鬼のまち福知山市のオリジナル絵本が完成!「鬼は外!」豆まき後の鬼たちを描く『節分で追い出された鬼はどこへ行く?』 物語の世界観をより一層楽しめる、読み聞かせ動画も本日から市公式YouTubeにて公開!
妖怪博士ちゃん・妖怪探究家として活躍する、中学3年生関本創さん“初”の絵本作品!“鬼のまち福知山”が地域と一緒に仕掛ける、まちおこしプロジェクト「ONIversal city project」第3弾
この度、福知山市になじみ深い「鬼」について市内外の子どもたちにも親しんでもらうべく、約半年をかけて制作したオリジナル絵本『節分で追い出された鬼はどこへ行く?』が完成しました。さらに、このストーリーを全国のより多くの方に楽しんでいただけるよう、市公式YouTubeにて読み聞かせ動画も公開します。
本作は“妖怪博士ちゃん”としてテレビ番組などにも出演し妖怪探究家として活躍するほか、これまで7冊もの妖怪本を執筆する中学3年生の関本創(せきもとあらた)さんがプロジェクトコンセプトに共感し、描き下ろしました。
絵本の舞台でもある福知山市には、元々鬼を親しむ文化が深く根付いています。節分では「鬼は内」の掛け声で豆まきを行う地域もあり、 “鬼のまち”福知山として、これまでも「節分で追われる鬼たちよ、集まれ!」と全国の鬼たちに向けて発信してきました。
このような福知山市の文化をもとに制作された本作は、『節分で追い出された鬼はどこへ行く?』というタイトルに決定。季節行事として親しまれる節分の豆まきを題材としつつ、「鬼は外」の掛け声とともに各家庭から追い出された鬼たちはその後どうしているのか? 福知山市の大江山に集まる鬼たちの、知られざる想いやユーモア溢れる掛け合いと、節分の豆まきがもつ意味を、関本さんがかわいいイラストとともに優しく描きます。
さらに、この物語をより多くの方に楽しんでいただくべく、市公式YouTubeにて読み聞かせ動画も公開します。読み手は、舞台役者の宇都恵利花(うとえりか)さん。舞台で茨木童子を演じたことがきっかけで鬼に関心を持ち、本市が2023年に実施した「日本の鬼の交流博物館 開館30周年記念 酒呑童子イラストコンテスト」では大賞を受賞。宇都さんが描いた鬼のイラストが開館30周年記念来館証のデザインに採用されるなど、福知山市や鬼とも深いかかわりのある方です。
本作品の絵本は市内の小学校や全国の図書館に寄贈し、読み聞かせ動画とあわせて、鬼がもつ新たな一面に触れ、親しんでいただくきっかけを創出します。
『節分で追い出された鬼たちはどこへ行く?』ストーリー
とある節分の日。一人の子鬼が家の人から豆をぶつけられ、家を飛び出してきました。子鬼は訳が分からず、ショックで泣いてしまいます。そこで出会った大きな青鬼に励まされ、節分の日に追い出された鬼たちが集まるという「大江山」に一緒に連れて行ってもらうことに。子鬼はそこでたくさんの心優しい鬼たちと交流しながら、節分がもつ意味などを学んでいきます。
■絵本概要
タイトル:節分で追い出された鬼はどこへ行く?
文・絵:関本 創(株式会社想いを創る)
監修:世界鬼学会 会長 八木 透(佛教大学 歴史学部 教授)
発行:京都府福知山市
仕様:B5判/24P
展開:[絵本]2024年2月初旬~ 福知山市立図書館・市内小学校で貸出、順次全国の図書館に寄贈
[パネル展]2024年1月30日(火)~2月18日(日) 福知山市立図書館中央館ティーンズコーナー
■作者 関本創さん
<プロフィール>
2008年生まれ、15才。妖怪博士ちゃん、妖怪探究家として活動。小学4年生で妖怪にハマったことをきっかけに、7冊の妖怪本を自費出版する。世界鬼学会会員。絵を描くことも好きで、2023年11月に個展を初開催。
HP https://omoi-wo-tsukuru.com/
<コメント>
ずっと挑戦してみたいと思っていた妖怪の絵本制作の機会をいただきました。鬼が主役の話で、誰もが知る「節分」をテーマにストーリー制作をしています。大人でも楽しめる内容になっています。毎年、節分に思い出していただけると嬉しいです。
<福知山市公式note 寄稿記事>
①妖怪博士ちゃん、テレビロケで鬼のまち福知山に行く。(2024年1月19日公開)
https://fukuchiyama-city.note.jp/n/ndfcf3cf07a77
②妖怪博士ちゃん、鬼のキモチで絵本を執筆。(2024年1月22日公開)
https://fukuchiyama-city.note.jp/n/nc6292ea28f95
■監修者 世界鬼学会 会長 八木 透さん(佛教大学 歴史学部 教授)
<プロフィール>
国内外の鬼好き約300名が所属する世界鬼学会の会長。佛教大学 歴史学部 教授。専門は民俗学。京都民俗学会 会長、京都府文化財保護審議委員など多数の要職を務める。
<コメント>
この絵本の中で貫かれているコンセプトは、人間と鬼との共生です。個性豊かな鬼たちが友だちと楽しんでいる姿を見て、私たちの考え方如何で人間は鬼と仲よくなれるということを確信できるのではないでしょうか。つまり私たちは、国籍や性別などに関わらず、すべての人たちと共生してゆくことが可能なのだというメッセージなのです。
読み聞かせ動画
福知山市公式YouTubeに公開される『鬼のまち福知山の絵本 節分で追い出された鬼はどこへ行く? 読み聞かせ動画』では、舞台役者の宇都恵利花さんが声を吹き込みました。ナレーションはもちろん、無邪気な子鬼から爽やかな青鬼、大江山に集う様々な鬼たちを見事に演じ分けています。宇都さんのナレーションとともに、物語の世界観を一層楽しめる動画です。
■福知山市公式TouTube
https://www.youtube.com/watch?v=fvMhuiWqLOM
■読み手 宇都恵利花さん
<プロフィール>
東京都を中心に舞台役者として活動。2019年に茨木童子役を演じたことで鬼に強い興味を持つ。趣味の絵を描くことで鬼を表現することも増え、2023年には自身の作品が日本の鬼の交流博物館の30周年記念来館証に採用された。2024年秋の公演で茨木童子役での舞台出演が決定している。
<コメント>
今回、大好きな鬼の魅力を伝える素敵なプロジェクトに関われたこと、本当に嬉しく思います。たくさんの鬼が出てくる絵本を私もワクワクした気持ちで読みました。そのワクワクを動画でもたくさんの方にお届けしたいという想いで録音に臨みました。鬼に興味を持つきっかけのひとつになってもらえたら嬉しいです。
ONIversal city projectとは
福知山市は、最強の鬼・酒吞童子など3つの鬼伝説を有する「鬼の聖地」大江山、成田亨さん制作の鬼モニュメント、世界一巨大な鬼瓦がある日本の鬼の交流博物館、また市のイメージキャラクター「酒吞童子」など、まさに鬼づくしのまちです。そのため、多くの地域で恐れられる“鬼”を親しむ、少し変わった文化が根付いています。その文化にひっかけ、「節分で追い出される鬼たちよ、集まれ!」をコンセプトに、2月2日を「鬼鬼の日」として発信しています。
本年度、“鬼”を親しむ文化がある福知山市では、「鬼もヒトもみんなでワクワク楽しみながら、福知山市を盛り上げていこう!」という想いを込めて、Universal(ユニバーサル すべての人の)を語源にする“ONIversal”(オニバーサル)という造語を作り、本プロジェクトを始動させました。鬼とヒトが共生できる“ONIversalデザイン”なまちを目指し、福知山市民や鬼に詳しい人々と共に様々なコンテンツを発信しています。
HP https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/site/promotion/oniversalcity.html
参考)鬼のまち、ふくちやま
■「鬼の聖地」大江山に伝わる最強の鬼・酒呑童子の伝説
福知山市にある大江山には、平安時代中期の武将「源頼光(みなもと よりみつ/らいこう)」が、「頼光四天王」と呼ばれる屈強な家臣らを従え丹波国⼤江⼭へ向かい、酒吞童子(しゅてんどうじ)率いる鬼の一味を討伐(鬼退治)するという伝説が伝わっています。大江山は2007年に「丹後天橋立大江山国定公園」に指定。毎秋、酒呑童子伝説と大江山をテーマとした「大江山酒呑童子祭り」が開催されています。※2023年 第42回は台風7号災害のため中止
■昭和から令和まで、市としての「鬼のまちづくり」の取り組み
昭和以降、大江山の鬼伝説がまちおこしに使われるようになりました。大江駅前では72体の鬼瓦がお出迎えし、大江山までの道中には13体の鬼像が佇むなど、様々な場所に自然と鬼が共存しています。
令和になった今も、福知山市は鬼伝説をモチーフにしたPR動画やポスター、鬼ラッピングのタクシーなど、様々な鬼コンテンツを企画し、「鬼のまちづくり」をすすめています。
コロナ禍では「鬼鬼の日」の市役所大江支所職員や地域で働く人々の鬼のコスプレ姿が一躍話題に。“鬼のまち”をポップに楽しくアピールしようと、すすんで鬼マスクや角を装着し、そのシュールな姿にメディアの注目を集めることとなりました。
■「鬼の聖地」大江山にある神社の節分祭
丹後天橋立大江山国立公園の中にある「元伊勢内宮皇大神社」の節分祭では、豆まきを行い、人に災いをもたらす三鬼(病鬼・陰鬼・貧鬼)を神前に追い込み、お祓いをして病鬼を元気に、陰鬼を陽気、貧鬼を富貴のお多福に変身させます。
■「鬼は内、福は外」?!まだまだある「鬼のまち」ならではの節分祭
大江山以外の地域にもユニークな鬼文化が残ります。福知山市三和地域の「大原神社」の節分祭のかけ声は「鬼は内、福は外」。巷にある悪いものを神社で清めたうえで(=鬼は内)、村に福をお返しする(=福は外)一風変わった節分祭。鬼がお多福に変わる演出は地元の有志により演じられ、今もなお地元のひとたちに愛されている恒例行事です。
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