ローデ・シュワルツ、車載Ethernetの未来を先駆ける-Analog Devices社の10BASE-T1Sソリューションに力を
ローデ・シュワルツは業界団体IEEEとOPEN Allianceのメンバーとして、コンプライアンス・オプションやトリガ/デコード・オプションの提供を通じ、車載Ethernetの新規格10BASE-T1Sの開発のさらなる加速をはかっています。なかでもAnalog Devices, Inc.(ADI)社は、現実世界とデジタル世界の架け橋として、インテリジェント・エッジ分野でのブレークスルーを実現してきた世界的な半導体大手であり、車載接続ソリューションの主要プロバイダの1社です。そのADI社と協力して、ローデ・シュワルツはR&S MXOx-K560オプションを装備したR&S MXO 4/5シリーズのオシロスコープを使って10BASE-T1S通信のデコードを可能にしました。ADI社のE2B™と呼ばれる10BASE-T1S Ethernet to Edge Busは、車載アプリケーションにおいて複雑さを軽減しながら柔軟性に優れたエッジ・ノードを実装できるようにするものです。一方、当社のオシロスコープは、その高速な更新速度と大きなメモリ容量で知られており、パケットの捕捉やトリガリング、デコードを素早く行って、電気信号の全波形から細部にいたるまで比類のない確度で捉える能力に長けています。高速な更新速度により、通信バスで生じる断続的な障害をも検出可能です。

10BASE-T1S(IEEE802.3cg)は、車載および産業用アプリケーションでの使用を想定したEthernetネットワーク技術の一つであり、これに対応のADI社の10BASE-T1S E2B™製品は、高度な最適化と同時に柔軟性の高いハードウェア・ベースのEthernetエッジ・ノード接続を可能にするソリューションとなっています。この新規格では、伝送距離25メートルで10 Mbpsという新たな低速グレードの導入だけでなく、スイッチが不要になるマルチドロップ伝送などの斬新な機能も追加されます。特にADI社のE2B™ソリューションは、エッジ・ノードのマイクロコントローラを不要にして、すべてのソフトウェアの集中化を可能にすることで、次世代ゾーン・アーキテクチャとソフトウェア定義型自動車(software-defined vehicle:SDV)の実現を支えています。こうした先進的技術は、車体やパワートレインのほか、車両全域に配されたセンサやアクチュエータをドメイン・コントローラあるいはゾーン・コントローラとリンクさせるのに特に適しています。
R&S MXOシリーズのオシロスコープでは、デコードしたパケットが色分けして表示されるため、ADI社のエンジニアはBeacon信号やCommit信号、MACデータフレームといった重要なプロトコル・メッセージを簡単に識別可能になりました。そのため、より効率的なテストと検証を通じて、市場投入までの時間も短縮できます。また、10BASE-T1Sは、新しいPLCA(Physical Layer collision avoidance:物理層衝突回避)技術を活用できるため、ネットワークに接続した多様なノードの通信のタイミングとパフォーマンスの検証が極めて重要です。その際、捕捉波形をもとにデコードした全フレームの時間的整合性が確保されていれば、デバッグが簡単になり、正確なタイミングの測定も容易に行えます。そのうえADI社のエンジニアには、DMEシンボルのほか、スクランブル処理の適用/解除など、データ表示をさまざまに切り替えながら、捕捉したネットワーク・トラフィックに関する重要な情報を取得いただいています。
10BASE-T1S Ethernet技術は、1つのネットワーク上で多数のノードをサポートできるという特別なメリットがあり、複雑なシステムに最適です。接続距離が短く、データレートも低いことから、エネルギー効率とコスト効率にも優れています。このような10BASE-T1SにADI社は革新的なアプローチで臨んでおり、フォームファクタのコンパクト化やエッジでのコスト削減、ブート時間の短縮を実現するとともに、低レイテンシの保証(bounded low latency)とパワーセーブやタイムスタンプ、時限動作といった機能を通じてシステム内の全ノードがシームレスに同期動作させられるという、OEMメーカーにとってSDVの本当の価値を実現できます。
ADI社のFionn Hurley氏は次のように述べています。「当社ADIの業界をリードする10BASE-T1Sソリューションについては、ローデ・シュワルツのオシロスコープを使用して信頼性の高い正確な測定を行っています。これによって高品質で堅牢な技術ソリューションをお客様に提供するという当社のコミットメントをいっそう強化できるからです。特にADIでは、システム設計に対して全体論に立ったアプローチを採用しており、お客様が直面する課題の複雑さをしっかり把握して、そうした課題を克服できるようにご支援しています。よりスマートで効率的な未来へと自動車産業を導いていきたいと考えてのことです」。
R&S MXOシリーズのオシロスコープを使えば、その高い性能と機能を十二分に活用して10BASE-T1S通信リンクのデバッグを行えます。たとえばスペクトラム・モードやゾーン・トリガなどの標準デバッグ・ツールと高速な更新速度により、バス上の異常を簡単に検出できます。なにより、IEEE 802.3cgおよびOPEN Alliance TC14仕様に準拠した10BASE-T1Sの測定が可能なMXOを使用することで、自動車業界の皆様にはこの成長著しい車載ネットワーク技術の性能と相互運用性を確実に実現いただけます。
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自動車向けテスト・ソリューション―テストするから、信頼できる
ローデ・シュワルツは革新的な電子計測器やソフトウェア、システムの世界的プロバイダとして、その高い専門技術を応用しながら、自動運転や電動化、接続性といった自動車産業のビジョンがいっそう広がるように努めています。世界中のOEM企業や半導体メーカー、ティア1サプライヤ、技術サービス企業、さらには認証機関など皆様が、車載レーダーやアンテナを含めた接続性、インフォテインメント、車載ネットワーク、電動トライブトレイン部品、電磁適合性などに対し、当社の試験ソリューションに信頼をお寄せいただいています。ローデ・シュワルツは、研究開発から生産におよぶ自動車の全ライフサイクルはもとより、さらにその先の未来に向かってお客様をサポートしていきます。
ローデ・シュワルツについて
ローデ・シュワルツは、電子計測、技術システム、ネットワークおよびサイバーセキュリティの各部門を通じ、より安全に“つながる”社会の実現に向けて努力を重ねています。グローバルな技術指向のグループとして、90年にわたって先端技術の開発を続け技術の限界を押し広げてきました。当社の最新製品やソリューションは、産業界や規制当局および行政機関のお客様がデジタル技術の主権を得るためのお力添えをしています。ドイツ・ミュンヘンを拠点としたプライベートな独立企業であり、長期的かつ持続的な経営を行える体制を構築しています。ローデ・シュワルツは、2023/2024会計年度(昨年7月から本年6月まで)には29.3億ユーロの純収益を上げました。また、2024年6月30日現在、ローデ・シュワルツでは約14,400名の従業員が全世界で活躍しています。
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