台湾金属加工機械設備製造業の振り返りと２０２２年の展望＜ワイズ機械業界ジャーナル２０２２年２月第４週号発行＞

〜台湾機械業界の最新動向と分析〜

ワイズコンサルティング グループ（本社：中華民国台北市、代表取締役：吉本康志）は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の2022年２月第４週号を発行しました。今週号では、金属加工業界、エネルギー業界、塗布装置メーカーの亜泰金属、航空宇宙業界の動向について紹介します。

＜220224号記事＞

• 台湾金属加工機械設備製造業の振り返りと2022年の展望
• 台湾の省エネ・温室効果ガス削減推進の鍵 、再生可能エネルギーとスマートグリッド
• 塗布装置メーカー、亜泰金属(Asia Metal Industries)
• 海外大手の台湾投資によって増加する低軌道衛星の商機
  

＜台湾金属加工機械設備製造業の振り返りと2022年の展望＞
一、産業概況
2021年は世界各国で新型コロナウイルスのワクチン接種率が上昇したことから、多くの国が都市封鎖を解除した。また、各国政府が経済振興のために量的金融緩和（ＱＥ）政策を実施したため、世界経済が回復した。

このうち、米国と欧州連合（ＥＵ）の経済成長率は５％以上の水準を維持した。アジアでは日本で新型コロナウイルス感染症の流行が再拡大したことに加えて、東南アジア諸国連合（ASEAN）でも21年第２～第３四半期に感染状況が悪化したことから、経済成長は予測を下回ったが、中国では経済が好調に回復したため、アジア地区の経済成長率は6.1％となった。このため、世界的に製造業の投資意欲が高まり、金属加工機械設備（工作機械）製造業からの調達需要は増加した。

また、工作機械産業の主要市場である自動車産業は、21年の半導体供給不足を受けて自動車メーカーの生産能力が低下したものの、各国が都市封鎖を解除したことから市民の外出意欲が高まり、景気は回復した。なかでも、米国の自動車生産台数は685万7,200台で前年比9.90％増となり、欧州、中国および日本の自動車生産台数も成長した。自動車市場の販売好調と生産台数の増加を受けて、自動車および自動車部品メーカーは工作機械の調達規模を拡大したため、21年の工作機械製造業の景気は大幅成長した。

台湾工作機械製造業については、世界的に工作機械の調達需要が増加したことに加えて、米中貿易摩擦と新型コロナウ イルス感染症流行の影響で、台商(海外で事業展開する台湾系企業)のUターン投資が増加し、機械産業と金属工業は景気上昇を受けて工作機械の調達規模を拡大させた。

 このように、海外および台湾市場の需要が回復した一方、比較水準の昨年数値が低いことから、21年1〜11月の台湾工作機械産業の生産額は前年同期比 36.84%増の1,105億6,200万台湾元、販売額は同34.98%増の1,098億1,800万台湾元といずれも大幅成長した。

二、カテゴリー別の販売状況

三、今後の展望
台湾工作機械製造業は輸出産業であり、自動車および自動車部品産業と機械産業を主要市場とする。複数の研究機構が22年の主要国家の経済は成長傾向を維持すると予測した。とくに米国が多方向 から経済振興政策を実施して投資需要を刺激している一方、欧州でもサプライチェーンの再編を受けて工作機械の需要増加が続くとみられ、これらが台湾当産業の輸出成長に追い風となる見通しだ。現在、一部の台湾大手工作機械メーカーの受注見通しは22年第2四半期まで立っており、台湾工具機・零組件工業同業公会 (TMBA)は22年の台湾当産業の輸出額は前年比30%増以上の成長幅となると予測している。（後略）

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