クラウド移行でコスト超過が平均20%、支出の約4分の1が無駄に【A.T. カーニー】
ITリーダーの84%が支出管理を最大課題と回答―クラウドROIを高める13の最適化策を提示
A.T. カーニー株式会社(東京都港区、日本代表:針ヶ谷 武文)は、論考『クラウド投資の最適化によるROI最大化』(英題:How to optimize your cloud spend to deliver maximum ROI)を発表しました。
Kearneyの知見によると、典型的な企業のパブリッククラウド移行では、平均20%を超えるコスト超過が発生し、クラウド支出の約4分の1が無駄になっていることが明らかとなりました。本論考では、契約戦略、需要の適正化、アーキテクチャ設計の3カテゴリーにわたる13の最適化レバーと、FinOpsを運用に定着させる方法を示しています。
クラウド移行で平均20%超のコスト超過、支出の約4分の1が無駄に
パブリッククラウドは、必要に応じて柔軟にリソースを確保できる供給力、セルフサービスによるリアルタイム利用、使用量に応じた変動料金という特徴を持ちます。一方で、従来の設備投資・運用費の予算を上回るペースで利用が拡大しやすく、当初のビジネスケースと実際の支出に差が生じることがあります。本論考では、その主な要因として、クラウドのオンデマンド特性の過小評価、ワークロードを再設計せずに行こうする非効率な「リフト&シフト」、旧基盤の廃止が徹底されないことや遊休リソースへの持続的な課金を挙げています。
Flexeraの調査では、ITリーダーの84%が、パブリッククラウドに関する最大の課題として支出管理を挙げています。単発のコスト削減にとどまらず、利用状況を継続的に可視化し、技術刷新と財務規律を連動させることが求められます。

3カテゴリー・13のレバーで、契約・需要・アーキテクチャを一体的に最適化
本論考は、クラウド支出の最適化策を、①契約戦略、②需要の適正化、③アーキテクチャ設計の3カテゴリーに整理し、合計13のレバーを提示しています。カテゴリー別の削減余地は、契約戦略が10~20%、需要の適正化が20~35%、アーキテクチャ設計が45~70%です。各カテゴリーは対象や実行条件が異なるため、数値は単純に合算せず、ワークロードごとに適用可能性を評価する必要があります。
具体例として、予測可能なワークロードに対する1~3年のリザーブドインスタンス契約では、仮想マシンなどのIaaSで50~75%の削減が見込まれます。オートスケーリングでは、ある大手小売企業が繁忙期に容量を拡張し、閑散期に縮小することで5~10%の削減を実現しました。また、適合するワークロードをARMベースのインスタンスへ選択的に移行することで、VMコストを10~20%以上削減できる可能性があります。(これらは、いずれも本文記載の条件付きの数値であり、効果はワークロード構成に左右されます。)

8~10の重点施策を特定し、FinOpsを継続的な運用能力として定着
最適化を実行に移すには、過去に実施した施策と残されたクイックウィンを確認するとともに、部門横断でのFinOps成熟度評価、高コストアプリケーションのリソース割り当てと利用率の検証を行い、コスト削減とFinOps高度化の両面でインパクトの大きい8~10の施策を特定します。短中期の削減施策と、支出額・支出先を継続的に可視化・統制する能力を組み合わせることで、クラウドがもたらす事業成果を適正なコストで実現するための基盤を整えます。
本論考で紹介する個別事例では、コンピュート、ストレージ、ネットワーク、データベースのワークロードを最適化することで、年間クラウド支出を100万ドルから約70万ドルへ30%削減しています。FinOpsツールは可視化や自動化を支える一方、ツール導入するだけでは十分ではありません。継続的な運用能力として定着させることが重要です。

論考について
論考名:『クラウド投資の最適化によるROI最大化』(英題:How to optimize your cloud spend to deliver maximum ROI)
監修者
大塩 崇 シニアパートナー
早稲田大学理工学研究科卒。NTTデータ、米系戦略コンサルティングファームを経て、A.T. カーニーに入社。ハイテク、通信・ICT、エレクトロニクス、商社を中心に、シナリオプラニング、新規事業構築、Go-to-market、事業ポートフォリオの再構築、中長期経営計画、M&A戦略、収益改善、オペレーション改革などのコンサルティングに従事。
川﨑 健史 パートナー
東京大学理学部卒、Duke University, Fuqua School of Business (MBA) 修了。NTT東日本、米系戦略コンサルティングファーム、Big4コンサルティング部門等を経て、A.T. カーニーに入社。日系及び東南アジアの通信・ハイテク企業を中心に、中期経営計画・グローバル経営マネジメント・テクノロジー戦略・事業モデル変革・業務パフォーマンス変革等の幅広いCXOアジェンダに従事。近年では、戦略コンセプトの立案から実行サポートまで一貫したデジタルトランスフォーメーションのサポートも数多く手掛ける。
長内 正一 パートナー
東京オフィスの戦略オペレーションプラクティスのコアメンバー。ICT企業、金融機関、製造業などのクライアント企業のトランスフォーメーションを中心に支援
A.T. カーニーについて
A.T. カーニー(グローバル・ブランド名:Kearney)は、100年にわたり世界有数の経営コンサルティングファームとして、Fortune Global 500企業の4分の3以上をはじめ、世界各国の政府機関に信頼されるパートナーであり続けてきました。世界40カ国以上に拠点を展開し、私たちの最大の強みは「人」にあります。インパクト・ファーストを掲げ、独創的な発想と実行力をもって、顧客企業が直面する最も困難な課題に挑み、変革の実現をともに推進します。日本には1972年に進出し、あらゆる主要産業のリーディングカンパニーに対し、戦略策定から変革の実行まで一貫した支援を提供しています。https://www.jp.kearney.com/
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