日本化薬グループ 国内12拠点に電力融通 医薬・化学業界向け初となる「多拠点一括エネルギーネットワークサービス」稼働開始
2025年6月9日
日本化薬株式会社
JFE エンジニアリング株式会社
日本化薬株式会社(社長:涌元 厚宏、本社:東京都千代田区)とJFE エンジニアリング株式会社(社長:福田 一美、本社:東京都千代田区)は、「多拠点一括エネルギーネットワークサービス(JFE-METS)」[※1]の稼働を、2025年4月より開始しました。本サービスは、日本化薬の高崎工場に新たに設置する大型のガスコージェネレーションシステムで発電した電力と熱を高崎工場に供給するとともに、余剰電力を日本化薬の国内12 拠点に融通するものです。
本サービスの導入にあたり今回新設された大型のガスコージェネレーションシステムは、約17,000世帯相当 [※2]の発電能力を有し、日本化薬グループの12拠点へ電力融通することでCO2排出量の大幅な削減を実現します。また、ガスコージェネレーションシステムのBOS(ブラックアウトスタート)[※3]機能により、電力系統の停電時にも高崎工場の電力と熱の供給を継続することができ、レジリエンス強化にも貢献します。
日本化薬グループは、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、中期環境目標を策定しております。事業活動で排出する温室効果ガス排出量(Scope 1、2)を2030年度までに46%削減し(2019年度比)、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指しています。
本取り組みにより、供給対象となる拠点のCO2排出量を約45%(23年度比)[※4]、高崎工場のエネルギー使用量を約18%(21年度比)削減できる見込みです。医薬・化学業界における多拠点一括エネルギーネットワークサービス(JFE-METS)の導入は業界初となります。都市ガス等を利用して発電するガスコージェネレーションシステムは、発電と同時に発生する熱を有効利用することでエネルギーを無駄なく利用できます。高崎工場では、製品製造時に熱を多く使用するため、発電施設を工場内に持つことで発生する熱を無駄なく活用でき、より高いエネルギー効率の実現やカーボンニュートラルに向けたトランジションに大きく貢献することができます。
日本化薬グループは、今後もCO2 削減を進めると共に、脱炭素社会実現に貢献する製品の提供を行う事で、バリューチェーン全体での脱炭素化を目指してまいります。また、JFE エンジニアリングはエネルギー分野を中心に、お客様のカーボンニュートラルに貢献できるソリューションを提供してまいります。
【日本化薬グループの“多拠点一括エネルギーネットワークサービス(JFE-METS)”】

【多拠点一括エネルギーネットワークサービス(JFE METS) の特徴】
①JFE エンジニアリングが日本化薬の高崎工場内に新たに発電施設(ガスコージェネレーションシス テム)を建設・運営し、「電力」と「熱」を長期間(15年間)に渡り供給するサービスを提供
②同施設で発電した電力を、高崎工場内で使用する他、発電と同時に発生する副産物の熱を同工場の生産活動に有効利用
③高崎工場の余剰電力と、JFE エンジニアリンググループが管理運営する再エネ発電所等で発電する低CO2電力を、送配電ネットワークを活用して工場や研究所等の全国12拠点に供給
※1 サービス名称 「JFE METS ® 」:https://www.jfe eng.co.jp/products/power/ele04.html
2019年度省エネ大賞受賞(2020年1月30日公表)
https://www.jfeーeng.co.jp/news/2020/20200130.html
※2 一般家庭の世帯当たり年間電気消費量3,950kWh(令和4 年度環境省データ)にもとづき算出
環境省データ:https://www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/energy/detail/01/#gsc.tab=0
※3 ブラックアウト(系統停電)の状態から、外部電源を受電することなく、停電解消のための発電を行うこと
※4 高崎工場の電力・ガスおよび融通先工場の電力を対象とし、電力の排出係数は23年度の調整後排出係数とする
また、系統電源の低CO2メニューやクレジットによる削減を含む
【本プロジェクト責任者のコメント】
日本化薬株式会社 執行役員 テクノロジー統括RC ・技術統括部 部長 三浦 昭彦
「日本化薬グループでは、「生命と健康を守り、豊かな暮らしを支える」持続可能な社会の実現に向けた取り組みの一環として、本サービスを導入いたしました。本サービスの導入により、エネルギーの効率的な利用とCO2排出量の削減を両立し、環境負荷の低減と安定的な生産活動の両面で大きな効果が期待されます。当社は今後も、気候変動への対応を重要な経営課題の一つと位置づけ、2050年カーボンニュートラル実現に向けエネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの活用など、環境に配慮した事業運営を推進してまいります。引き続き、地域社会との調和を図りながら、企業としての責任を果たしてまいります。」
JFEエンジニアリング株式会社 エネルギーサービス事業推進部 部長 坂本 賢美
「カーボンニュートラルを推進しつつ産業活動を継続するためには再生可能エネルギーの活用だけでなく、限られたエネルギーを可能な限り有効に使う省エネ技術の導入が不可欠です。JFE METS は産業に必要なエネルギーを出来るだけ環境負荷をかけずに生み出し、再生可能エネルギーとの組み合わせでお客様のカーボンニュートラル戦略を実現するツールとして提供しています。この度、JFE METS を採用いただき、日本化薬グループ全体のCO2削減に貢献できることは大変光栄であり、さらなるご発展の助力となりますよう努めてまいります。」

ガスコージェネレーション施設概要
発電出力:7,800kW
蒸気発生量:3.1t/h (0.72 MPaG)
使用燃料:都市ガス(中圧供給)
運転開始:2025年4月1日

日本化薬 高崎工場
所在地:群馬県高崎市岩鼻町239
日本化薬 高崎工場では、高品質な抗がん薬を製造し、医療現場に安定供給しております。サステナブルな社会の実現を目指し、人々の健康と自然環境との調和・共生を目指して、今後も地域と共に事業活動を展開してまいります。
以上
<報道関係各位からのお問い合わせ先>
日本化薬株式会社 コーポレート・コミュニケーション部 03-6731-5237
JFEエンジニアリング株式会社 総務部広報室
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