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デロイト トーマツ グループ
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バーゼル3が最終決着、次の論点は何か

2018年のアジア太平洋地域における金融サービスに対する規制について、デロイトが主要10テーマを発表

デロイト トーマツ グループ

デロイトが発表した「2018年金融規制の展望」レポート(英語版:、以下 当レポート)では、バーゼル3の最終合意がされたことで、今後アジア太平洋地域の規制のアジェンダは確実に未来志向になるだろうと予想しています。当レポートでは、2018年の主要10テーマが明らかにされており、グローバル規制が各国ごとに相違していく可能性について、また、金融機関等に勤める個人の責任や金融業界の行動規範、顧客本位の姿勢に的を絞った金融業界の文化・行動の改善圧力についてなどが論じられています。イノベーション、データ管理、デジタル・ディスラプション、サイバーレジリエンスといったテーマも、アジア太平洋地域の金融規制当局の主要関心事となっています。将来的には、気候変動や高齢化社会といった問題にかかる機会やリスクについても規制当局の関心が高まるでしょう。

 

「グローバル全体では、金融危機後の10年におよぶルール作りにより『政策疲れ』が見られます。バーゼル3改革の最終的な水準調整についての合意が難航したこと、国際規制の導入が各国で遅れていることなどからも、この政策疲れが見てとれます」と、デロイト・レギュラトリストラテジーセンターのグローバルおよびアジア太平洋地域リーダーである、ケヴィン・ニクソンは述べます。しかし、「規制の導入には今後長期間を要し、金融機関はこれからより厳しい当局による監督を受けることになるでしょう。さらに、金融業界に内在するリスクは変化し続けるため、それに伴い規制当局の関心も変化し推移していくことでしょう。現に、金融機関の行動規範や、ディスラプションとイノベーションといった分野について当局の監督が厳しくなっていることにもこの傾向が見てとれます。」
 
当レポートはデロイト・アジア太平洋地域レギュラトリストラテジーセンターから発行され、2018年中にアジア太平洋地域の金融規制を形作る主要10テーマを取り上げています。10テーマはさらに、「グローバル規制の未来」、「文化と行動規範」、「データとデジタル・ディスラプション」、「構造的なリスクの顕在化」の4つの分野に分類されています。
                                                                                                                                      
グローバル規制の未来
1.規制の相違と不透明性に対応する
世界各国でグローバル志向の政策立案に背を向ける政治的なトレンドが続いており、金融規制についてもグローバルで合意したスタンダードが今後どのようになるか予断を許しません。不透明な要素は残るものの、グローバルで規制を統合していこうという動きは(完全に後ろ向きになるよりは)ペースが鈍くなり、(新しい規制を作るよりは)監督に焦点がおかれる可能性が高いでしょう。

 2.長期間にわたる規制の導入を管理する
グローバル規制改革の大枠が固まり、新たに国際的な規制を作るペースは落ちるものの、それでもアジア太平洋地域の金融機関には、今後長期間にわたって規制に対応していかなければいけないという課題が残されています。再生破綻処理計画、IFRS第9号、直近に強化が決まったバーゼル3の枠組みへの対応が特に大きな課題となります。
 
3.海外の規制の影響を理解する
グローバルスタンダードの構築や規制の標準化のペースが鈍くなったとしても、金融システムは国際的に統合されているため、経済規模の大きな市場で作られたルールは国境を越えて影響をおよぼします。例えば、アジア太平洋地域の金融機関の多くは、EUのルールである第2次金融市場指令(MiFID 2)にどのように対応すべきか苦慮しています。

文化と行動規範
4.金融機関等に勤める個人の責任を強化する
アジア太平洋地域においても個人の責任を強化する取り組みがなされていますが、今後は各金融機関のガバナンスの枠組みにも個人の責任が取り込まれる必要があります。特に経営陣の個人の説明責任および行動に対する責任を強化する動きはグローバルなトレンドでもあります。

5.金融業界の行動規範とプロ意識がますます注目される
アジア太平洋地域の規制当局は金融業界の文化の改革を優先事項としており、2018年も引き続き同じことが言えるでしょう。規制による文化の改革だけでなく、不名誉な事柄についての個人名等の公表や、「自発的な」業界規範の順守の推進、業界内でのプロ意識の向上の促進など、「ソフトロー」といった強制ではない社会規範の手法も使われることになるでしょう。


6.顧客本位の事業を確立する
規制当局の多くが、金融機関の文化と行動の向上には顧客本位の姿勢を徹底することが不可欠であると認識しています。顧客の置かれた状況に即し、各顧客に適切な商品やサービスを提供することに力点が置かれます。また、規制当局から金融機関に対して、顧客の金融リテラシーを高める努力を求める動きも出てきています。同時に規制当局は、マネーロンダリング防止とテロ資金対策、顧客のデューディリジェンスといった従前からの課題には引き続き気を配るでしょう。

データとデジタル・ディスラプション
7.データを知る
2018年には、データを知ることが顧客を知る(KYC)ことと同様に重要となります。規制当局は、金融業界のリスクデータ能力には引き続き満足していません。また、データをさらにオープンで透明性の高いものにすることを求めており、同時に、徹底したデータ保護とプライバシー保護のプログラムを導入するよう金融機関に迫っています。


8.テックフィンの影響に対応する
過去数年間、金融サービスにもたらされたイノベーションによる機会をとらえ、リスクを管理するということが規制上の優先事項であり、これは2018年も変わらないでしょう。今後の論点は「テックフィン」と呼ばれる金融サービスも提供するテクノロジーや電子商取引の大企業の影響に移りつつあります。金融規制当局は、テックフィンを金融規制の枠内に取り込むタイミングや、健全性や顧客リスクの管理、市場の悪用の防止といったことを考え始めることでしょう。

9.サイバーレジリエンスを確立する
規制当局は金融システムのサイバー危機について懸念しています。各金融機関におけるサイバーレジリエンスの取り組みは2018年も引き続き規制当局の関心事ですが、さらに、金融システム全体の強靭性についてもより高い関心が払われことになるでしょう。

構造的なリスクの顕在化
10.高齢化と気候変動の影響を評価する
規制当局の関心事は、高齢化社会と気候変動という迫りくる2つの問題にも向けられるようになりつつあります。以前これらは金融規制当局が取り組むべき問題であるとみなされていませんでしたが、金融機関にとってのリスクと機会が明らかになるにつれ、2018年以降、次第に監督指針や作業計画にこの2つの問題が盛り込まれるようになることでしょう。
 
当プレスリリースは、デロイトによる2018 年1月11日付の香港発プレスリリースの和訳です
詳細な分析およびレポートについては、こちらでご覧いただけます。
https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/jp/Documents/about-deloitte/news-releases/jp-nr-nr20180119-2.pdf
 

 

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URL
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サービス業
本社所在地
東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビルディング
電話番号
03-6860-3300
代表者名
永田高士
上場
-
資本金
-
設立
1993年04月
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