台湾医療器材産業の振り返りと2022年の展望<ワイズ機械業界ジャーナル2022年3月第5週号発行>

〜台湾機械業界の最新動向を分析する〜

ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の2022年3月第5週号を発行しました。今週号では、医療器材業界、機器設備業界、減速機メーカーの台湾精鋭科技(アペックス・ダイナミックス)、工作機械業界の動向について紹介します。

<最新号目次>
  • 台湾医療器材産業の振り返りと2022年の展望
  • 成長する機械設備需要、工作機械メーカーは付加価値向上で商機開拓
  • 遊星歯車減速機の設計・生産の技術力を持つ、台湾精鋭科技(アペックス・ダイナミックス)
  • EV販売増加がもたらした精密ギア生産用・研磨用工作機械の好調
<台湾医療器材産業の振り返りと2022年の展望>
一、ロシアのウクライナ侵攻による影響
 台湾医療器材の生産は主に国内で原材料を調達している。また、ヨーロッパ各国への販売は、主にドイツの代理店と提携し、直接ロシアとウクライナとの取引がないため、直接的な影響は軽微である。なお、台湾医療及びバイオテック器材工業同業公会(TMBIA)の見解によると、台湾医療器材産業の2022年3月売上高水準は、前月より成長すると予測する。

二、2021年の振り返り
 台湾医療器材産業のうち、診断・測定医療器材産業は新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着きつつあることから、各国の血圧計や体温計など防疫用医療器材に対する需要が減少したため、2021年通年の生産額は前年比10.1%減の152億4,200万台湾元と予測される。
 手術・治療医療器材産業は、歯科、眼科用医療器材および治療用呼吸器などが主な輸出製品だ。新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着きつつあることから、非緊急医療行為が増加したため、21年通年の輸出額は安定して成長した。21年通年の生産額は前年比8.6%増の270億7,600万台湾元となる見通しだ。
 補助・補填用医療器材産業は、台湾医療器材産業の生産額のうち、最も高い比率を占める。とくに主要製品のコンタクトレンズは、新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着いたことに加えて、各国経済の回復を受けて海外市場の受注が増加したことから、21年通年の輸出額は過去最高を更新した。また、福祉機器の輸出額が21年半ばからコロナ以前の水準に戻ったため、21年通年の補助・補填用医療器材産業の生産額は前年比21.9%増の332億3,600万台湾元となる見込みだ。

 体外診断用医療器材産業は、血糖値測定・検査用製品が主な輸出項目だが、21年は新型コロナウイルス感染症の流行と海運の需供ひっ迫の影響で輸出額は低迷した。幸い、新型コロナウイルス感染症用迅速検査キットの需要成長が生産額をけん引し、21年通年の生産額は前年比12.6%増の277億2,000万台湾元と予測される。
 その他医療器材は、大部分が定期的に病院が調達する消耗品である。新型コロナウイルス感染症流行の影響で、マスクや医療用ガウンなどの医療器材の需要が大幅増加したことから、20年の生産額は大幅成長した。しかし、各国が徐々に自国で防疫物資の生産ラインを整えたため、21年に入るとその他医療器材の輸出額は減少し、21年通年の生産額は前年比8.3%減の304億6,200万台湾元にとどまった。

三、2022年の展望
 診断・測定医療器材産業は、新型コロナウイルス感染症の流行拡大が落ち着いたことから、▽体温計、▽血圧計、▽血液酸素濃度測定器など防疫用品の販売額の成長幅が緩やかになり、販売額はコロナ以前の水準に戻りつつある。しかし、新型コロナウイルス変異株の感染が拡大しており、仮に各国で流行が再拡大した場合、急発的な市場需要が生まれる可能性がある。
 手術・治療医療器材産業は、台湾医療器材産業の成長を支える分野の一つだ。とくに、手術用医療器材とその関連器材は、台湾医療器材産業の主要輸出品目である。21年に入ってから、新型コロナウイルス感染症拡大が落ち着き、病院が非緊急手術を再開したことから、手術用医療器材の需要はコロナ以前の水準に戻りつつある。このため、22年の手術・治療医療器材産業の生産額は成長傾向が続く見通しだ。(後略)
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業種
サービス業
本社所在地
中華民国台北市襄陽路9號8F 富邦銀行襄陽分行大樓
電話番号
-
代表者名
吉本康志
上場
未上場
資本金
7000万円
設立
1996年11月