利用者様のウェルビーイング向上と介護現場の働きやすさを目指し過去のニュースとヒット曲を音声コンテンツとして蘇らせるAIラジオ機器「RADIO TIME MACHINE」の介護施設への導入検証を開始

株式会社ニチイ学館

 医療・介護・保育サービスなどを全国で提供する株式会社ニチイ学館(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 社長執行役員:中川 創太、以下「当社」)は、介護人材不足の解消や現場負担の軽減につながるテクノロジー活用を検討する研究組織として、「GENBA SMILE Lab(ゲンバ スマイル ラボ)」を設立し、活動を進めています。その活動の一環として、このたび、過去の西暦にダイヤルを合わせると、その年のニュースとヒット曲を紹介するラジオ番組のような音声コンテンツが自動生成されて流れてくる新しいAIラジオ機器「RADIO TIME MACHINE(ラジオタイムマシーン)」を、認知症対応型生活介護(グループホーム)や通所介護(デイサービス)などで導入検証するプロジェクトを2026年3月5日(木)より開始します。

■プロジェクトの背景

 当社は「お客様・地域社会からダントツに愛され、尊敬されるニチイグループに成る」をビジョンに掲げ、単にサービスを提供する存在ではなく、「ニチイがあってよかった」と心から思っていただけるパートナーとなることを目指しています。そうした想いのもと、利用者様が自分らしい暮らしを送れるよう、利用者様のウェルビーイング向上につながる新しいサービスや取り組みを継続的に検討しています。

 「スタッフの負担を軽減し、現場の方が安心してテクノロジーを継続活用できる環境を整える」ことをコンセプトとする「GENBA SMILE Lab」は、こうしたさまざまな課題解決のための新たなサービスやパートナーを検討してまいりました。そこで、生成AIを活用することで過去のラジオ番組のような音声コンテンツを生成、音声出力できる新しいAIラジオ機器「RADIO TIME MACHINE」に着目し、本プロジェクトを開始することとなりました。

■「RADIO TIME MACHINE」とは

 「RADIO TIME MACHINE」は、株式会社TBWA HAKUHODO(本社:東京都港区、代表取締役社長兼CEO:内田 渉、以下「TBWA HAKUHODO」)が独自に開発した新しいAIラジオ機器です。

利用者様が若い頃に親しんでいた、1950年代から60年代のラジオ機器をモチーフとした筐体で、液晶画面にはラジオ機器のような目盛や指針が映し出されますが、そこに表示される数字は周波数ではなく西暦になっています。ダイヤルを回すと1950年から2025年まで1年刻みに指針を操作でき、聴きたい西暦に指針を合わせると、その西暦の操作している日と同じ日付のラジオ番組風の音声コンテンツが再生されます。

音声コンテンツでは、その西暦の今日のニュースをラジオパーソナリティが紹介し、さらにニュースの合間には当時のヒット曲が実際に流れ、当時の空気感を再現したラジオ番組のような体験を楽しめます。

音声コンテンツはシステムによって毎日自動的に更新され、その日ごとに新しいコンテンツを楽しむことができます。また、音声コンテンツの再生時間は、数分のループから数時間まで使用目的に合わせてAIで自在に情報量をコントロールできるよう設計されており、現時点では約20分間で音声コンテンツがループするように設定されています。

例えば使用者が3月5日に「RADIO TIME MACHINE」 を操作して1950年を選択した場合、以下のような音声コンテンツが再生されます。

<RADIO TIME MACHINE 音声コンテンツ例>

皆様、いかがお過ごしでしょうか。日ごとに寒さも和らぎ、春の足音が少しずつ近づいてくる今日この頃、このラジオタイムマシーンで穏やかなひとときをお過ごしいただければ幸いです。本日も、日本の活気ある出来事を皆様にお届けいたします。

まずは、鉄道のニュースからでございます。先日、国鉄の新しい電車が完成したのをご存知でしょうか。東海道線で活躍する新型車両、八十系電車、通称「湘南電車」がその姿を現しました。二つ扉のクロスシートでゆったりと座れ、前面は二枚窓という、実に洗練された造りとなっております。わたくしも、この新しい電車で、いつか海を眺めながら旅をしてみたいものだと思っております。車窓を流れる景色を肴に、駅弁を広げる日も近いかもしれませんね。それでは、この旅路に思いを馳せる時に聴きたい一曲です。高峰秀子で「銀座カンカン娘」です。

・RADIO TIME MACHINEデモムービー:https://youtu.be/6D2-Kl0Hw0E

RADIO TIME MACHINEの機能や操作感をご説明する映像です。

■プロジェクトの狙い

 複雑な操作が必要な機器と異なり、ダイヤルを回すだけで簡単に使用できる「RADIO TIME MACHINE」は使用する機会を多く創出できるほか、音声コンテンツならではの親しみやすさも兼ね備えており、利用者様にとって身近に感じられる機器であると考えています。当社はこの「RADIO TIME MACHINE」の介護現場における使用イメージとして、施設内のオープンスペースに設置し、利用者様が自由に使用することや、レクリエーションの時間に介護スタッフのサポートのもと使用することを想定しています。

 「RADIO TIME MACHINE」で過去のニュースやヒット曲に触れることで、利用者様は思い出が呼び起こされ、心理的な安定やさらなる安心感につながり、日々の生活により一層の彩りをもたらすことができると考えています。また、個人で楽しむことに加え、利用者様同士の会話や交流が生まれることで、ウェルビーイングの向上に寄与することを期待しています。さらに、「RADIO TIME MACHINE」が介護スタッフと利用者様との会話のきっかけとなり、相互理解を深めることで、より良い関係性の構築につながると考えています。こうした介護現場の環境整備を通じて、介護人材の定着や採用にもつなげてまいります。

■1月下旬から2月下旬に実施した事前実証の結果

 プロジェクトの開始に先立ち、1月下旬から2月下旬までの期間、当社の施設において複数の利用者様に「RADIO TIME MACHINE」を体験いただく事前実証を行いました。

 実証前に利用者様とお話しすると、ご自分の両親のお名前や若い頃に働いていた会社など、記憶を思い出せない様子がありました。一方、実証時に「RADIO TIME MACHINE」を使用し、利用者様に若い頃のニュースやヒット曲を聴いてもらいながら対話をし、もう一度同じ質問をしたところ、即答でご両親のお名前や働いていた会社を話してくださるなど、過去の記憶をハッと思い出す瞬間が数多く見受けられました。

また「RADIO TIME MACHINE」の使用時と非使用時における利用者様の様子を、表情解析・骨格推定を用いた活動量解析・発話速度の観点で比較したところ、3つの結果が得られました。

1. 表情解析を行ったところ、過去を振り返り当時の思い出に浸ることで、笑顔の値(口角の角度や頬の挙上を検出)が平均として8.7%上昇するという結果が得られました。中には、ラジオを聴くことで、23.8%値が上昇した利用者もいるなど、笑顔が増えました。

2. 骨格推定を用いた身体活動量解析を行ったところ、身振りや手振りが10%増加するという結果が得られました。相手に内容を説明しようとする動機が高まったことが要因と考えられます。

3. 発話速度の分析を行ったところ、1分あたりの発話量が10.8語増加するという結果が得られました。ラジオを聴くことでさまざまな記憶が呼び起こされ、それを相手に伝える意欲が高まったのではないかと推察しています。

■プロジェクトの様子を収めたドキュメンタリームービー

事前実証の様子など、実際に利用者様が「RADIO TIME MACHINE」を体験する様子を収めたドキュメンタリー映像です。映像では「RADIO TIME MACHINE」から流れてくる音声コンテンツを聞いて、利用者様の記憶が呼び起こされ、笑顔になる様子などをまとめています。

ロングバージョン(8分)   :https://youtu.be/Un3lkxv9Hxo

ショートバージョン(90秒):https://youtu.be/gA8YDgRkNsU

■今後の展望

 今春から当社施設において、開発元であるTBWA HAKUHODOが北里大学医療衛生学部の福田倫也教授らと「RADIO TIME MACHINE」によって利用者様にもたらされる作用について共同研究を行うことが決定しています。TBWA HAKUHODOと北里大学は、認知症の周辺症状である「行動・心理症状」の具体例として、落ち着かない、怒りっぽい、意欲が低い等の様子などが挙げられるため、「RADIO TIME MACHINE」が認知症の行動・心理症状を抑制し、認知症の症状がある高齢者がより穏やかに過ごせるようになる作用を、評価尺度を使用した数値化や、行動分析、表情分析などの手法を用いた共同研究で明らかにする予定です。また、認知症の症状がない利用者様に対しても同様の手法を用い、気持ちの安定さや前向きさなどの変化に関する検証も行われます。

 このような研究を通じて、「RADIO TIME MACHINE」が次世代の高齢者ケアにおける新たなツールとなり得る可能性が示されることを当社は期待しています。

 当社はこの研究結果を踏まえ、「RADIO TIME MACHINE」の本格的な導入を検討していく予定です。具体的には、廉価版の「RADIO TIME MACHINE」を製造し、複数の施設でさらなる導入検証を実施。当社には全国に数百カ所の施設があり、導入検証で利用者様や介護スタッフから高い評価が得られた場合には、各施設への本格導入を目指していきます。

「GENBA SMILE Lab」は、こうした最新テクノロジーを活用しながら、利用者様と介護スタッフの双方により豊かで新しい介護現場をつくっていきます。

■北里大学医療衛生学部 福田 倫也教授コメント

 世界に先駆けて超高齢社会(65歳以上人口が、全人口に対して21%を超える状態)を迎えた日本は、その後も高齢化率が上昇し、2025年は29.4%と言われています。また、高齢になるに伴って、認知症者も増加し、65歳以上の8人に1人、85歳以上の2〜3人に1人が認知症に罹患していると考えられ、要介護の主な原因の第1位は認知症と報告されています。加えて近年、認知症の前段階と言われる軽度認知障害(MCI)も注目されています。

そのような状況下で、対話等を通した高齢者への支援は喫緊の課題です。具体的には、高齢者の多くが利用している介護施設において、高齢者−介護職員間、高齢者同士の対話を促す日常的な仕組みが必要です。さらに、介護施設での人材不足を補う、技術による仕組みも求められます。

過去の情報に触れることにより記憶が呼び覚まされる「RADIO TIME MACHINE」に、高齢者の生活がより豊かになる可能性を感じています。また、介護施設のみならず、一人暮らしの高齢者の生活の質向上への効果も期待しています。

■GENBA SMILE Lab 所長 松本 裕美子コメント

 私たち「GENBA SMILE Lab」では、介護現場が抱える課題に向き合い、テクノロジーを活用したより良いケアにつながる新しい選択肢を探り続けています。例えば昨年は、利用者様の入浴介助時における介護スタッフの負担軽減を目的とし、最新のテクノロジーを活用したバイタルチェックや洗身装置の活用検証なども行ってきました。

今回の「RADIO TIME MACHINE 」に関しても、事前実証を行い、実際に、利用者様が楽しそうに歌ったり思い出を語られたりする様子や、介護スタッフに普段は伺うことができないエピソードを話してくださる様子を拝見し、新たなケアツールとしての可能性を感じました。現場での価値を丁寧に検証し、利用者様も介護スタッフも前向きになれる環境づくりを追求していきます。

【会社概要】

■    株式会社ニチイ学館

設立:1973年8月

所在地:東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ

代表者:代表取締役社長 社長執行役員 中川 創太

事業内容:医療関連事業、介護事業、保育事業、ヘルスケア事業

公式HP:https://www.nichiigakkan.co.jp/

■    株式会社 TBWA HAKUHODO

設立:2006年8月

所在地:東京都港区芝浦1-13-10 第3東運ビル

代表者:代表取締役社長兼CEO 内田 渉

事業内容:総合広告事業全般

公式HP:https://www.tbwahakuhodo.co.jp/

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会社概要

株式会社ニチイ学館

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URL
https://www.nichiigakkan.co.jp
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都千代田区神田駿河台4-6  御茶ノ水ソラシティ
電話番号
03-5834-5421
代表者名
中川 創太
上場
未上場
資本金
-
設立
1973年08月