非行だけじゃない。境界知能を「理解と支援不足な社会」という視点でとらえ直す
合同出版株式会社では、2024年4月4日にAmazonや楽天ブックス、全国の書店等で『境界知能 教室からも福祉からも見落とされる知的ボーダーの人たち』を刊行いたします。(本体1,700円+税)
境界知能とは、IQ70〜84 に相当する人たちを指しており、人口の約 14%ーー日本の人口で当てはめると1700万人に相当します。
発達障害の人は約10%以下と推定されていますが、それよりも多い境界知能については、参考となる図書や情報がほとんどなく看過されてきました。
IQ50 〜70 の知的障害に比較すると、境界知能の人たちは、家庭でも、学校でも、そして地域・社会でも、困難をかかえています。小・中学校の授業では何とか対応できたとしても、年齢があがるにつれて、人間関係がズムーズにいかない、いじめられる、不当に扱われる、他人から負担を押し付けられるなどの「嫌な体験」を繰り返す生活をしています。周囲から理解されず、自信をなくし自己肯定感も育まれません。
「○○のできる子どもになろう」という日本の教育のスローガンのもとでは、境界知能の子どもたちは支援教育の対象にもならず、「がんばりましょう」といった漠然とした対応で放置されてきたと言っても過言でありません。
これまでの臨床の反省の意味もこめて、境界知能の人や、ご家族、関係者の方に、臨床家としての私自身の経験と知識を整理してお伝えするために本書を書き下ろしました。
目次
書誌情報
『境界知能 教室からも福祉からも見落とされる知的ボーダーの人たち』
https://www.godo-shuppan.co.jp/book/b642879.html
古荘 純一 【著】
□定価=本体1,700円+税
□A5/160ページ
□ISBNコード:978-4-7726-1558-7
著者情報
古荘純一(ふるしょう・じゅんいち)
青山学院大学教育人間科学部教育学科教授。昭和大学医学部卒業、昭和大学医学 部大学院医学研究科修了。医学博士。資格は、小児科専門医、小児神経専門医、日 本てんかん学会専門医、日本児童青年精神医学会認定医など。2024 年 3 月現在の主 な役職は、日本小児科学会用語委員長、日本発達障害連盟理事、日本小児精神神経学 会常務理事、日本子ども健康科学会理事。発達障害、子どもの不安症・うつ病・トラウ マ、重症心身障害児(者)などを主な臨床研究領域 としている。主な著書に『日本 の子どもの自尊感情はなぜ低いのか 児童精神科医の現場報告』(光文社新書、2009)、 『子どもの QOL 尺度その理解と活用 心身の健康を評価する日本語版 KINDLR(編著、 診断と治療社、2014)
『発達障害とはなにか 誤解をとく』(朝日選書、2016)、『ことばの遅れが気になるな ら 接し方で子どもは変わる』(講談社、2021)『DCD 発達性協調運動障害 不器用 すぎる子どもを支えるヒント』( 講談社、2023)、『なわとび跳べないぶきっちょくん : た だの運動オンチだと思ったら、DCD( 発達性協調運動障害 ) でした』(監修、合同出版、 2023)などがある。
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