小手鞠るいさんが、母のことを初めてつづった泣き笑いエッセイ『お母ちゃんの鬼退治』

小手鞠るいさんが、中年になって視力を失ったお母さんのことをつづったエッセイを刊行します。お母さんをモデルにしたフィクションである絵本『うちのおかあちゃん』(こしだミカ 絵)も7月に刊行しました。

偕成社

株式会社偕成社(出版社 本社:東京都新宿区 代表取締役社長:今村正樹)は、『お母ちゃんの鬼退治』(小手鞠るい 著/川瀧喜正 絵)を刊行しました。


『お母ちゃんの鬼退治』偕成社HP書誌情報▼
https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784030034709
 
  • 小手鞠さんのお母さんは「目が悪い、耳が悪い、口が悪い」まさに日本のヘレン・ケラー

今までの著作の中では、「母親」を登場させることが少なく、ご自身のお母さんについても書いてこなかったという小手鞠さん。本作で、初めてお母さんのことをつづりました。そのきっかけは、刊行時の著者インタビューで語られています。

母のことを初めてつづった泣き笑いエッセイ『お母ちゃんの鬼退治』小手鞠るいさんインタビュー
https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/a/ath/ath220921/

もともと視力が悪かったお母さんは、年月とともに少しずつ視力を失い、ある日とうとう視界が真っ白になってしまいます。さらにその後、目の薬の副作用で、耳まで遠くなります。「目が悪い、耳が悪い、口が悪い。それはまさに日本のヘレン・ケラーだわ」と小手鞠さんが笑いながらいうと、「おまえ、年老いた、目の悪い母親に向かって、ようそんなことが言えるな。薄情な娘じゃ。ばちが当たるで」と負けじと言い返すお母さんは、「かわいそう」と相手に思わせないほど、口が悪く、頭の回転も早くて、小手鞠さんはいつも言い負かされるといいます。

ほかにも小手鞠さんとお母さんのやり合いがふんだんにつまったエッセイになりました。また、楽しく読めるのはもちろん、いろいろなことにチャレンジし続けているお母さんの生き方に、生きるヒントを見つけることができるでしょう(なんとお母さんは、視力を失いつつある中、三味線と民謡を習いはじめ、今ではたくさんの弟子を抱えるお師匠さんなのです!)。

また、絵本『うちのおかあちゃん』では、ある日全く目が見えなくなったときのようすとともに、意地も悪いが、ガッツがあって優しいお母さんのその豪胆っぷりが、ダイナミックなイラストで描かれています。合わせてぜひお読みください。
 

 


『うちのおかあちゃん』偕成社HP書誌情報▼
https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784033502304
 
  • 挿絵に使われているのは、お父さんが描かれた漫画!

表紙に散りばめられたイラストと、挿絵は、小手鞠さんのお父さんが描きました。お父さんは、漫画を描くのが趣味で、当時描きためていたスケッチブック6冊の中から、本の挿絵を選んだということです。

 

 


小手鞠さんが住むニューヨークに両親そろって遊びに来たときは、美術館を訪れたときのようすや、食べたものを細かに描いたりした、楽しい旅行記もしたためました。
 


はじめてのニューヨークに驚き、楽しんでいるようすが、ポカンと開けた口からもいきいきと伝わってきます。
 
  • 著者からのメッセージ&インタビュー公開中!

刊行時に、小手鞠さんからメッセージをいただきました。

日本に帰国し、久々に実家に戻ったとき、すでにほとんど視力を失っている母から、手紙のようなものをもらったことがあります。見えない目で書かれた文字は、ゆがんで、ばらばらになって、前後左右に揺れていました。小学生みたいなその文字を目にしたとき、私の胸の中にあたたかい感情が流れ込んできました。ああ、これが「愛」というものなのかと、60代になって初めて「母の愛」を知ったように思います。(中略)美人で、優しくて、がんばり屋さん。顔に似合わず、毒舌家。そんなお母ちゃんについて、あますところなく書いてみました。お母ちゃん、大好き!(口ではとても言えないから、ここに書いておくね)イラストを描いてくれたお父ちゃんにも感謝します。【2022年6月】

また、Kaiseiwebにて、刊行時のインタビューを公開中です。なぜお母さんのことを書こうと思ったのか、お父さんとお母さんが原稿を読んだ感想など、小手鞠さんにたっぷりと伺いました! 

母のことを初めてつづった泣き笑いエッセイ『お母ちゃんの鬼退治』小手鞠るいさんインタビュー
https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/a/ath/ath220921/

ユーモラスなエッセイとして楽しむのはもちろん、障害との接し方について考えるきっかけにもなる本作。ぜひ貴媒体でご紹介ください。
  • 書籍詳細

【著者紹介】
著:小手鞠るい
1956年岡山県生まれ。同志社大学卒業。小説家。詩とメルヘン賞、海燕新人文学賞、島清恋愛文学賞、ボローニャ国際児童図書賞などを受賞。2019年には『ある晴れた夏の朝』で、子どもの本研究会第3回作品賞、小学館児童出版文化賞を受賞。主な作品に『アップルソング』、『きみの声を聞かせて』、『放課後の文章教室』、『庭』、『森の歌が聞こえる』、『ぶどう畑で見る夢は〜こころみ学園の子どもたち』、『初恋まねき猫』、『午前3時に電話して』など多数。1992年に渡米、ニューヨーク州ウッドストック在住。

絵:川瀧喜正
小手鞠るいの父。
 

【書籍詳細】
『お母ちゃんの鬼退治』
著:小手鞠るい
絵:川瀧喜正
定価1,650円(税込)
対象:中学生から
判型:19cm×14cm 
ページ数:190ページ
ISBN コード:978-4-03-003470-9
発売日:2022年9月20日
◎偕成社HP書誌情報:https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784030034709

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会社概要

株式会社 偕成社

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URL
http://www.kaiseisha.co.jp
業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区市谷砂土原町3-5
電話番号
03-3260-3221
代表者名
今村 正樹
上場
未上場
資本金
6500万円
設立
1936年11月