【東北の金融業界として初導入】日立システムズがフィデアホールディングス株式会社に炭素会計プラットフォームサービスを提供開始 金融機関が主導する投融資先・地域の脱炭素化を支援
*1:GHG(Greenhouse Gas)温室効果ガス
■導入の背景
日本政府は2020年10月に2050年までにGHGの排出を実質ゼロにする「2050年カーボンニュートラル宣言」を発表しました。また、ISSB*2は2023年6月に「サステナビリティ開示基準」として、「Scope1」、「Scope2」に加えてサプライチェーン全体の「Scope3」を含めることを最終確定しました。これにより、2026年4月までに有価証券報告書へ「Scope1」から「Scope3」を記載することが義務化される見込みとなり、上場企業を中心に炭素会計への早急な対応が求められています。
金融機関においては「Scope3」のCategory15として、自社の炭素排出量の大部分を占めるファイナンスド・エミッションの算定・開示が重要であり、同時に投融資先企業へのエンゲージメント(顧客企業との対話)を高め、排出量削減に向けた支援を強化していく必要があります。フィデアHDはエンゲージメントを通じた支援に注力するために、土台となるファイナンスド・エミッションの算定効率化・自動化が重要と考え、東北地方の他の金融機関に先駆けて*3、Persefoni社の炭素会計プラットフォームの導入を決定しました。
*2:ISSB(International Sustainability Standards Board)国際サステナビリティ基準審議会
*3:日立システムズ調べ
■今回の取り組みについて
日立システムズは2022年5月にPersefoni社とリセラー契約を締結し、炭素会計プラットフォームの提供を開始しました。なお、自社でも炭素会計プラットフォームを利用したバリューチェーン全体でのGHG排出量の可視化に取り組んでいます。フィデアHDとは昨年末に契約を締結し、本年1月15日から稼働を開始しました。また、日立システムズは、国際基準のPCAF*4に準拠したファイナンスド・エミッション算定とするため、国内の産業分類コードからGICS*5コードへ変換する仕組みを提供するほか、算定後の削減に向けては、日立グループ全体で所有するGHG削減ソリューションを提供しています。
フィデアHDは、政府が主導する「2050年カーボンニュートラル宣言」の実現に向けて、地域のGX(Green Transformation)支援にも注力していましたが、人員が限られる地方の金融機関にとって、自社や投融資先の炭素排出量の算定を、いかに効率化するかが大きな課題となっていました。そこで、投融資先企業とのエンゲージメント強化を目的として、投融資先の排出量算定において効率化を図るため、算定から排出量削減までのトータルサポートが可能な日立システムズから、Persefoni社の炭素会計プラットフォームサービスを導入することを決定しました。ご担当者からは「今回、日立システムズから炭素会計プラットフォームを導入したことで、課題が整理され、脱炭素への取り組みが一気に加速することが想定されます」との感想をいただいています。
*4:PCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)金融向け炭素会計パートナーシップ
*5:GICS(Global industry Classification Standard)世界産業分類基準
■Persefoni社のサービスの特長
Persefoni社の炭素会計プラットフォームサービスは世界中で多くの企業に導入されていますが、特に金融機関から支持を得ている理由は以下のとおりです。
1) PCAFに厳密に準拠:金融機関がファイナンスド・エミッションの算定を容易に行えるよう、PCAFに基づく排出ロジックやグローバル排出原単位を実装しています。また、投融資先企業の財務データや排出量データなど、算定に必要なデータを自動で収集するための外部連携なども積極的に行っています。
2) 削減プラニングツールの提供:自社独自あるいはSBTi*6の削減目標を管理するのみならず、目標達成に向けた削減施策を計画するプランニング機能も提供しています。同機能を活用することにより、金融機関は、投融資先企業がより積極的に気候変動への対応を進めるよう提案する、もしくはポートフォリオの見直しを容易に行うことができるようになります。
3) 多様な分析・可視化機能の提供:売上炭素強度やWACIなど、ポートフォリオ管理を行ううえで金融機関が一般的に使用している指標を用いて、投融資先企業の排出状況を比較し易くするモジュールを提供しています。
こうした特長的な機能・サービスを活用することにより、金融機関は投融資先企業のサステナビリティを厳密に評価し、投融資によるリスクや機会を適切に管理することができるようになります。
*6:SBTi( Science Based Targets initiative) 科学に基づく気候目標を設定した組織・企業間のコラボレーション
■今後の展望
日立システムズは、日本国内のカーボンニュートラル実現に向けて、各地域金融機関への導入を推進していくことで、導入先企業とともに地域のさらなる活性化・脱炭素化に貢献していきます。さらに算定分野だけではなく、支援分野の拡大や取引先に対する脱炭素ソリューションのラインナップを広げ、脱炭素化へのトータルサポートを進めてまいります。
■フィデアHDについて
フィデアグループは荘内銀行および北都銀行の経営統合により、2009年に東北初の広域地方銀行グループとして誕生しました。「一人ひとりの情熱と知恵と挑戦で、東北を幸せと希望の産地にします。」をグループ経営理念として、2025年度までの3カ年計画、第5次中期経営計画「持続可能な地域づくりのための変革」をスタートし、経営基盤の強化に取り組むとともに、地域のGX、DXにも積極的に貢献しています。サステナブルファイナンスの推進、再エネ由来使用電力への転換、省エネルギー化などの対応により脱炭素化を進め、地域のカーボンニュートラル実現、持続可能な地域環境づくりに積極的に取り組んでいます。
詳細は http://www.fidea.co.jp をご覧ください。
■Persefoni社について
Persefoni社は、気候変動管理・炭素会計プラットフォーム(CMAP)のリーディングカンパニーです。企業や金
融機関は、国際的な炭素会計基準である PCAF や GHG プロトコルに対応する当社の SaaS 型ソリューションを利用することにより、国内外のステークホルダーや規制当局が求める気候変動に関する情報開示業務を、高い信頼性、透明性、利便性をもって行うことができます。
パーセフォニ社のプラットフォームは、「炭素分野の ERP(経営資源を統合的に管理し、経営の効率化を図る手法)」であり、Scope1 から 3 まで(自社や国内外のサプライチェーン全体)の炭素管理の一元化を実現し、企業は従来の経理業務と同様の厳密さと信頼性をもって、炭素会計・管理業務を進めることができます。
詳細は https://www.persefoni.com/ja/ をご覧ください。
■炭素会計プラットフォームサービス「Persefoni」のWebサイト
https://www.hitachi-systems.com/solution/s0310/persefoni/index.html
https://www.hitachi-systems.com/ind/carbon_neutral/solution/persefoni/
■日立システムズのカーボンニュートラルの取り組みに関するWebサイト
https://www.hitachi-systems.com/ind/carbon_neutral/index.html
■日立システムズについて
日立システムズは、企業理念に掲げる「真に豊かな社会の実現に貢献する」ために、日立グループの社会イノベーション事業を支える一員としてサステナビリティ経営を推進しています。強みであるさまざまな業種の課題解決で培ってきたお客さまの業務知識やノウハウを持つ人財・サービスインフラを活用したデジタライゼーションサービスと、日立の先進的なデジタル技術を活用したLumadaやパートナーと連携した独自のサービスによりお客さまのデジタル変革を徹底的にサポート。社会課題を解決するだけでなく、社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献し、人々のQuality of Lifeの向上とお客さまの価値向上を支援してまいります。
詳細は https://www.hitachi-systems.com/ をご覧ください。
■お客さまからのお問い合わせ先
株式会社日立システムズ お問い合わせWebフォーム
https://www.hitachi-systems.com/form/contactus.html
以上
*記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。
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