第 41 回「石橋湛山賞」受賞作決定
2020年度・第41回の「石橋湛山賞」(石橋湛山記念財団主宰、東洋経済新報社、経済倶楽部後援)受賞作は、琉球大学人文社会学部准教授・山本章子氏著『日米地位協定――在日米軍と「同盟」の70年』(中央公論新社、2019 年5月刊)に決定いたしました。
全国の有識者からご推薦いただいた50を超える著作の中から、厳正なる審査を経て選出されました。
本書は、在日米軍の駐留に視点を据えて戦後の日米関係史を概説しています。山本氏はとくに、日米両政府が1960年の日米安保条約改定、地位協定締結の際に取り交わした「日米地位協定合意議事録」を問題視します。04年まで非公開だった「合意議事録」は民主主義国家間の条約や協定の正統性を著しく阻害すると主張。日米同盟関係には深い闇のようなものが感じられるが、それはこの「合意議事録」によるところが大きく、また米軍への「 “過剰な優遇”の根源」であると指摘します。
日米同盟の真価が問われようとするとき、国会で承認されていない「合意議事録」を撤廃することが喫緊の課題だと山本氏は主張します。深い信頼関係が土台になければ強固な同盟関係は成り立たないからです。
本書は日米同盟を重視しつつ、米国に対しても、非は非と主張し続けた石橋湛山の名を冠する本賞にふさわしいものといえます。
授賞式は10月23日(金)に東洋経済ビルで行われます。
山本 章子 著『日米地位協定――在日米軍と「同盟」の70年』(中央公論新社、2019年5月刊)
山本 章子(やまもとあきこ)氏 略歴
1979年北海道生まれ。2003年一橋大学法学部卒業、2007年一橋大学大学院法学研究科修士課程修了。
2007年から2012年第一法規株式会社に編集者として勤務、2015年一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)、沖縄国際大学非常勤講師を経て、2018年琉球大学人文社会学部国際法政学科講師、2020年より同准教授。専攻は国際政治史。
著書に『米国と日米安保条約改定――沖縄・基地・同盟』(吉田書店、2017年、日本防衛学会猪木正道賞奨励賞)『米国アウトサイダー大統領――世界を揺さぶる「異端」の政治家たち』(朝日新聞出版、2017年)
共著に『沖縄と海兵隊――駐留の歴史的展開』(旬報社、2016年)
『日常化された境界――戦後の沖縄の記憶を旅する』(北海道大学出版会、2017年)がある。
授賞式
日時:2020年10月23日(金)16時~
会場:東洋経済ビル 9階 経済倶楽部ホール(東京都中央区日本橋本石町 1-2-1)
「石橋湛山賞」について
石橋湛山賞は、石橋湛山記念財団により、東洋経済新報社と経済倶楽部の後援の下に、1980年に創設されました。政治経済・国際関係・社会・文化などの領域で、その年度に発表された論文・著書の中から、石橋湛山の自由主義・民主主義・国際平和主義の思想の継承・発展に、最も貢献したと考えられる著作に贈られています。
政界・経済界・学界・マスコミ関係者から寄せられた推薦論文・著書をもとに、財団理事・評議員らによる選考委員会が授賞候補を数点〜十数点に絞ります。この中から最終選考委員の奥村洋彦(学習院大学名誉教授)、叶芳和(経済評論家)、田中秀征(福山大学客員教授)、柴生田晴四(経済倶楽部理事長)、山縣裕一郎(東洋経済新報社 代表取締役会長)各氏の合議を経て、最終選考委員会の場で決定します。
全国の有識者からご推薦いただいた50を超える著作の中から、厳正なる審査を経て選出されました。
本書は、在日米軍の駐留に視点を据えて戦後の日米関係史を概説しています。山本氏はとくに、日米両政府が1960年の日米安保条約改定、地位協定締結の際に取り交わした「日米地位協定合意議事録」を問題視します。04年まで非公開だった「合意議事録」は民主主義国家間の条約や協定の正統性を著しく阻害すると主張。日米同盟関係には深い闇のようなものが感じられるが、それはこの「合意議事録」によるところが大きく、また米軍への「 “過剰な優遇”の根源」であると指摘します。
日米同盟の真価が問われようとするとき、国会で承認されていない「合意議事録」を撤廃することが喫緊の課題だと山本氏は主張します。深い信頼関係が土台になければ強固な同盟関係は成り立たないからです。
本書は日米同盟を重視しつつ、米国に対しても、非は非と主張し続けた石橋湛山の名を冠する本賞にふさわしいものといえます。
授賞式は10月23日(金)に東洋経済ビルで行われます。
山本 章子 著『日米地位協定――在日米軍と「同盟」の70年』(中央公論新社、2019年5月刊)
山本 章子(やまもとあきこ)氏 略歴
1979年北海道生まれ。2003年一橋大学法学部卒業、2007年一橋大学大学院法学研究科修士課程修了。
2007年から2012年第一法規株式会社に編集者として勤務、2015年一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)、沖縄国際大学非常勤講師を経て、2018年琉球大学人文社会学部国際法政学科講師、2020年より同准教授。専攻は国際政治史。
著書に『米国と日米安保条約改定――沖縄・基地・同盟』(吉田書店、2017年、日本防衛学会猪木正道賞奨励賞)『米国アウトサイダー大統領――世界を揺さぶる「異端」の政治家たち』(朝日新聞出版、2017年)
共著に『沖縄と海兵隊――駐留の歴史的展開』(旬報社、2016年)
『日常化された境界――戦後の沖縄の記憶を旅する』(北海道大学出版会、2017年)がある。
授賞式
日時:2020年10月23日(金)16時~
会場:東洋経済ビル 9階 経済倶楽部ホール(東京都中央区日本橋本石町 1-2-1)
「石橋湛山賞」について
石橋湛山賞は、石橋湛山記念財団により、東洋経済新報社と経済倶楽部の後援の下に、1980年に創設されました。政治経済・国際関係・社会・文化などの領域で、その年度に発表された論文・著書の中から、石橋湛山の自由主義・民主主義・国際平和主義の思想の継承・発展に、最も貢献したと考えられる著作に贈られています。
政界・経済界・学界・マスコミ関係者から寄せられた推薦論文・著書をもとに、財団理事・評議員らによる選考委員会が授賞候補を数点〜十数点に絞ります。この中から最終選考委員の奥村洋彦(学習院大学名誉教授)、叶芳和(経済評論家)、田中秀征(福山大学客員教授)、柴生田晴四(経済倶楽部理事長)、山縣裕一郎(東洋経済新報社 代表取締役会長)各氏の合議を経て、最終選考委員会の場で決定します。
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