気候二極化時代における流域の総合的水管理に関するレポートを発表

~デジタル技術の活用による流域インフラの連携で防災と幅広い利水を実現~

株式会社日本総合研究所

 株式会社日本総合研究所(本社: 東京都品川区、代表取締役社長: 谷崎勝教、以下「日本総研」)は、気象災害のリスクが高まる中で、デジタル技術の活用によって流域インフラの連携を図り、防災機能と流域全体の価値を向上させる手法および実現のための提言について、『気候二極化時代における「流域の総合的水管理」実現に向けた取り組み』(以下「本レポート」)として取りまとめましたので発表します。

 本レポートには、流域を取り巻く課題やステークホルダー協調の重要性、流域政策の最新地点、デジタル技術を活用した取り組み、総合的な水管理を通じて生まれる経済面の影響のほか、施策の例や実現に向けた提言などが紹介されています。

 本レポートは、以下のリンクからご覧いただけます。

 『気候二極化時代における「流域の総合的水管理」実現に向けた取り組み

 https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/pdf/company/release/2025/0319.pdf

■本レポート作成の背景・目的

 気候変動はわが国の降水状況にも大きな影響を与えており、例えば2014~2023年における1時間あたり50mm以上の雨が降る平均日数は、1976~1985年平均の約1.5倍となりました。また、2013年から10年間における全国の水害被害額は、総計約7.2兆円にも上っています。一方で、干ばつ・渇水などの発生件数が増加しているなど、「気候二極化」と呼ぶべき極端な現象がみられるようになっているのが近年の状況です。

 ダム・堤防・下水道などのインフラは、こうした災害を防ぐ根幹ですが、全国的に老朽化が進んでいます。気象災害のリスクは年々高まっており、河川堤防やダムの局所的な整備などだけでは対応が難しくなっているにもかかわらず、インフラの整備・維持に充てる財源は縮小し、人材も不足しているのが実態です。

 そうした中、流域全体を一つの単位(面)と捉え、上流から下流・河口まで水循環系を総合的に管理するアプローチ(図)への転換が検討されるようになってきました。

 日本総研は、「流域DX研究会」を2022年度に設立し(注1)、多くの民間企業や自治体、研究機関などと共に、年々激甚化が進む水害についてデジタル技術を活用した対策の検討を重ねてきました。本レポートは、その活動の一つとして、流域を取り巻く課題やステークホルダー協調の重要性、流域政策の最新地点、デジタル技術を活用した取り組み、総合的な水管理を通じて生まれる経済面の影響などを整理し、施策の例や実現に向けた提言を含めてまとめたものです。

■本レポートの概要

 本レポートは、水管理について、「利水者・治水者ごとの個別最適化」から「流域全体での最適化」に移行し、利水と治水双方の能力を高めることで、気候変動への適応力と緩和力の両立を目指すべきとの立場から作成されました。

 流域単位できめ細かな水運用を行うことよる、流域全体の価値の向上については、以下の観点などから説明しています。

 ● 複数ダム連携などによる水力発電の増大、脱炭素能力の向上

 ● 省水力発電導入可能地点の増加による脱炭素能力の向上

 ● 予測技術の導入や流域単位で治水に利用可能な容量の確保による治水能力の向上

 ● 農業用水や浄水の適切な確保による渇水リスクの低下

 ● 上述の発電事業などに伴う新たな投資の呼び込みと民間との連携による人材確保

 本レポートでは、流域の水運用の状況を可視化し、流域全体で柔軟かつ高度に水を運用し、各所の取水量や河川流量を適切に保つことができる仕組みについて詳細な説明が記載されています。また、その仕組みを体制面とシステム面の両面から整備し、制度や技術の導入なども含めて実現させていくための提言も行っています。

■株式会社日本総合研究所について

 日本総合研究所は、生活者、民間企業、行政を含む多様なステークホルダーとの対話を深めながら、社会的価値の共創を目指しています。シンクタンク・コンサルティング事業では、パーパス「次世代起点でありたい未来をつくる。傾聴と対話で、多様な個をつなぎ、共にあらたな価値をつむいでいく。」を掲げ、次世代経済・政策を研究・提言する「リサーチ」、次世代経営・公共を構想・支援する「コンサルティング」、次世代社会・市場を創発・実装する「インキュベーション」を、個人間や組織間で掛け合わせることで、次世代へ向けた価値創造を強力に推進しています。

(注1)「既設インフラ活用などによる流域全体の治水対策の研究会を設立」(日本総研ニュースリリース/2022年9月1日)

https://www.jri.co.jp/company/release/2022/0901/

■本件に関するお問い合わせ

【報道関係者様】 広報部      山口 電話: 080-7154-5017

【一般のお客様】 創発戦略センター 石川 電話: 090-4628-5227

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会社概要

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URL
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業種
情報通信
本社所在地
東京都品川区東五反田2-18-1 大崎フォレストビルディング
電話番号
03-6833-0900
代表者名
谷崎勝教
上場
未上場
資本金
100億円
設立
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