オープンソースプロジェクトSkeet、インドで唯一のSolanaブロックチェーンデータセンターを開設

Solana ネットワークの分散化及び拡大、新エリアにおいてのイノベーションを促進

ELSOUL LABO B.V.

ELSOUL LABO B.V.(エルソウルラボ、本社: オランダ・アムステルダム、代表取締役 CEO: 川崎文武)および、同社が設立したオープンソースソフトウェア開発を支援する Web3 NFT カードゲームを運営する Epics DAO は、Solana ブロックチェーンのバリデーター向けオープンソースツール「solv」の開発と運用を通じて、ブロックチェーン技術のイノベーションと持続可能な開発を推進しております。

同じくエルソウルラボが設立したオープンソースの Skeet 開発チームは、ソフトウェア開発の専門知識をバリデーター運用に活かし、その報酬を必要コストに充てることでオープンソース開発の持続可能性を高めることを目指しており、solv を活用して Solana ブロックチェーンバリデーターを運用してまいりました。

今回は Skeet 開発チームによる、インド唯一となる Solana ブロックチェーンデータセンター開設について発表させていただきます。


インド唯一 となる Solana データセンター開設の決断理由と Skeet 開発秘話



現在、Solana ブロックチェーンのメインネットバリデーターは世界で約 1,700 台稼働しており、317 のメインネットデータセンターがあります。


参考: https://www.validators.app/data-centers?locale=en&network=mainnet&sort_by=data_center


しかし、2024 年 5 月時点でインドには 1 つも Solana データセンターが存在していませんでした。


Solana データーセンターの世界分布を見てみると、米国やヨーロッパに多くのデータセンターが集中しており、アジア・オセアニア・南米・アフリカ地域にはまだまだデータセンターが少ない状況です。


この原因の一つには、サーバーコストが挙げられます。大規模なデータセンターには多くの冷却コストがかかります。また、データセンターの維持費はロケーションの環境に大きく左右されるため、インドのような気候条件が厳しい地域では、データセンターの運用が難しく高額になりがちです。


このサーバーコストはバリデーター運用収益に直結するため、バリデーター運用の参入障壁となっています。その傾向はとても顕著で、サーバーコストが高くなるほど、その地域のバリデーター数は減っています。


さらに、バリデーターの立ち上げやメンテナンスには高いコストがかかります。特にバリデーターが少ない地域では、適切なマシンスペックの準備や運用の複雑さが増し、初期設定が特に困難になります。


かつてインドにおいて運用されていたごく少数の Solana バリデーター達もそのコストの大きさからすべて撤退してしまっている状況でした。



Solana ネットワークとしてはもちろん、ブロックチェーン技術の普及と発展のためにも、全世界にデータセンターを分散させることが重要です。


実際にバリデーターノードが近くに存在しない地域のユーザーは、ネットワークの遅延によりユーザー体験が悪化したり、それにより開発が活発にならず、イノベーションの機会損失が起きています。


ところで、エルソウルラボの創業メンバーは 2018 年、インドにてアプリのオフショア開発会社を立ち上げ、多くのインドの IT 技術者と共に多くのプロジェクトに挑戦しました。


インドでは非常に多くの IT 技術者がソフトウェア開発を行っており、非常に多くの開発プロジェクトが存在しています。


開発者の流動性は高く、多くの開発者が次々と色々なプロジェクトに参加することが一般的でした。そのため、インドの IT 技術者は新しい技術に対して非常に積極的であり、新しい技術を学ぶ意欲が高いことが特徴です。


一方で、チームメンバーの認識や開発方法の統一がとても難しいことを課題に感じました。


当時もオープンソースのアプリフレームワークにはとてもお世話になり、開発方法の統一のためにフレームワークのありがたみを身にしみて感じておりました。


しかし、アプリフレームワークを利用する組織にはいくつかの課題がありました。中でも大きな課題はデプロイ(アプリケーションの公開)にありました。


開発環境では動いていたのに本番環境ではエラーが、、、ということや、メンバー間での環境の違いによるエラーが多発し、開発効率が悪化してしまいました。結局開発の統率が難しく、志半ばで撤退を余儀されなくなったことを今でも悔しく思っています。


これはもちろんアプリフレームワークが悪いわけではなく、アプリケーションのデプロイが難しいというそもそもの難題があったためです。


デプロイまでの堅牢な(環境差で何がエラーを起こしているのかわからなくなったりしない、とても安定した)環境一式すべてをフレームワークにする必要を感じ、この悔しい経験を元に撤退後にすぐにサーバーレスフレームワークの研究を開始しました。


そして三作目となるオープンソースサーバーレスフレームワーク Skeet は、国際学会 ENASE 2024 で発表され、多くの参加者から高い評価を受けることができました。


この大事な発見をいただいたインドという地に恩返しをするため、インド唯一となる Solana データセンターを開設することを決断いたしました。


これにより、インドでの Solana ネットワークの普及と発展に貢献し、多くのインドの IT 技術者の方々が新しいイノベーションに挑戦する機会を提供することができ、そこには大きな可能性と価値があると信じております。


実際に私達がインドにてビジネスを開始した 2018 年、インドではすでに Paytm という QR 決済が浸透しており、露店や屋台においても QR 決済を行うことができるようになっていました。日本において現在では普通となっている QR 決済の PayPay も 2018 年 10 月にサービスローンチされ、それも Paytm の技術を元に開発されたものであると言われており、インドの先進技術普及とイノベーションの速さを感じました。


インドにおいて今後ますますブロックチェーンを活用したイノベーションが数多く生まれることを期待しております。


Solana メインネットデータセンター(インド・ムンバイ): https://www.validators.app/data-centers/396982-IN-Mumbai?locale=en&network=mainnet



Skeet は、SOL をステークしていただけるユーザーの皆様に対しての手数料を「0%」に設定しておりますので、ステーク報酬の APR(年利)は 7.58 % となっております。


Solana バリデーターが非常に少ない地域に設置し後続のバリデーターが参加しやすくするため、そして高いバリデータースコアを狙うため 112 vCPU + 896 GB RAM という高スペックなマシンリソースを使用しており、堅牢な運用体制を構築いたしました。


ハードウェアになにか問題が起きたとしても、オープンソースの solv を活用しているため、すぐに簡単に引っ越しを行うことができます。この新しいインド・ムンバイのデータセンターの状態は常にエルソウルラボにて監視されており、万が一の際にもすぐに対応できる体制を整えております。


ぜひ今後とも私達の活動を応援いただければとても嬉しいです。


Skeet - Solana メインネットバリデーター: https://www.validators.app/validators/LionBN8UQ69Amea77CurDSCnRDVGTMND9oyv74ZteE2?locale=en&network=mainnet



エルソウルラボ及び Epics DAO について


エルソウルラボ及び Epics DAO のコアチームもオープンソースソフトウェアの開発に積極的に携わっております。


「solv」、「Skeet」という 2 つのオープンソースソフトウェアを開発し、これらのオープンソースプロジェクトを運営しています。



「solv」 は Solana バリデータ及び RPC ノードのセットアップと運用を簡略化するためのオープンソースツールです。


一般にブロックチェーンバリデータとして報酬を得るためには、適切なスペックのマシンリソースを用意して、ドキュメントに従ってバリデータ用のソフトウェアをインストール・セットアップを完了させ、週に何回かあるアップデート作業を行う必要があります。


この一連の作業はバリデータ全員が同じ作業をしなければならないなか、サーバー管理者としての専門知識が求められることで、手軽にインセンティブを得たいユーザーにとってその高い参入障壁が問題となっていました。


solv を使えば、たった 3 つのコマンドをコピペするだけで簡単に Solana バリデーターが立ち上がります。オープンソース開発の特性を活かし、アップデートも世界で一人が行えば、あとはそれをダウンロードするだけで完了するようになります。solv ユーザーは、日々のアップデート作業ですらワンコマンドで終了させることができます。


solv 公式ドキュメント: https://solv.epics.dev/



「Skeet」は、TypeScript を使用したオープンソースのサーバーレスアプリ開発ツールであり、インフラ設計や管理の省略、迅速なアプリケーション開発、必要な機能のみを迅速に開発する柔軟性、AI サポートの充実、そして dApps や Web3 アプリの開発に対応するなど、現代的なアプリケーションフレームワークを提供します。


Skeet 公式ドキュメント: https://skeet.dev/


エルソウルラボの Skeet 開発チームによる研究論文「Skeet: Towards a Lightweight Serverless Framework Supporting Modern AI-Driven App Development」が、2024 年 4 月 28 日と 29 日にフランス・Angers で開催された国際ソフトウェアエンジニアリングカンファレンス、ENASE 2024 で発表されました。ジェームス博士が代表として登壇し、その発表は多くの参加者から高い評価を受けました。


ENASE 2024: https://enase.scitevents.org/




この研究は、現代の AI 駆動型アプリケーション開発をサポートするための軽量なサーバーレスフレームワークを提案しており、学会のプロシーディングに掲載・出版されました。また、Google Scholar や Scopus をはじめとする複数の主要な学術文献検索サービスにもインデックスされ、広く研究コミュニティに対して利用可能となっています。


研究論文「Skeet: Towards a Lightweight Serverless Framework Supporting Modern AI-Driven App Development」 - SciTePress: https://www.scitepress.org/PublicationsDetail.aspx?ID=Rza3TGE30Xw=&t=1



今後も様々なイノベーションを促進するべく、積極的にオープンソースソフトウェアの開発に携わり、そしてオープンソースプロジェクトの開発環境全体を応援してまいります。


引き続き応援の程、何卒よろしくお願いいたします。


■ 会社概要

- 社名: ELSOUL LABO B.V.

- 代表取締役: 川崎 文武、岸 正太

- 事業内容: ソフトウェア研究開発 (AI・クラウド・ブロックチェーン)

- 設立: 2020 年 9 月

- 所在地: Weteringschans 165, 1017XD Amsterdam, Netherlands

- 認定: オランダ政府より WBSO(先端研究開発) 、Google Cloud Build パートナー 、国際学術会議 ENASE2024 研究論文採択

- 企業 URL: https://labo.elsoul.nl

- 公式 Discord: https://discord.gg/H2HeqRq54J

- プレスキット:https://labo.elsoul.nl/ja/press-kits


■ DAO 概要

- DAO 名: Epics DAO

- Founders: 川崎 文武、岸 正太

- 事業内容: 社会貢献型ブロックチェーンゲームの研究開発・運営

- 設立: 2022 年 6 月

- 受賞: Solana Summer Camp Hackathon 2022 5 位

- DAO URL: https://epics.dev

- Twitter URL: https://twitter.com/EpicsDAO2

- 公式 Discord: https://discord.gg/GmHYfyRamx



※ 本記事は投資助言などを目的としたものではありません。また、本記事に記載された情報は、執筆時点のものです。最新の情報をご確認ください。常に NFA / DYOR でお願いいたします。

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会社概要

ELSOUL LABO B.V.

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URL
https://labo.elsoul.nl/ja/
業種
情報通信
本社所在地
Joop Geesinkweg 501 ,AMSTERDAM-DUIVENDRECHT, Amsterdam, Noord-Holland, 1114AB, NL
電話番号
316-8722-8310
代表者名
川崎文武
上場
未上場
資本金
140万円
設立
2020年09月