人工衛星の打ち上げコストが4分の1に―新興国の宇宙開発を加速する3つの取り組み【A.T. カーニー】

過去5~10年で約20の新興国が衛星AIT整備を加速、現地能力・地域連携・経済多角化が焦点

KEARNEY

A.T. カーニー株式会社(東京都港区、日本代表:針ヶ谷 武文)は、「軌道への跳躍――LEOはいかに新興国の宇宙能力開発を加速し得るか」(英題:Leapfrogging into orbit: how LEO can accelerate emerging nations’ space capability development)を公開しました。

本稿では、過去15年で新設された宇宙機関が20超に達し、年間衛星打ち上げ数が2017年以降5倍、稼働中の衛星を運用する国が90超となったことを整理しています。また、「Low Earth Orbit(地球低軌道)」の打ち上げコストは、1980~90年代の1kg当たり2万ドル超から、本稿執筆時点のSpaceXライドシェア・ミッションで5,000ドル未満へ低下しました。新興国にとって、衛星の組立・統合・試験(AIT)能力の現地化、地域連携、経済多角化が重要な選択肢になると示しています。

年間衛星打ち上げ数は2017年比5倍、90超の国が衛星を運用

宇宙分野への参入国は広がっています。本稿によると、過去15年で新設された宇宙機関は20超に達し、年間衛星打ち上げ数は2017年以降で5倍に増加しました。現在では90超の国が稼働中の衛星を運用しています。

部品製造、衛星統合、打ち上げ、運用、データ活用まで、宇宙バリューチェーン全体でプレーヤーが増えています。LEOは、高解像度の地球観測や低遅延通信に適し、新興国が主権的な宇宙能力を構築するための経路になり得ます。

宇宙市場の約91%を下流が占有、上流約9%が主権を支える基盤

宇宙市場では、通信や地球観測データサービスなどの下流領域が全体の約91%を占め、2032年まで年平均6.6%で成長すると見込まれています。一方、衛星製造、打ち上げ、地上セグメントなどの上流領域は合計約9%です。

上流領域の市場比率は小さいものの、宇宙へアクセスし運用するための重要インフラです。本稿は、上流能力が主権的能力と技術的自律性を支える戦略的レバーになると指摘しています。過去5~10年では、ほぼ20の新興国が衛星AITインフラの整備を加速しています。

 

打ち上げコストは4分の1、小型衛星は18カ月未満で軌道投入も

LEOへの打ち上げは、1980~90年代には1kg当たり2万ドルを超えることがありました。本稿執筆時点のSpaceXライドシェア・ミッションは1kg当たり5,000ドル未満で、4分の1のコスト低下となります。さらに、小型衛星ミッションは構想から軌道投入まで18カ月未満で進められると示されています。

本稿では、LEOの機会を持続的な便益へつなげるための行動として、①衛星AIT能力の現地化、②共有コンステレーションなどを通じた地域連携、③宇宙資産・アプリケーションを活用した経済ポートフォリオの多角化、の3点を挙げられています。

-       論考について

 論考名:「軌道への跳躍――LEOはいかに新興国の宇宙能力開発を加速し得るか」 (英題:Leapfrogging into orbit: how LEO can accelerate emerging nations’ space capability development)

URL:https://www.jp.kearney.com/issue-papers-perspectives/leapfrogging-into-orbit-how-leo-can-accelerate-emerging-nations-space-capability-development
    
    

-       監修者

崎田 隆弘 シニア パートナー
自動車・製造業、防衛・航空宇宙領域のコアメンバー。製品企画や開発、およびサプライチェーンを軸とした事業戦略やトランスフォーメーションを中心に従事。海外経験も長く、英語・日本語の両方でプロジェクトをリード可能。日本の国力・国際競争力の向上をテーマに日本、北米、欧州地域に渡って日系クライアントを多数支援。前職は他コンサルティングファームや大手商社にて、事業開発(日本と中国)やサプライチェーン変革などを深く経験。

竹井 潔 プリンシパル

MITスローン経営大学院修了(MBA)。東芝(現キオクシア)半導体事業の経営企画部門で、事業戦略立案や海外企業との提携交渉に従事したのち、KEARNEYに入社。通信、ハイテク領域を中心に、全社戦略、事業ポートフォリオ変革、新事業開発、M&A戦略等のテーマを手掛ける。クロスボーダーのプロジェクトリードが可能。経済産業省 JAXA部会委員

A.T. カーニーについて

A.T. カーニー(グローバル・ブランド名:Kearney)は、100年にわたり世界有数の経営コンサルティングファームとして、Fortune Global 500企業の4分の3以上をはじめ、世界各国の政府機関に信頼されるパートナーであり続けてきました。40カ国以上に拠点を展開し、私たちの最大の強みは「人」にあります。インパクト・ファーストを掲げ、独創的な発想と実行力をもって、顧客企業が直面する最も困難な課題に挑み、変革の実現をともに推進します。日本には1972年に進出し、あらゆる主要産業のリーディングカンパニーに対し、戦略策定から変革の実行まで一貫した支援を提供しています。詳しくはWebサイトをご覧ください
www.jp.kearney.com

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会社概要

A.T. カーニー株式会社

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URL
https://www.jp.kearney.com/
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー23階
電話番号
03-6890-5001
代表者名
針ヶ谷 武文
上場
未上場
資本金
-
設立
1926年09月