運送業の原価、9割が「上昇実感」も転嫁できたのは3割弱

5社共同で実態調査を実施。価格転嫁の分かれ目は、会社規模ではなく原価の「粒度」と「活用」

アセンド株式会社

物流の現場から経営・戦略までを支援し、社会を支える物流の持続的な進化を目指すアセンド株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:日下 瑞貴、以下「当社」)は、計5社での共同調査「運送会社の原価活用・コスト上昇対応に関する実態調査」(有効回答198社)の結果をまとめた分析レポートを公開したことをお知らせいたします。

調査から、直近1年で運送原価が5%以上上昇したと感じる会社は89.9%にのぼる一方、その上昇を運賃に半分以上反映できた会社は198社中54社(27.3%)にとどまることが分かりました。さらに、価格転嫁の成否を分けるのは会社の規模ではなく、原価を細かく分析し、運賃交渉等に「活用」できているかであることが明らかになりました。

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調査の背景 

トラック運送業は社会インフラを担う一方、業界全体の営業損益率は約0%(※1)と厳しい経営環境が続いています。原価計算を「実施している」とする事業者は8割を超える(※2)ものの、価格転嫁率は主要27業種で最下位水準が続いており(※3)、原価計算が運賃交渉や経営判断に十分に活かされていない可能性がありました。

そこで本調査は、運送事業者が「どの費目を・どの粒度で・どのように活用しているか」という原価管理の実態を可視化することを目的に実施しました。今般のAI・デジタルの浸透により、データに基づく意思決定の重要性が一段と高まるなか、原価管理の"次の一手"を示すことをねらいとしています。

※1…全日本トラック協会「経営分析報告書」(令和4年度決算版)

※2…国土交通省「標準的運賃に係る実態調査結果」(令和6年度)

※3…中小企業庁「価格交渉促進月間 フォローアップ調査」(2025年9月調査)

調査結果のハイライト 

1. 原価は9割が上昇を実感、しかし運賃に半分以上転嫁できたのは3割弱 

直近1年で運送原価が5%以上上昇したと感じる会社は89.9%に達し、10%以上の上昇を感じる会社も50.5%にのぼりました。一方、その上昇を運賃に半分以上反映できた会社は198社中54社(27.3%)にとどまり、コスト増を価格へ転嫁しきれていない実態が浮き彫りになりました。

2. 原価は記録できても、「活用」まで到達するのは4社に1社 

原価を全社的に記録・集計まで実施している会社は60.1%に達する一方、それを分析・改善に活かせている会社は4社に1社程度(27.3%)にとどまりました。原価計算の壁は「記録」ではなく「活用」にあることが浮き彫りになりました。

3. 価格転嫁の差を生むのは、企業規模ではなく原価計算の「粒度」と「活用」 

コスト上昇を運賃に半分以上反映できた会社の割合を比較すると、車両台数別では差が10.4ポイント(規模別で22.0〜32.4%)だったのに対し、原価管理の到達度では差は21.0ポイントと約2倍に。さらに原価を「活用」できている会社だけが40.7%と突出しました。価格転嫁の成否は会社規模ではなく、原価実施粒度・活用度合いで分かれていることが分かりました。

 4. 原価を「荷主・コース単位」まで分析できている会社ほど、転嫁できている

原価計算をコース別・案件別まで行う会社は、コスト上昇を「半分以上」反映できた割合が35.2%と、全社単位・営業所単位止まりの会社(16.1%)の2倍以上となりました。案件単位での原価把握が、運賃交渉の切り札になっているといえます。

5. 原価を分析できている会社ほど、打ち手が多い 

価格転嫁に向けた取り組み事項の一丁目一番地は運賃交渉で、実施率91.4%・最も効果が出た打ち手としても63.7%となりました。そのうえで、原価を活用できている層は運賃交渉を含めて平均3.96個の施策を組み合わせており、記録のみにとどまる層(平均2.6個)の約1.5倍に。原価を可視化できている会社ほど、打ち手の幅が広がっているといえます。

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調査概要

調査名

運送会社の原価活用・コスト上昇対応に関する実態調査

調査主体

アセンド株式会社

株式会社船井総研サプライチェーンコンサルティング

株式会社シーアールイー

都築電気株式会社

株式会社Azoop

調査対象

実運行を行うトラック運送事業者に属する方

調査方法

Webアンケート(Googleフォーム)

回答期間

2026年6月9日(火)〜6月30日(火)

有効回答

198社

当社について

「物流の真価を開き、あらゆる産業を支える」をミッションに掲げ、2020年3月に創業。

「運送事業者の理想の経営を実現する」ことを志向し、車両台数の規模を問わず運送事業者が手軽に業務効率化・経営強化を図れる運送管理システム「ロジックス」を提供。あわせて、国土交通省をはじめとする関連省庁による物流業界の実態調査・分析事業も担い、マクロの政策提言と現場への草の根支援の双方を推進。

2026年からは、サプライチェーン最適化に向けた戦略設計と物流手配を包括的に受託する「4PL事業」を展開し、複数事業展開で構造的な課題を抱える物流産業の変革を目指す。

代表取締役の日下瑞貴は、JILS「ロジスティクスイノベーション推進委員会」委員、「ロジスティクス経営指標調査」専門家委員、運輸デジタルビジネス協議会(TDBC)理事、全日本トラック協会DX講座講師を務め、業界の啓発・発展に尽力。

2025年11月にはシリーズBラウンドで11億円の資金調達を実施し、累計調達額は18億円に達する。

会社情報

本社所在地:東京都新宿区市谷砂土原町2-7-19 田中保全ビル3階

代表者:代表取締役社長 日下瑞貴

設立:2020年3月

資本金:14億2,389万円(資本準備金等含む)

社員数:52名 ※2026年8月時点

事業内容:運送管理システム ロジックス開発・提供、物流コンサルティングサービス、4PL

会社HP : https://www.ascendlogi.co.jp/

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会社概要

アセンド株式会社

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URL
https://www.ascendlogi.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区市谷砂土原町2-7-19 田中保全ビル3階
電話番号
03-6555-3055
代表者名
日下瑞貴
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2020年03月