第10回ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2024 防災情報システム「LONGLIFE AEDGiS※1(ロングライフ イージス)」が「最優秀賞」を受賞

旭化成ホームズ株式会社

旭化成ホームズ株式会社(代表取締役社長:川畑 文俊、以下「旭化成ホームズ」)は、国立研究開発法人防災科学技術研究所(理事長:寶 馨、以下「防災科研」)と共同で開発に取り組む「防災情報システムLONGLIFE AEDGiS」などが、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会※2主催の「第10回ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2024※3」において、「ジャパン・レジリエンス・アワード 最優秀賞」を受賞しましたのでお知らせします。

◆「最優秀賞」を受賞した「LONGLIFE AEDGiS」などの取り組み全体について

旭化成ホームズは、大規模災害発生後の被災者対応をよりスムーズに行うことを主眼に置き、防災情報システムLONGLIFE AEDGiSを防災科研の協力を得て開発、東京ガスネットワーク株式会社(以下「東京ガスネットワーク」)より地震動情報を導入し、2023年2月より運用を開始しました。

LONGLIFE AEDGiSは、センシングや外部情報による被害推定・把握のシステムと、ITを援用したコミュニケーションによる情報収集と顧客対応のサービスを統合したものであり、将来的にさらなるシステムとサービスなど、付加価値の追加も検討しています(図1)。同システムの活用により、大規模な災害に対し、建物の耐震性強化や電力確保などの備えだけでなく、発災時の限られた人的資源での災害対応を効率化し、復旧の早期終結を図ることにより、居住者やオーナーへのさらなる安心を提供することを目的としています。

図1:LONGLIFE AEDGiS概念図

※1:AEDGiS・・・Asahikasei Earthquake and other disaster Damages Grasp information Systemの略

※2:一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会は、国土強靭化担当大臣私的諮問機関「ナショナル・レジリエンス懇談会」の結果を踏まえ、「国土強靭化基本計画」が円滑に達成されるよう、産、学、官、民のオールジャパンでその叡智を結集し、非常時のみならず平時での戦略的活用の方策を創造することにより、公共投資、民間投資が最大限に相乗効果を発揮し、レジリエンス立国を構築していくことを目的として設立されました。

※3:「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靱化大賞)」は、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会(所在地:東京都千代田区、会長:広瀬 道明)により、次世代に向けたレジリエンス社会構築へ向けて強靭な国づくり、地域づくり、人づくり、産業づくりに資する活動、技術開発、製品開発等に取り組んでいる先進的な活動を発掘・評価し、表彰する制度です。

1.LONGLIFE AEDGiS「地震被害推定システム」の概要

「LONGLIFE AEDGiS」は、東京ガスネットワークや防災科研サーバーからの地震動情報と建物の構造データを掛け合わせて、地震発生後10分~2時間程度で、旭化成グループ施工エリアである21都府県の全てのヘーベルハウス(戸建住宅)・へーベルメゾン(集合住宅)について、建物別に被害レベルや液状化発生状況を即時把握することで、早期に災害対応にあたるシステム(図2・3)です。

被害状況や建物損傷度を正確に把握するため、独自に5つの損傷ランクを分別。また地震時の建物の瞬間的な最大の傾き(層間変形角)から被害状況を早急に把握し、精度を高め緻密にランク分けすることで、対応の優先順位付けが可能になり、震災発生直後の初動において限られた人的資源でも、復旧工事の早期終結、受架電の本数削減など、災害対応効率の最大化、ひいては顧客への安心の提供を実現します。

図2:災害発生時の状況把握のネットワークイメージ
図3:「地震被害推定システム」の作動フロー図

①地震動情報(ある地点での震度:計測震度相当値)をインターネット経由で取得し、50mまたは250mメッシュごとの震度を把握(50mメッシュ適用エリアは南関東の一部)

②建物ごとの物件情報(位置情報、構造特性)を参照

③当該物件位置の地震動と②の当該建物構造特性情報から被害の推定(振動による被害)と液状化発生確率の計算を行う

④被害推定結果から0~4の損傷ランクを計算し対応の優先順位付けを行う

⑤損傷ランク上位の判定を受けた建物から優先的に対応

2.LONGLIFE AEDGiS「水害被害把握システム」の概要

LONGLIFE AEDGiSに、アライアンス企業の株式会社Spectee(以下「Spectee」)が提供する浸水エリア、浸水深※4の情報を取り込み、水害発生時の災害支援を強化する「水害被害把握システム」を追加しました。現在2024年度中の実運用開始を目指し、検討を進めています。

・水害被害即時推定機能(水害直後)

SNS上の投稿情報をリアルタイムに分析し、リアルタイムに浸水エリア、その浸水深を生成配信する「Specteeリアルタイム浸水推定図」とAPI※5連携し、LONGLIFE AEDGiSの地図上にヘーベルハウス・へーベルメゾンの位置情報とともに、浸水状況と浸水深をビジュアルに表示。浸水被害範囲と規模を推定し、被災後の対応を効率的に行うことを目指す(図4)。

・水害被害想定機能(水害前)

水害発生前にLONGLIFE AEDGiSに取り込んだハザードマップを基に、水害発生時にどれだけのヘーベルハウスが浸水被害を受けるかを事前に想定することで、復旧に必要なリソースを見積もるなど、災害発生後の復旧計画立案に必要な情報を抽出。また想定情報を使って、水害被害を受ける可能性が高いエリアにお住いの顧客に対し、事前の備えや災害時に役立つ発電・蓄電設備の提案を行うなど、緊急時に備えた準備を呼びかけることも検討している。

※4:浸水深・・・津波や高潮・洪水などによって市街地や家屋が水で覆われる「浸水」時の、地面から水面までの高さ(深さ)

※5:API(Application Programming Interface)・・・複数のプログラムをつなぐ接続部分(インターフェース)

図4:Specteeリアルタイム浸水推定図上でのヘーベルハウス・ヘーベルメゾン位置のプロット図

3.対話による情報収集と顧客対応システムの概要

発災時にITを援用したコミュニケーションによる情報収集と顧客対応を目的とするサービスとして、2022年2月より「災害BoT」の運用を開始しました。自動プログラム(BoT)を活用して、発災時における設備機器復旧方法の閲覧や、建物の被害状況を顧客自身が申告することができるプッシュ型のコミュニケーション機能を、顧客向け会員制ネットクラブ「HEBELIAN NET.」に追加しました。災害発生時に顧客に対し、発災直後と4時間経過後(深夜・早朝の時間帯の際は自動調整)の2回にわたり、メールを自動送付。発災後の電話回線の混雑などによる「つながらない」ことへの不安や孤独を招く混乱期に「つながる安心」を提供します。また居住地に合わせた気象庁の情報やライフライン復旧方法など、発災時に必要な情報を提供し、災害の実態に即した判断を促すことが可能となります(図5)。

図5:気象庁発表の震度や津波情報を、居住地に合わせてお知らせ

【ご参考】

LONGLIFE AEDGiSの詳細は下記のページをご覧下さい。

https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/press/20230310/index/

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会社概要

旭化成ホームズ株式会社

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URL
https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/index.html/
業種
建設業
本社所在地
東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング
電話番号
03-6899-3000
代表者名
川畑 文俊
上場
未上場
資本金
-
設立
1972年11月