[確報-2016年第1四半期]世界の不動産投資額、前年同期比14%減の1,330億ドル 2016年世界の投資額 見通しは2015年レベルの6,500-7,000億ドル
なお、当レポートは4月25日に速報をリリースしています。(速報発表値:2016年第1四半期の投資額は、前年同期比17%減の1,280億ドル、2016年世界の投資額予測は約7,000億ドル)
ハイライトは以下のとおりです。
- 2016年第1四半期の世界の商業用不動産投資額は、前年同期比14%減の1,330億ドルとなった。第1四半期始めの6週間は投資活動が低迷していたものの、3月に入ってからは活動も回復し、前年同期比14%に留まった(図表1)
- 2016年第1四半期のアメリカ大陸の投資額は、前年同期比16%減の610億ドル、EMEAの投資額は、前年同期比15%減の480億ドル、アジア太平洋地域の投資額は、前年同期比5%減の240億ドルとなった。世界的な市場に対する不透明感を反映し、3地域で投資額が減少した。日本の投資額は、96億ドル(前年同期比26%減)を維持し、アジア太平洋地域における投資額の約半分を占めている。
- 2016年第1四半期の都市別投資額は、2015年通年で1位だったニューヨーク(99億ドル)が引き続きトップを維持したものの、2位だったロンドンは3位(58億ドル)、3位だった東京は5位(32億ドル)となった。今期は、香港が6位(29億ドル)※2、ソウルが7位(22億ドル)にランクインしており、引き続き、中国市場の不安定さがあるものの、アジアに対する投資家の関心は依然として高いと見られる。(図表2)
- 多くの市場が回復し、投資額が反転してから7年目を迎え、投資市場の低迷を予測する声も聞かれるが、JLLは引き続き賃料は上昇し、投資活動も2015年と同レベルを維持すると予測。2016年通年の世界の商業用不動産投資額は6,500-7,000億ドルとしている。(図表3)
JLLグローバル キャピタル マーケット リサーチダイレクター デヴィッド・グリーン・モーガンは次のように述べています。
「2016年第1四半期は、世界でマクロ的な動きが見られ、その1つが日本でのマイナス金利導入でした。同施策は、短期的に日本経済を刺激する目的でしたがが、世界経済の見通しという観点で、投資家の姿勢は慎重になりました。これらの動きは、日本並びに世界の不動産市場に少なからず影響を与えているものの、今期後半では投資活動も活発化し、投資家の信頼も回復しています」
図表1:商業用不動産への直接投資額 2015Q1 – 2016Q1
図表2:2016年第1四半期 投資活動が最も活発な世界10都市
図表3:2003年-2016年 地域別取引額 実績値と予想値
【補足】
※1 通貨単位は、別途記載がない限りすべて米ドルとします。
※2 レポート内の都市別投資額ランキングでは6位となっていますが、正しくは5位です。
この投資分析レポートは、世界の不動産投資マネーの動きを解説するレポートで、四半期ごとに刊行しています。その他世界並びに日本の最新不動産データは、当社ホームページをご覧ください。www.joneslanglasalle.co.jp (レポートは英語のみ)
JLLについて
JLL(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、包括的な不動産サービスをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。世界80ヵ国、従業員約60,000名、230超拠点で展開し、年間の手数料収入は約52億米ドル、総売上高は60億米ドルに上ります。2015度は、プロパティマネジメント及び企業向けファシリティマネジメントにおいて、約3億7,200万㎡(約1億1,253万坪)の不動産ポートフォリオを管理し、1,380億米ドルの取引を完了しました。JLLグループで不動産投資・運用を担当するラサール インベストメント マネジメントは、総額564億米ドルの資産を運用しています。JLLは、ジョーンズ ラング ラサール インコーポレイテッドの企業呼称及び登録商標です。
JLLのアジア太平洋地域での活動は50年以上にわたり、現在16ヵ国、83事業所で32,000名超のスタッフを擁しています。JLLは、2015年インターナショナル・プロパティ・アワードにて、「最優秀不動産コンサルタント賞」、「アジア・パシフィック最優秀不動産コンサルタント賞」を受賞しました。2015年ユーロマネー・リアル・エステート・アワードにおいて、最優秀リアル・エステート・アバイザーに選出されました。詳細な情報はホームページをご覧下さい。www.joneslanglasalle.co.jp
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