ジョンソンコントロールズ 、第15回ビルのエネルギー効率に関するグローバル調査結果を発表 日本はサスティナビリティ投資強化意欲の高い国第3位 脱炭素化とレジリエンス向上のための“ビルのDX”を積極推進
世界のサスティナビリティ投資はパンデミック以前の水準へ回復
●世界的にサスティナビリティ投資はパンデミック以前の水準へ回復
●エネルギーセキュリティについての関心度は日本がトップ、脱炭素化潮流に伴い、化石燃料からの脱却とレジリエンス向上を目指す姿勢が浮き彫りに
●日本はサスティナビリティ投資や排出量削減目標公開への関心が英仏に次いで調査国中第3位と高く、システムインテグレーションへの投資優先度も諸外国よりも高い
ビルテクノロジー業界のリーディングカンパニー、ジョンソンコントロールズ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:吉田 浩以下:ジョンソンコントロールズ)は本日、2021年11月から12月にかけて、日本を含む10ヵ国、1,000名(各国100名ずつ)のエネルギーおよび設備管理責任者を対象に実施した、「2021年ビルのエネルギー効率に関する調査(Energy Efficiency Indicator Survey 2021)」における国内からの回答と全体の回答を比較・分析した考察結果を発表しました。この調査は世界の主要経済地域10ヵ国の様々な商業、機関、政府関連施設において、エネルギー効率や再生可能エネルギーに関する計画、実践、投資について、ビルのエネルギーおよび施設管理を担当する幹部クラスの意思決定者を対象として調査を行うもので、今回で15回目となります。
今回の調査では、サスティナビリティ投資は世界的にパンデミック以前の水準に回復していることが明らかになったほか、日本では脱炭素化とエネルギーセキュリティ(エネルギーの安定的な供給)向上を通じたレジリエンス、そしてそれらを実現する建物のDX推進へ意欲的であることが明らかになりました。
【考察1】
エネルギーセキュリティについての関心度は日本がトップ、脱炭素化潮流に伴い
化石燃料からの脱却とレジリエンス向上を目指す姿勢が浮き彫りに
エネルギー価格の高騰を背景に、エネルギーセキュリティへの関心が世界的に高まる中、日本の回答者の85%がビルのエネルギーおよびテクノロジー投資の意思決定においてエネルギーセキュリティの向上が「極めて」または「非常に」重要と回答しました。この回答率の高さは調査国中トップであり、非常に高い関心が寄せられていることが浮き彫りとなりました。
さらにビルのエネルギーおよびテクノロジー投資原動力のトップ5のうち、日本の上位2項目は2019年の調査*1時と変わらず「コスト削減」と「エネルギーセキュリティ向上」であるものの、その重要度合はそれぞれ61%から87%、54%から85%へと大幅に上昇、エネルギー効率とセキュリティ向上への旺盛な投資意欲が表れる結果となりました。3位以下には新たに「利用者の健康とウェルネス改善」、「暖房と給湯に使用する化石燃料の削減」、「パンデミック下における利用者の健康と安全確保」がランクインしました。
日本の回答者がエネルギー効率化やテクノロジー投資における意思決定において
「極めて」または「非常に」重要と回答した上位7項目
2019年調査では6位にランクインしていた「従業員の維持・獲得」については8位に順位を下げたものの、その重要度は2019年から31ポイント上昇し71%の回答者が「極めて」または「非常に」重要な投資原動力としてあげており、調査国の中でもっとも高く、日本では依然として人材不足解消施策として建物への投資が重要視されていることもわかりました。
世界的にレジリエンスへの関心は高く、日本ではオフグリッドへの関心が高まっている
2019年から5ポイント ダウンしたものの、日本の回答者の83%が災害時や停電時にも安定稼働できるよう備える「レジリエンス」は将来的な設備投資を考慮する際に「極めて」または「非常に」重要と回答、これはイギリス(88%)フランス(87%)ドイツ(85%)米国(84%)に次いで高く、世界的にも関心の高さが伺えました。
特に、日本の回答者の55%が今後10年以内にオフグリッドで操業できる施設を1つ以上持つ可能性が「極めて」または「非常に」高いと回答、2019年から4ポイント増加しており、オフグリッドへの取り組みが進められている様子がわかります。
脱炭素化潮流を受け、日本は脱化石燃料化を着実に推進、ネットゼロビル実現意欲は調査国中4位
日本の回答者の79%が暖房と給湯に使用する化石燃料使用量を最小化することが重要な投資原動力と回答しており、2019年から6ポイント増加。また、34%の日本の回答者が昨年1年で、化石燃料からヒートポンプ技術への置き換えに投資したと回答しており、2019年から5ポイント増加。化石燃料依存からの脱却を着実に進めている様子が伺えました。
また日本はネットゼロエネルギー/ネットゼロカーボンビル実現への意欲も高く、過去3回*の調査の中で最も高い61%(2019年から3ポイント増加)が、10年以内にほぼゼロ、ネットゼロ、カーボンポジティブ(CO2排出量が吸収量を上回る)またはエネルギーポジティブ(エネルギー生産量が消費量を上回る)な施設を1つ以上持つ可能性が「極めて」または「非常に」高いと回答。これはイギリス(71%)アメリカ(67%)フランス(65%)に次いで、調査国の中で4位となりました。
【考察2】
日本はサスティナビリティ投資や排出量削減目標公開への関心が調査国中第3位と高く、
システムインテグレーションへの投資優先度もその他の調査国と比較して高い
2019年調査と同じく、日本の回答者の75%が省エネ、再エネ、スマートビルテクノロジーへの投資を増加すると回答。これは、イギリス(78%)、フランス(76%)に次いで高く、調査国中第3位となりました。
また、省エネ・排出量削減目標を公開していると回答した回答者は2019 年より6ポイント増加し39%に上昇、イギリス(46%)に次いで、フランス(39%)と並んで調査国中第2位となりました。
ビルのシステムインテグレーションでDXを加速しスマートビル実現へ
今後1年のビルおよびエネルギー投資対象の日本の上位5項目は、「エネルギー教育プログラムの実施」、「HVAC(空調冷熱機器)改善」に続いて、「建物内のシステムインテグレーション」と「水使用効率の改善」、「防火・防災システム改善」がランクインしました。全調査国の調査結果においても「エネルギー教育プログラムの実施」が第1位で世界的に教育への関心の高さが伺えましたが、一方で「建物内のシステムインテグレーション」は8位と低い結果となりました。
システムインテグレーションにおいて、日本の回答者が過去1年のうちに実施したインテグレーションの上位5つは「防火・防災システム」、「セキュリティシステム」、「照明システム」、「ビル管理システム」、「エネルギー管理ソフト」となりました。また、日本の回答者が、今後5年でスマートビル実現に影響を及ぼすテクノロジーとして挙げたのは「データアナリティクス/機械学習」のほか「先進制御技術」、「サイバーセキュリティ」が上位で、建物内のシステムインテグレーションによって収集した建物内のビッグデータを有効活用することが、建物の効率性や安全性を高めるスマートビル実現において重要なカギと見据えている様子が伺えました。
【調査結果総括】
ジョンソンコントロールズ株式会社 代表取締役社長の吉田 浩は、本調査結果を踏まえ「ESG投資の拡大に伴う脱炭素化潮流のほか、パンデミックなどによるエネルギー価格の高騰、さらにはエネルギー供給の逼迫を受け、サスティナビリティへの取り組みが企業の経営上の優先課題であることは明らかです。今回の調査では、日本企業が脱炭素化に向かって大きく舵を切っていることや、ビル管理システムや設備改修だけではなくシステムインテグレーションへも投資し、機械学習などの先進技術を用いて収集したビッグデータを基にビルのDXを推進、建物の安全性や快適性、効率性を兼ね備えるスマートビル実現に向かって取り組んでいる姿勢も見られました。一方で、過去の当社の調査結果やホワイトペーパー*2からは、こうした脱炭素化やスマートビル実現に向けた戦略の立案・実行に課題を抱える企業が多いことも明らかになっています。世界の二酸化炭素排出量の約40%は建物に起因するといわれており、ジョンソンコントロールズ インターナショナルはビルテクノロジーソリューションを用いて、世界規模で脱炭素化、ネットゼロ、カーボンニュートラル達成を支援しています。日本法人ではこれまで培った高い技術力と国内のビルシステムへの深い知見を活かし、今後もお客様の課題解決に柔軟に対応し日本の建物から持続可能な未来の実現に寄与してまいります」と述べています。
エネルギー効率に関する調査(EEI)について
ジョンソンコントロールズのエネルギー効率に関する調査は、エネルギー効率や再生可能エネルギーに関する計画、実践、投資について、ビルのエネルギーおよび施設管理を担当する幹部クラスの意思決定者を対象として調査を行うもので、今年で15回目となります。2021年度調査は世界の主要経済地域10ヵ国(日本、アメリカ、中国、イギリス、フランス、ドイツ、アラブ首長国連邦、インド、ブラジル、メキシコ)の様々な商業、機関、政府関連施設を対象として実施されました。本調査は、2021年11月から12月にかけて、合計1,000名(各国100名ずつ)の回答者を対象として実施されました。
ジョンソンコントロールズの脱炭素化、スマートビルソリューションのご紹介
ネット・ゼロ・アズ・ア・サービス
https://www.johnsoncontrols.com/ja_jp/media-center/news/press-releases/2022/06/13/netzeroasaservice
「ネット・ゼロ・アズ・ア・サービス」は、ジョンソンコントロールズがパートナーとしてお客様の掲げるサスティナビリティ目標を共有し、建物の脱炭素化に向けた成果を保証する、初期投資不要の月額制脱炭素化ソリューションサービスです。グローバルに拠点を展開する日本企業のお客様は、ワンストップで世界中の拠点の脱炭素化や省エネといった、SDGs課題を解決することが可能になります。
OpenBlueエンタープライズマネジャー
https://www.johnsoncontrols.com/ja_jp/digital-solutions/openblue-enterprise-management
当社の「OpenBlue エンタープライズマネジャー」は、建物内の多彩な設備システムから収集されたビッグデータを収集・解析し、効率的なビル運営を実現するほか利用者体験を向上します。
*1 2018年、2019年そして今回の2021年のエネルギー効率に関する調査
ジョンソンコントロールズ 2019年ビルのエネルギー効率に関する調査結果を発表(プレスリリース)
https://www.johnsoncontrols.com/ja_jp/media-center/news/press-releases/2020/06/22/eei2019
ジョンソンコントロールズ 2018年ビルのエネルギー効率に関する調査結果を発表(プレスリリース)
https://www.johnsoncontrols.com/ja_jp/media-center/news/press-releases/2018/11/01/eei
*2 フォレスター社との共同調査「The Race To Decarbonization (脱炭素化競争)」
https://www.johnsoncontrols.com/ja_jp/insights/2022/220615forrester
ホワイトペーパー「サスティナビリティとデジタル化は両輪で進むべきである理由」
https://www.johnsoncontrols.com/ja_jp/insights/2021/white-papers/20211220/netzero-building
ジョンソンコントロールズ インターナショナルについて
ジョンソンコントロールズは、建物のパフォーマンスを最適化するだけでなく安全性を向上し、快適性を高め、最も重要な成果に結びつけることで人々の生活空間や職場、文教施設からエンタメ施設まであらゆる環境を変革しています。このような当社のソリューションはヘルスケア、教育、データセンター、製造など多様な業界に導入されています。130年以上にわたるイノベーションの歴史とともに、全世界150ヵ国以上、10万人のエキスパートで構成されるグローバルチームがお客様のミッション達成をサポートします。当社の業界をリードするビルテクノロジーとソリューションは、Tyco®、York®、Metasys®、Ruskin®、Titus®、Frick®、Penn®、Sabroe®、Simplex®、 Ansul®、Grinnell®といったブランド名でも認知され信頼を得ています。
ジョンソンコントロールズ日本法人について
ジョンソンコントロールズ株式会社は、ジョンソンコントロールズ インターナショナル(Johnson Controls International, Plc.)の日本法人(本社: 東京都渋谷区、 代表取締役社長:吉田 浩)です。建物のライフサイクルを通じた効率化を促進する中央監視、自動制御機器、空調冷熱機器、冷凍機、セキュリティシステムの設計、施工、保守、ならびに運用コンサルティングを提供しています。国内での導入業種はオフィスビル、商業施設、医療機関、教育機関、スポーツ施設、交通機関など多岐にわたり、数多くのランドマーク的存在の建物における施工実績があります。1971年6月設立。国内45事業拠点。詳細はwww.johnsoncontrols.co.jp をご覧いただくか、Facebookで https://www.facebook.com/johnsoncontrols.jp.be/ もしくはTwitterで@JCI_jpをフォローしてください。
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