AIで熟練技能の可視化・継承を支援する「exaBase スキルトランスファー」提供開始 製造プロセスにおいて属人化しているカン・コツの可視化を実現
〜データ・プロセスの構想設計から、データ収集および前処理、可視化までをワンストップで提供〜
AIを利活用したサービスによる社会課題解決に取り組む株式会社エクサウィザーズ(東京都港区、代表取締役社長:石山 洸、以下、エクサウィザーズ)は、同社が提供するマルチモーダルなロボットAIソリューション「exaBase ロボティクス」によって、製造プロセスにおける熟練作業の効率的な可視化・技能継承を実現する「exaBase スキルトランスファー」の提供を開始しました。
☑︎ exaBase スキルトランスファーとは〜製造プロセスにおいて属人性の高い工程の高位平準化を実現〜
エクサウィザーズは、年間約250件のプロジェクトにおいて500社超の顧客に提供してきた技術アセットをAI・DXプラットフォーム「exaBase」に蓄積しています。
同プラットフォームにおけるマルチモーダルなロボットソリューション「exaBase ロボティクス」ではこれまで、日本製鉄の重機操業における熟練作業の効率的な技能伝承を実現する基盤を構築するなど、熟練技能者におけるスキルやノウハウの型式知化やデータの可視化に取り組んできました。このたびこれらの知見を活かし、製造業における熟練作業の可視化および技能継承をAIで支援する「exaBase スキルトランスファー」の提供を開始しました。
本サービスは、最終的な熟練作業の可視化や自動化を見据え、必要となるデータやプロセスの構想設計からデータ収集および前処理、可視化までをワンストップで提供します。これにより評価の仕方や評価指標に対する属人性があった工程の平準化を可能にします。
☑︎背景〜産業基盤のDXによる「遠隔化・自動化」の推進が喫緊の課題に〜
少子高齢化に伴う人手不足や製造現場での技能継承の課題を背景として、産業基盤のDXによる「遠隔化・自動化」の推進が喫緊の課題となっています。
製造業ではこれまで、製造プロセスにおける品質保証を「エキスパート」や「熟練技能保有者」などとして認定することで維持していました。人手不足による採用難が顕在化している昨今、遠隔化推進による技能の付け替え、またはドラスティックな「自動化」によるオートメーションの必要性が増しています。
しかし、いずれの方策においても、現場への装置導入およびオペレーションの変更が伴うことが必至となるため、導入までに数年を要するケースも少なくありません。経営視点から見た論点として、費用対効果が明確になりづらいことで予算執行への判断が難しいという課題もありました。
このような背景からこのたびエクサウィザーズは、現状のオペレーションにどの程度時間を要しているか、またそれがどの程度属人的なものになっているかを可視化。オペレーション変革やマシンガイダンス作成、制御条件の最適化・自動化などによって経営課題の円滑な解決を支援する本サービスの提供を開始しました。
【サービス概要】
(1)構想策定
最終的な可視化・自動化を見据え必要となるデータ・プロセスの構想設計を実施します。
これまで一般的なデータ分析プロジェクトにおいて、仮説で取り付けたセンサーデータを集積し、分析を実施する際には以下のような課題が散見されました。
1. データにノイズが含まれる
2. 取得データに偏りがある
3. 他センサーデータと取得頻度が異なり、掛け合わせが難しい
4.データの前処理に時間やコストがかさみ、PoC(概念実証)止まりとなる
上記のような課題に対し、ロボットAI制御の知見から、最終的な分析を行う上で扱いやすいセンサーの選定支援と取得すべきデータ形式について定義します。
(2)データ収集及び前処理実施
分析を実施する上での前処理工程を円滑に実施します。
一般的にデータ解析プロジェクトにおいては、前処理工程が8割の工数を占めると言われています。本サービスでは、複数系統かつ時系列データを扱う上で、前処理工程をサポートします。具体的には、ロボットAI制御の知見によるノイズ除去アルゴリズムの選定、複数のデータ形式を含むマルチモーダルデータの統合評価、そして明示化されていない作業単位の切り出し等を用います。
(3)熟練技能に紐づくデータの可視化
前処理の結果を元に、多数のアルゴリズムを用いて目的変数に対し寄与度の高い変数を抽出することで、現場〜経営視点での打ち手の判断を支援します。
データ解析プロジェクトにおいて、ディープラーニングによる予測モデルを構築する際、現場視点とのズレが生じる場合があります。アルゴリズムがブラックボックス化されていると、その後の工程が進めづらくなります。
本サービスでは、目的と評価過程を協議の上で必要となるアルゴリズムを選定し、熟練技能に紐づくデータの可視化、特に寄与度の高い因子の特定を行います。その上で同因子について、自動化を行うか、管理幅を厳格化するなどの打ち手の検討を行います。
☑︎ 活用例
1、オペレーション変革
あいまいさが残っていた評価基準が精緻化されることによって、作業マニュアルのアップデートが可能に。
例:食品工場におけるクッキー等の焼成ラインにおいて焼き上がり評価を熟練者による目検で実施していたが、色味(RGB等)で評価可能となることで非熟練作業者でも担当できるようになる。
2、マシンガイダンス
建築・土木業界における重機(ショベルカー、クレーン等)の操作において、要求されるカンやコツの平準化を実現するガイダンス用のソフトウェアを敷設
例:ショベルカーのバケットの上げ下げタイミングを精緻化するガイドによって効率的な作業が可能に。
3、制御条件の自動最適化
製造ラインにおける機器制御条件の算出を、外的要因(温度、湿度)や材料状態(管理番号)を加味し、自動で最適化可能に。
※exaBaseはエクサウィザーズの登録商標です。
【株式会社エクサウィザーズ 会社概要】
会社名 :株式会社エクサウィザーズ
所在地 :東京都港区東新橋1丁目9−2 汐留住友ビル 21階
設立 :2016年2月
代表者 :代表取締役社長 石山 洸
事業内容:AIを利活用したサービス開発による産業革新と社会課題の解決
URL:https://exawizards.com/
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