地熱発電を用いたオフサイトコーポレートPPAを東京都内のオフィスビルに導入

天候や昼夜の影響を受けない安定した再エネ電力により都心部の脱炭素化を加速

東京建物株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員 小澤 克人、以下「東京建物」)、日鉄エンジニアリング株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:石倭 行人、以下「日鉄エンジニアリング」)、九電みらいエナジー株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役 社長執行役員 水町 豊、以下「九電みらいエナジー」)の三社は、東京建物が所有管理する東京都内のオフィスビルに、地熱発電を用いたオフサイトコーポレートPPA※1を導入したこと(以下「本取り組み」)をお知らせします。

なお、地熱発電を用いたオフサイトコーポレートPPAの導入は、不動産業界初の取り組みとなります※2。

地熱発電所(九電みらいエナジー八丁原発電所)と供給先ビルの一例(東京建物八重洲ビル)

導入の背景

日本国内の発電電力に占める再生可能エネルギー(以下「再エネ」)は、2023年度時点で全体の26.1%を占めています※3。再エネのうち地熱発電は、天候や時間に左右されず、24時間365日安定した発電・供給が可能であり、設備利用率※4は82%※5と水力、風力、バイオマスなどを含めた再エネのなかでも最も高い水準にあります。

このような背景のもと、本取り組みは、安定供給可能な地熱発電の電力を、オフィスビルにおいて「ベース電力」として採用することにより、消費電力における再エネ自給率の向上を目指すものです。具体的には、オフィスビルにおいて電力使用が集中するオフィスアワー(日中)は、ベース電力である地熱発電の電力に加え、日中に発電可能である太陽光発電の電力を消費する一方、使用電力が減る夜間は、消費する電力の大半を地熱発電の電力でまかなうことで、再エネ自給率の向上を目指します(再エネ電力が不足する部分は非化石証書付電力を受電)。

昼間と夜間の使用電力イメージ

都心部は、建物が建ちならんでおり、土地利用の制約から太陽光パネルの設置場所は限られています。近年ではペロブスカイト太陽電池の採用など、技術革新による地産地消型のエネルギー創出も実現しつつありますが、引き続きエネルギーの需要が大きい都心部の脱炭素化に向けた取り組みは、喫緊の課題となっています。本取り組みは、こうした都心部におけるカーボンニュートラルの実現に向けた貢献に資する取り組みの一つであるとの認識のもと、導入に至りました。

導入スキーム

九電みらいエナジーが所有する4か所の地熱発電所(八丁原発電所(大分県玖珠郡九重町)、滝上発電所(同左)、山川発電所(鹿児島県指宿市)、大霧発電所(鹿児島県霧島市))で発電した再エネを、小売電気事業者である日鉄エンジニアリングを通じて、需要家である東京建物が東京都内に保有管理する3棟のオフィスビル(東京建物八重洲ビル(東京都中央区)、東京建物八重洲さくら通りビル(同左)、大崎センタービル(東京都品川区))に供給します。

導入の効果

本取り組みの実施により、年間で約900MWh受電する見込みであり、これにより年間約360トンのCO2削減効果(1年間に杉の木26,000本が吸収するCO2量)※6を実現します。

今回本取り組みを導入する3棟のビルのうち、東京建物八重洲ビルでは、東京建物が開発した環境配慮型物流施設「T-LOGI」の屋根一面に太陽光パネルを設置し、太陽光発電によって意図的に創出した余剰電力(再エネ余剰電力)の自己託送や、非化石証書の活用により再エネ導入率100%を達成しておりますが、本取り組みの実施により、同ビルの再エネ自給率はこれまでの約19%から、約27%まで向上する見込みです。

各社の脱炭素の取り組み

東京建物

東京建物グループは長期ビジョン「次世代デベロッパーへ」を掲げ、「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立することを目指しています。再エネに関して、「全事業において、2050年度までに、事業活動で消費する電力の再エネ化100%」、「ビル事業において、2030年までに、保有する不動産で消費する電力の再エネ化100%」を目標に掲げています。

具体的取り組みとして、東京建物が開発した環境配慮型物流施設「T-LOGI」の屋根一面に太陽光パネルを設置し、太陽光発電によって意図的に創出した余剰電力(再エネ余剰電力)を都心部のビルへ融通するほか、ガラス内蔵型太陽光パネルの設置を推進するなど、再エネ電力を創出する空間が限られる都心部の脱炭素化を推進してまいりました。

今後も、地熱を含めたさまざまな再エネを導入することで、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

日鉄エンジニアリング

日鉄エンジニアリングは、製鉄をルーツに持つエンジニアリング会社として「環境・エネルギー」「都市インフラ」「サービスビジネス」「製鉄プラント」などの領域で多角的にビジネスを展開しています。「サービスビジネス」領域では、20年以上にわたる小売電気事業者としての知見を活用し、PPAによる再エネ電源導入促進、環境プラントから発電される再エネ電力の地産地消による地域循環共生圏の創出、調整力の需給調整市場などへの活用を含めた電力ソリューションサービスの提供を通じて、再生可能エネルギーの導入促進に貢献してまいります。

九電みらいエナジー

九電みらいエナジーは、“みらいを拓く、世界有数のグリーンエネルギー企業”となることを目指しています。主要な再エネ5電源(太陽光・風力・バイオマス・地熱・水力)を保有する国内唯一の再エネ事業者であることの強みを活かし、多様化するお客さまや社会のエネルギーニーズに積極的に対応しながら、再エネの普及・拡大に貢献してまいります。

※1 再エネ電源の所有者である発電事業者と電力の購入者が、事前に合意した価格および期間における再エネ電力の売買契約を締結し、発電場所から離れた需要家に対し、送配電網を介して再エネ電力を供給する契約方式

※2 九電みらいエナジー調べ(2025年5月時点)

※3 出所:「国内の2023年度の自然エネルギー電力の割合と導入状況(速報)」(特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所)

※4 発電設備を定格出力で運転し続けたと仮定した場合の発電電力量に対する、発電設備がその期間中に実際に発電した電力量の百分率(総発電量(kWh)÷(経過時間×設備の出力(kW))×100)

※5 出所:「RENEWABLE POWER GENERATION COSTS IN 2023」(国際再生可能エネルギー機関(IRENA))

※6 林野庁「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン」に基づき算出

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会社概要

URL
https://www.eng.nipponsteel.com/
業種
建設業
本社所在地
東京都品川区大崎一丁目5番1号 大崎センタービル
電話番号
03-6665-2000
代表者名
石倭行人
上場
未上場
資本金
150億円
設立
2006年07月