【大阪市立東洋陶磁美術館】奇跡の発見!所在不明だった重要文化財を特別公開

大阪市立東洋陶磁美術館では2025年11月2日(日)~11月24日(月・振替休日)まで、このたび新たに寄贈を受けた重要文化財《飛青磁花生》ほか1件を特別公開します。

大阪市博物館機構

重要文化財 飛青磁花生 元・14世紀/龍泉窯 大阪市立東洋陶磁美術館(匿名氏寄贈) 写真:六田知弘
青磁不遊環花生 元・14世紀/龍泉窯 大阪市立東洋陶磁美術館(匿名氏寄贈) 写真:六田知弘

 

 大阪市立東洋陶磁美術館は、長らく所在不明であった重要文化財(旧国宝)《飛青磁花生》(中国・元代14世紀)の寄贈を受けました。本作は1935年に「国宝」に指定され、1950年に「重要文化財」となったものの近年は行方が分からず、文化庁の「所在不明になっている国指定文化財(美術工芸品)」に掲載されていた作品です。

 このたびの寄贈により、当館所蔵の国宝《飛青磁花生》と並んで初めて公開される歴史的な展示が実現します。公開は、現在開催中の特別展「CELADON―東アジアの青磁のきらめき」会場にて、11月2日(日)から24日(月・振替休日)までの限定公開です。さらに同時に寄贈された《青磁不遊環花生》(元・14世紀)も特別公開いたします。

特別公開の詳細はこちら▼

https://www.moco.or.jp/exhibition/current/?e=641

特別出品作品

[特別出品1]重要文化財 飛青磁花生(とびせいじはないけ)

重要文化財 飛青磁花生(とびせいじはないけ) 元・14世紀/龍泉窯 高25.7cm、径13.8cm、重さ930g 大阪市立東洋陶磁美術館(匿名氏寄贈) 写真:六田知弘

[解説]

日本には、当館の国宝《飛青磁花生》に加え、旧国宝にして現・重要文化財の《飛青磁花生》がもう一点伝わっている。長らく所在不明であったが、このたび当館に寄贈され、本邦初となる国宝と重要文化財の《飛青磁花生》が並ぶ歴史的な夢の共演が実現した。本作は双軒庵・松本松蔵(1870‐1936)旧蔵品である。国宝《飛青磁花生》と比較すると、高さは1.7センチメートル低く、頸部や胴部もわずかに引き締まった造形を示す。また鉄斑装飾は、国宝が計23箇所であるのに対して、重要文化財は計11箇所と約半数にとどまり、斑点はやや大きい。底部のつくりもほとんど同一であり、両者は元代龍泉窯において同時期に制作されたものと考えられる。

[特別出品2]青磁不遊環花生(せいじふゆうかんはないけ)

青磁不遊環花生(せいじふゆうかんはないけ) 元・14世紀/龍泉窯 高29.2cm、幅15.5cm、重さ1,775g 大阪市立東洋陶磁美術館(匿名氏寄贈) 写真:六田知弘

[解説]

コの字形の両耳に大きな環(リング)が付くが、釉薬で胴部に固着して動かないため「不遊環」と呼ばれる花生。青銅器に倣った形と文様に、失透性の青緑の釉色が加わり、静謐(せいひつ)な趣を添える。底部のつくりは国宝や重要文化財の《飛青磁花生》と類似する。内田家、田村家旧蔵。

展示情報

[特別展示期間]2025(令和7)年11月2日(日)〜24日(月・振替休日)

[開催場所]大阪市立東洋陶磁美術館

      〒530-0005 大阪市北区中之島1-1-26(大阪市中央公会堂東側)

      電話 : 06-6223-0055 FAX : 06-6223-0057

[展示会場]特別展「CELADON―東アジアの青磁のきらめき」 展示1(特別出品1)・展示11(特別出品2)

[休館日]月曜日、11月4日(火) ※但し、11月3日(月・祝)は開館

[開館時間]午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)

[入館料]一般2,000(1,800)円、高校生・大学生800(700)円

※( )内は20名以上の団体料金

※中学生以下、障がい者手帳などをお持ちの方(介護者1名を含む)、大阪市内在住の65歳以上の方(要証明)は無料

※上記の料金で館内の展示すべてをご覧いただけます。

[主催]大阪市立東洋陶磁美術館

[共催]産経新聞社

特別展「CELADON―東アジアの青磁のきらめき」の詳細情報はこちら▼

https://www.moco.or.jp/exhibition/current/?e=621

関連プログラム

[記念講演会Ⅱ]

「再発見の重要文化財《飛青磁花生》―飛青磁の歴史とその魅力」

講師:小林仁(当館 学芸課長代理)

[日時]

① 2025年11月16日(日)14:00~15:30(開場:13:30~)

② 2025年11月23日(日・祝)14:00~15:30(開場:13:30~)

※①②の内容は同じです。

[会場]大阪市立東洋陶磁美術館 地下講堂

[参加費]500円

[定員]45名(オンラインチケット購入で先着順)

[主催]大阪市立東洋陶磁美術館

【申込方法】

当館ホームページでご案内しているオンラインチケットサイトから講演会チケットをご購入ください。

※チケットの販売は11/1(土)10:00~になります。

※なお、聴講には別途当日の特別展入館チケットが必要となります。

参考資料

【寄贈の経緯】

・2025年8月、所蔵者から寄贈の申し出

・写真資料により学芸員が所在不明の重要文化財であることを確認、文化庁に報告

・9月、作品を受け入れ

 文化庁調査官による現物確認を経て正式に所在不明重要文化財であることを確定

・10月22日受贈

【重要文化財《飛青磁花生》の来歴】

・大阪の実業家である双軒庵・松本松蔵氏(1870–1936)旧蔵品

・1933年、大阪美術倶楽部「第1回双軒庵展観(売立)」に出品

・その後、古美術商・池戸宗三郎氏を経て大阪の山﨑一保氏(1882–1944)が所蔵

・京都の個人へ伝わったのち、長らく所在不明に

・寄贈作品には1935年の国宝指定書(山﨑一保氏宛)が付属

【重要文化財《飛青磁花生》の文化財指定】

・1933(昭和8)年7月25日 重要美術品「飛青磁花生」

(「重要美術品等ノ保存ニ関スル法律」(昭和8年4月1日交付・施行(法律第四十三号))

・1935(昭和10)年4月30日 国宝「飛青磁花瓶」

(「国宝保存法」1929(昭和4)年3月28日制定)

・1950(昭和25)年 重要文化財「飛青磁花瓶」

(「文化財保護法」1950(昭和25)年5月30日制定、8月29日施行)

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会社概要

URL
https://ocm.osaka/
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
大阪府大阪市中央区大手前4丁目1番32号 大阪歴史博物館内4階
電話番号
06-6940-4330
代表者名
真鍋精志
上場
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資本金
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設立
2019年04月