン製造事業の共同調査に東京ガス、大阪ガスが参画
マスダール社とINPEXは、2023年7月17日に締結した契約(※2)に基づき、アブダビで価格競争力の高い再生可能エネルギーを活用したe-メタン製造に向けた共同調査を進めてきましたが、今般、東京ガスと大阪ガスが新たに本共同調査に参画いたします。東京ガスと大阪ガスは、それぞれの年間ガス需要量の1パーセントに相当する量のe-メタンを引き取る計画です。両社は、2030年までにそれぞれの年間都市ガス需要量の1パーセントをe-メタンに置き換え、2050年までに国内外のプロジェクト全体を通じて更なるe-メタンの普及拡大を目指しており、本プロジェクトはこれらの目標達成に資するものです。4社は、本共同調査において、グリーン水素やCO2などの原料調達から製造、輸送に至るまでの経済性評価、及びアブダビにおけるe-メタン製造によるCO2排出削減効果の評価を実施予定です。
e-メタンは、既存のLNG輸送船・LNG受入基地などのLNG設備およびパイプラインや消費機器等の都市ガスインフラを活用し、社会コストを抑えることが出来るため、特に電化が難しい高温の熱分野での円滑なカーボンニュートラル化や低炭素化を促し、また発電用燃料、輸送燃料としての利用も期待されます。
4社は、両国間におけるe-メタンのサプライチェーン構築の早期実現を目指し、両国政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。
<各社の概要>
マスダール社は、UAEにおけるクリーンエネルギー開発の旗振り役として、17年以上にわたり再生可能エネルギー事業を展開しています。世界各地で太陽光発電や風力発電プロジェクトに投資しているほか、2008年からグリーン水素の研究にも取り組んでいます。2030年までに年間100万トンのグリーン水素の生産を目標としながら、複数の戦略的パートナーとグローバル協定を締結し、目標達成に向けた事業化検討を推進しています。マスダール社の再生可能エネルギーに係るポートフォリオは世界40カ国以上にわたり、投資額は300億米ドル以上となっています。また、保有する再生可能エネルギーの累計発電容量は200万kWを超えています。
INPEXは、2022年2月に発表した「長期戦略と中期経営計画(INPEX Vision @2022)」において、ネットゼロ5分野の取り組みの一つとして「カーボンリサイクルの推進と新分野事業の開拓」を掲げ、メタネーションの社会実装を推進することとしており、本共同調査も含め、都市ガスのカーボンニュートラル化の早期社会実装に向けて、取り組んでまいります。今後もエネルギー開発・安定供給の責任を果たしつつ、2050年ネットゼロカーボン社会の実現に貢献すべく、エネルギー構造の変革に積極的に取り組んでまいります。
東京ガスは、国内最大の都市ガス事業に加え、発電事業、エネルギー小売事業、エンジニアリングソリューション事業、LNG上流事業、不動産開発事業などを展開する日本の総合エネルギー企業であり、グループ経営ビジョン「Compass2030」の一環としてCO2ネットゼロに挑戦し、脱炭素社会の実現を目指しています。首都圏のインフラ事業者として、LNGの高度利用を推進することで、お客さまの脱炭素化をサポートするとともに、再生可能エネルギー開発、CCUSの活用、水素製造技術の開発、e-メタンをはじめとする水素キャリアの事業化にも注力しています。現在、e-メタンのサプライチェーンを構築するために、北米、マレーシア、オーストラリアなどで、商社や世界のエネルギー企業とともに事業可能性調査を進めています。東京ガスは、エネルギーの安定供給と脱炭素化を両立させ、脱炭素社会への移行をリードしていきます。
大阪ガスは、「カーボンニュートラルビジョン」のもと、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて挑戦していくことを宣言しており、都市ガスのカーボンニュートラル化を実現する新エネルギーとして、e-メタンの国内外での技術開発・実証や製造事業の検討を進めています。アブダビは再生可能エネルギーのポテンシャルが高い国であり、4社で同国での安価かつ安定的なe-メタン製造事業の実現可能性を検討してまいります。本件を通じて、脱炭素社会への貢献や、気候変動をはじめとする社会課題の解決に努め、暮らしとビジネスの“さらなる進化”のお役に立つ企業グループを目指してまいります。
(※1)グリーン水素等の非化石エネルギー源を原料として製造された合成メタン
(※2)アラブ首長国連邦アブダビ首長国におけるグリーン水素およびCO2を用いたe-methane製造事業の事業化検討に向けた共同調査契約の締結について(7月18日公表)
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