【速報】2025年中国自動車業界、販売3,440万台で過去最高 ~新エネルギー車の販売拡大が好調、今後の課題とは~

リスクモンスター

 法人会員向けに与信管理クラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤本太一、以下リスモン)は、「中国自動車業界速報2025年」を発表いたしました。

調査の背景                                                 

 2025年における中国の自動車販売台数(輸出を含む)は、過去最高の3,440万台に達し、17年連続で世界一となりました。中でも、新エネルギー車(NEV:New Energy Vehicle)の販売台数が大きく伸長し、全体の47.9%となる1,649万台がNEVで占められ、中国自動車業界の主流となったことが示されています。

 今回のレポートでは、こうした市場拡大を支える要因を整理するとともに、貿易摩擦の強まりや価格競争の激化、資金繰りの逼迫など、今後の成長を左右し得る課題を概観します。

調査結果サマリー

<好調要因>

●中国の自動車販売(輸出含む)は3,440万台(前年比+9.4%)で過去最高

●NEV販売は1,649万台(前年比+28.2%)、販売構成比47.9%

●世界のEV(※)販売台数ランキングでは中国企業3社が上位にランクインし、NEV輸出の存在感が拡大

  ※バッテリーEV(BEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)を合算、CleanTechnica集計

 

<課題>

●貿易摩擦と価格競争が重なり、再編・淘汰の動きが継続

●技術開発・安全対策の充実と量産体制の整備

 

▼本調査の詳細は、「リスモン調べ」掲載サイトよりご覧いただけます。

 https://www.riskmonster.co.jp/study/research/

調査結果

中国自動車業界の好調要因

(1)新エネルギー車(NEV)が自動車輸出をけん引

 2025年における中国の自動車輸出は、709.8万台(前年比+21.1%)となり初の700万台を突破しました。そのうち、ガソリン車では前年比-2.0%となり停滞気味であるのに対して、NEV輸出台数は前年比で約2倍となり、輸出全体の3分の1を占めるまでに拡大しました。中国の自動車輸出は、従来のガソリン車中心からNEV中心へと移行しつつあります。(図1)

図1

 また、日中の自動車輸出台数を比較すると、2023年に中国が日本を上回って以降、その差を広げている要因としては、NEV分野における技術革新と中国ブランドの競争力向上が影響していると考えられます。(図2)

図2

(2)中国国内販売数では50%以上がNEV

 2025年の中国国内向け自動車販売台数2,730万2,000台(前年比+6.7%)のうち、NEVは、1,387万5,000台(同+19.8%、シェア50.8%)を占め、主流に躍り出ました。政府の購入支援策に加え、車種の多様化や充電インフラの整備などがNEVの販売拡大を後押ししたとみられます。

(3)世界でも中国NEVメーカーが存在感を示す

 2025年の世界でのEV(BEV+PHEV、CleanTechnica集計)販売台数ランキングでは、中国のBYDが1位を維持しているほか、Geely(吉利)、Wuling(五菱)などが上位に入りました。ランキング上位20社中に中国メーカー10社がランクインしており、中国勢が電動車市場で存在感を高めていることを示唆しています。(図3)

図3

中国自動車市場での各国メーカーの状況

(4)各国メーカーのシェア縮小

 2025年における中国国内で生産された乗用車の販売台数3,010万3,000台に対して、中国系メーカーの市場シェアは69.5%となり、中国国内の販売シェアを伸ばしています。他方、外資系メーカーの市場シェアは、ドイツ系が前年比2.5ポイント減、日系が1.5ポイント減、米国系が0.5ポイント減、韓国系が0.1ポイント減といずれもシェアが縮小しています。(図4)

図4

 日系メーカー3社の中国新車販売数をみると、2024年にトヨタ自動車(以下、トヨタ)、日産自動車(以下、日産)、本田技研工業(以下、ホンダ)の3社においてすべて前年比減少となっていましたが、2025年では、トヨタが前年比0.2%増(178万400台)となり、微増ながら2021年以来4年ぶりのプラスに転じました。他方、日産とホンダは、それぞれ同6.3%減(65万3,024台)、同24.3%減(64万5,345台)となり、依然として厳しい状況が読み取れます(図5)。

 NEVシフトや価格競争などの厳しい市場環境の中で、トヨタは新型NEVの投入が販売を下支えしました。中国市場の主戦場となるNEVへの対応力や価格競争力の差が、各社の明暗を分ける結果となったと考えられます。

図5

 

中国自動車業界の今後の課題

(5)貿易紛争の激化から、成長率鈍化の見通し

 2025年の中国自動車業界は、貿易保護主義政策やグローバルなサプライチェーン再編など、外部環境の変化に直面しました。

 メキシコ、ロシア、EU、ブラジルなどの主要輸出先で関税引き上げが相次ぎ、現地での競争力が大きく低下しているほか、米国などの一部市場では、NEVに対して高関税が課され、中国の自動車輸出業界は大きな制約を受けています。さらに、部品や原材料の現地調達を求める動きも広がり、輸出拡大の障害となっています。

 こうした中でも、BYDやGeelyでは、ブラジルをはじめとする海外市場での工場建設を本格化させ、中国メーカーは従来の「完成車輸出」から「現地生産」への転換を図る形で、グローバル戦略を見直しつつあります。これを背景に、中国自動車工業協会(CAAM)は、2026年の自動車輸出台数を前年比+4.3%の740万台と予測しており、2025年の+21.1%から成長率が大きく鈍化する見通しとなっています。

(6)倒産の増加と資金繰りの逼迫

 中国自動車業界は、急成長を遂げている一方で、過剰な生産と国内需要の伸び悩みによる価格競争の激化など、深刻な構造的課題にも直面しており、利益率の低下や在庫の増加、資金繰りの悪化などにより競争力を失った企業の倒産が続いています。(図6)

 かかる中、キャッシュフロー確保を図る大手自動車メーカーによって、下請け企業への支払いを長期化・遅延させる事案が増加したことを受け、政府は対策として、大企業から中小企業への支払いを納品から60日以内とすることなどを定めた「中小企業代金支払保障条例」を2025年6月1日に施行しました。現場では「60日以内の支払いは難しい」との声が多く、実行性に課題を残しています。

図6

(7)技術革新加速の必要性

 中国自動車業界は、「電動化・知能化・ネットワーク化・共有化」を軸に技術革新を加速させたことで、L2レベルの運転支援機能を搭載した乗用車の普及率は64%に達し、L3レベルの自動運転も商業化を実現しました。

 一方で、技術革新が競争力に直結する局面では、開発投資の継続に加え、ソフト面・ハード面の安全対策や品質、データ規制対応まで含めた量産・運用体制を整えられるかが、各社の生存と収益性を左右するとみられます。

まとめ

 2025年の中国自動車業界は、NEVを武器に市場規模のさらなる拡大を実現しました。NEVが業界の主力へ躍り出たことで、中国ブランドの存在感が一段と高まり、勢力図に大きな変化が表れています。

一方で、世界的な貿易摩擦や価格競争の激化、資金繰りの逼迫など、構造的な課題も顕在化しており、自動車業界の持続的な成長には一層の戦略的対応が求められます。

 リスモンでは、今後も中国自動車市場をはじめとする海外主要業界の動向を継続的に分析し、企業の与信管理や海外取引判断に役立つ情報を提供してまいります。

リスモン調べとは

 リスモンが独自に調査するレポートのことです。これまでリスモンでは企業活動関連の調査として他にも「100年後も生き残ると思う日本企業調査」「環境への配慮が感じられる企業調査」や「この企業に勤める人と結婚したいアンケート調査」などを発表しており、今後も「企業活動」に関するさまざまな切り口の調査を実施することで、企業格付の更新に役立てていくとともに、情報発信を行うことで新しい調査ターゲットの創出、新サービスの開発などに取り組んでいます。

 

掲載サイトはこちら : https://www.riskmonster.co.jp/study/research/

リスクモンスター株式会社

リスクモンスター株式会社

2000年9月設立。同年12月よりインターネットを活用した与信管理業務のアウトソーシングサービス、ASPクラウドサービス事業を開始しました。以来、法人会員向けビジネスを要として、教育関連事業(定額制の社員研修サービス「サイバックスUniv.」)やビジネスポータルサイト事業(グループウェアサービス等)、BPOサービス事業、海外事業(利墨(上海)商務信息咨詢有限公司)にサービス分野を拡大し、包括的な戦略で事業を展開しています。
リスモングループ会員数は、2025年12月末時点で14,799(内、与信管理サービス等8,158、ビジネスポータルサイト等3,027、教育事業等3,084、その他530)となっております。

【会社概要】
社名:リスクモンスター株式会社
本社所在地:東京都中央区日本橋2-16-5 RMGビル
代表取締役社長:藤本 太一
設立:2000年9月
上場区分:東証スタンダード市場(証券コード:3768)
HP:https://www.riskmonster.co.jp/

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会社概要

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業種
情報通信
本社所在地
東京都中央区日本橋2-16-5 RMGビル
電話番号
03-6214-0350
代表者名
藤本 太一
上場
東証スタンダード
資本金
11億8816万円
設立
2000年09月