令和4年度 警察庁SOS47 決起集会を開催 杉対策監「特殊詐欺被害に苦しむ人をなくし、事件事故の起きない社会を作る!」
SOS47プロジェクトチームとも一丸となって特殊詐欺撲滅を決意
警察庁「ストップ・オレオレ詐欺47〜家族の絆作戦~」プロジェクトチーム(略称:SOS47)は、全国で被害が相次ぐオレオレ詐欺等の特殊詐欺に関する知識や被害防止策を分かりやすく伝え、特殊詐欺被害を防止するため、2018年より、全国47都道府県警察と共に広報啓発活動を行っています。
この度、令和4年度 決起集会が開催され、警察庁特別防犯対策監の杉良太郎氏、特別防犯支援官の伍代夏子氏、城島茂氏、松本利夫氏、吉原朝馬氏、町田啓太氏、乃木坂46黒見明香氏、AKB48向井地美音氏、SKE48斉藤真木子氏、NMB48塩月希依音氏、STU48福田朱里氏、HKT48運上弘菜氏が出席しました。
決起集会の中で、杉対策監らは、自身が行ってきた啓発活動等について振り返りつつ、増加傾向の詐欺被害を根絶するための決意を述べました。
通信事業者に特殊詐欺対策への協力を要請
「特殊詐欺の電話は、通信事業者において着信を遮断してもらいたい」
「平成30年9月から、防犯対策活動を続けてまいりました。活動を始めて4年以上が経過する中で、特殊詐欺を始めとするほとんどの犯罪が、インターネットなどの通信網を介して行われるなど犯罪傾向が変化し、従来の犯罪対策や捜査手法では、その未然防止や摘発に支障が生じていることを目の当たりにしてきました。インターネット上には、特殊詐欺の『受け子』を募集する情報など、犯罪を誘引するような情報で溢れかえっています。事業者は速やかに削除してもらいたい。また、特殊詐欺の電話は、捜査当局の捜査を回避するため、海外を経由して架かって来ます。利用者が登録したものを除き、通信事業者において着信を遮断してもらいたい。特殊詐欺のような組織犯罪では携帯電話が悪用されますが、捜査当局による職務質問や押収時において、携帯電話のロックの解除に所有者が応じなければ内容を確認することができず、結果的に犯罪者を利することになります。捜査当局に対して、こうした携帯電話の中身を確認することができるよう手段を与えていただきたい。 」
罰則の強化を提言
「特殊詐欺に関与した犯罪者に対し、今以上に重い罰則を科していただきたい」
「特殊詐欺に関与して検挙された犯罪者に対する罰則が軽すぎるため、特殊詐欺に関与することが“割に合わない”と感じさせるに至っておりません。特殊詐欺は従来の詐欺をはるかに超え、殺人をも簡単に犯す犯罪集団であります。関係機関においては、是非、今の社会全体の声に耳を傾け、特殊詐欺に関与した犯罪者に対し、今以上に重い罰則を科していただきたい。」
特殊詐欺における捜査の見直しを
「『おとり捜査』を認めていただく必要がある」
「特殊詐欺の『受け子』として検挙された犯罪者から聴取したところ、“警察がおとり捜査をしない限り、上位の犯罪者を検挙することは無理だ“という声もあります。もうすでに時代は変わっているのです。捜査当局に対して、特殊詐欺に限ってでも、捜査する側が応募して犯人の逮捕につなげるような『おとり捜査』も認めていただく必要があると思います。」
“自分がバカだった”。特殊詐欺は、被害者が泣き寝入りする犯罪という特殊性がある
「犯罪件数、被害額は計り知れないほど深刻」
「特殊詐欺は、被害者が家族にも言えない、“自分がバカだった”など警察に被害届を出すのをためらう犯罪であります。被害者が泣き寝入りする犯罪という特殊性があり、よって犯罪件数、被害額は計り知れないほど深刻であります。特殊詐欺の被害に苦しむ人をなくし、事件事故の起きない社会を作るためには、現場の警察が力を発揮できるようにする必要があります。特別防犯対策監としてお願いしたいことを述べました。全国警察官の思いも乗せ、日々頑張ってまいります。通信事業に関わる企業の皆様、国民の皆様、御理解と御協力をいただきますよう、よろしくお願いいたします。」
■伍代支援官「“おせっかいをする”“おせっかいになる”という意識が広まってほしい」
伍代支援官は「SOS47として活動を開始し4年が経過しましたが、令和4年は前の年に比べて特殊詐欺被害が増加しました。被害に遭いやすい御高齢の方は、中々自分で対策をすることはできないので、周りの人が“おせっかいをする”、周りの人に“おせっかいになる”という意識がもっと広まっていくよう、お子さん世代・お孫さん世代にも特殊詐欺の怖さを引き続き伝えていきたいと考えています。」と積極的なコミュニケーションが大切だと話しました。
また、記者から“今まで訪問して特に印象に残っている場所と理由”について聞かれた際、「特に印象に残っているのは、昨年10月の山形県の学校訪問での啓発です。山形県内の8つの中学・高校をSOS47メンバーで2チームに分かれて訪問し、学生の皆さんに“おじいちゃん、おばあちゃんに、常に詐欺に気を付けるよう呼び掛けてあげてほしい“等と伝えてきました。SOS47では、高齢者の方だけでなく、そのお子さん世代にも特殊詐欺対策について訴えていますが、お孫さん世代にここまで大規模に呼び掛けをしたのは初めてだったので印象に残っています。」と答えました。
■城島支援官「全国各地への呼び掛けを強めていく」
城島支援官は「昨年の11月、番組収録で北海道の旭川を訪れた際に、北海道警の要請を受けて緊急記者会見を開き、旭川で被害が増加している架空料金請求詐欺について、住民の皆さんに注意喚起しました。今後も、各地域を訪れた際に、地元の警察と一緒に、特殊詐欺の被害防止の呼び掛けができればと考えています。」と全国各地へ向けた詐欺防止の呼び掛け強化を誓いました。
質疑応答で“特殊詐欺の予防啓発上、重要だと思われる点はなにか”について聞かれた際、城島支援官は「特殊詐欺の被害に遭われる方の多くは、“自分は騙されない”と思い込んでいます。高齢者の方には“自分も騙されるかも”と常に思ってもらうことが必要ではありますが、自分が被害に遭うという可能性を中々意識できないかと思います。そのため、ご家族や周りの方から、“特殊詐欺に気を付けて!”と呼び掛け続けたり、防犯機能付き電話をプレゼントしたりすること等、高齢者ご本人で中々取り組むことのない対策をしてあげることも大事なことです。」と高齢者の周りができる対策を伝えました。
■松本支援官「詐欺を防ぐには市民だけでなく企業の協力も必要」
松本支援官は「私は昨年10月、宮城県を訪れ、地元の金融機関に対して、お客さんが特殊詐欺被害に遭わないように積極的に声掛けをしていただくための呼び掛けや、地域安全運動の大会で、集まった方全員で特殊詐欺対策について情報発信をしました。特殊詐欺撲滅のためには、金融機関をはじめとした関係機関や、地域の皆さんの協力が不可欠ですので、今後も協力を呼び掛けていきたいと思います。」と企業に対しても特殊詐欺被害防止への協力を求めました。
■吉原支援官「僕ができることを一つ一つやっていきたい」
吉原支援官は「落語家として、特殊詐欺について分かりやすく伝えられないかと思い、詐欺落語 詐欺に勝つ(喝)!を自作し、広報啓発行事や寄席等で披露しました。自分の培ってきた技術を、これからも特殊詐欺の被害防止のために活かしていきたいと思います。」と述べました。
その後、記者から“現在まで活動されてきた中で、特殊詐欺について伝えることの難しさや意識されている点”について聞かれ、「私は昨年、東京都や三重県に訪問し、お集まりの高齢者の方に詐欺落語を披露しました。その中で意識していることは、今現在流行っている手口や内容はどのようなものか、を常に研究しつつ、犯人からの最初の連絡は自宅の固定電話に掛かってくる場合がほとんどであるなどの様々な詐欺に共通する手口や対策をしっかり伝えることです。今後も詐欺の手口を変化を意識しながら、詐欺落語で呼び掛けていきたいです。」と詐欺の状況に合わせた詐欺落語を今後も披露していくことを伝えました。
■町田支援官「防犯機能付き電話機の設置が重要」
令和4年度のSOS47啓発チラシに出演している町田支援官は「今回、防犯機能付き電話機について紹介するチラシに出演させていただきました。特殊詐欺の被害の多くは、自宅の固定電話に掛かってくる1本の電話から始まります。防犯機能付き電話は、非通知の電話は着信拒否にできますし、自動で通話内容を録音してくれます。大切な御家族が詐欺被害に遭わないよう、おじいちゃん・おばあちゃんに防犯機能付き電話機をプレゼントしてあげてください。僕たち孫世代が発信することが特殊詐欺を防ぐために大事だと思います。」と防犯機能付き電話機の重要性と設置を呼び掛けました。
■乃木坂46黒見支援官「若者の詐欺被害が増加する可能性がある」
黒見支援官は「昨年の4月に成人年齢が18歳に引き下げられ、親の同意なしで様々な契約等ができるようになったこともあり、今後、若者が被害に遭う特殊詐欺も増えていくのではないかと危惧しています。特殊詐欺というと、高齢者が被害に遭うもの、というイメージが先行しますが、架空料金請求等、若者が被害に遭う手口もあるため、自分が被害者になる可能性があるということを、若者にも伝えていきたいと思います。」と自身と同世代の若者が詐欺に遭わないように注意をするよう伝えました。
■AKB48向井地支援官「家族を守るという自覚を持ってほしい」
向井地支援官は「今年の1月、府中市の成人式にお邪魔し、大勢の新成人に特殊詐欺についてお話しました。今でも大人になったと実感するのは、やはり成人式を迎えてからという方も多いと思います。大人になったら、今まで家族に守られてきた自分が、今度はおじいちゃん、おばあちゃんといった家族を守らなければならないという自覚を、若者の皆さんには持ってほしいと思います。」と若者が家族の中心となって詐欺被害から守るようお願いしました。
■SKE48斉藤支援官「愛知県の特殊詐欺対策は私たちだからできること」
斉藤支援官は「若い方はSNSを使うことが多いと思いますが、最近ニュースになっているように、特殊詐欺の『受け子』や『出し子』を募集する投稿が数多くあります。楽にお金を稼げる方法なんてありません。そうした投稿に安易に応じると、抜け出せなくなるので、絶対に投稿者と連絡を取ることのないようにしてください。」と呼び掛けました。
また、記者から“愛知県のご当地支援官として活動する中で重視している点”について聞かれた際「私たちSKE48は、昨年の10月にSKE48の活動拠点である、名古屋市のサンシャインサカエの広場で、特殊詐欺に関する広報啓発を実施し、特殊詐欺の手口だけでなく、SNSで募集している『受け子』や『出し子』等について伝えたり、12月には、『年末の安全なまちづくり県民運動出発式』に出席し、愛知県民の皆さんと一緒に『安全に安心して暮らせる愛知』の実現を目指す宣言を実施したりしました。ほかのご当地支援官の皆さんも同じかと思いますが、今お話したような取組は、普段愛知県を中心に活動している私たちだからできるものだと思います。今後も、愛知県警と連携して、特殊詐欺対策に取り組んでいきたいと思います。」と今後の取組への意気込みを語りました。
■NMB48塩月支援官「“それ詐欺!”で大阪府を詐欺から守りたい」
塩月支援官は「私たちNMB48では、例えば電話の中でATMという言葉が出てきたり、自宅にやってきた人が“キャッシュカードを封筒に入れる“などと言ってきた場合、”それ詐欺!“という合言葉で大阪の皆さんに対して詐欺の手口を伝えています。複雑な手口にも、共通して登場する言葉がありますので、まずはそうした言葉を覚えていただき、電話等で出てくれば、警察にすぐに相談してください。」と大阪府のご当地支援官ならではの対策について述べました。
■STU48福田支援官「ATMで電話をしている人を見たら声を掛けることを意識」
福田支援官は「特別防犯支援官として活動するようになり、“ATMで電話をしている人を見たら、詐欺被害に遭っていないか声を掛けよう”、と常に意識するようになりました。ATM周辺で携帯電話を使っている人がいたら、還付金詐欺の被害に遭っている可能性が高いです。そうした人を見たら、すぐに声を掛けるか、警察に通報してください。」とATMでの携帯電話使用に対しての呼び掛けを求めました。
■HKT48運上支援官「全国の警察の一員であるという自覚を持つ」
運上支援官は「私たちは福岡県を中心に活動しており、普段は福岡県警と一緒に、特殊詐欺被害防止に関する活動に取り組んでいますが、今日の決起集会のように、SOS全体での取組に参加することで、改めて、特別防犯支援官としての一体感を感じています。全国の警察の一員として活動しているんだという自覚を持って、これからも取り組んでいきたいです。」と特別防犯支援官としての自覚を再確認すると同時に、今後のご当地支援官としての活動への思いを語りました。
■特殊詐欺の被害状況を受けて緊急対策会議を実施
決起集会の開催にあたり、イベント前に対策監、支援官による緊急対策会議が実施されました。この会議には人間環境大学で心理学を研究している嘉瀬貴祥氏が登壇し、『特殊詐欺につながる心理的要因』の研究報告を行いました。報告では、特殊詐欺被害者の被害時の心理的状況や、性格の特徴、それに基づいた対策等について発表され、発表を受けて杉対策監は「さまざまな特殊詐欺被害防止に対する対策をしてきましたが、中々詐欺の根幹を絶つことができていませんでした。しかし、今回の研究結果を聞き、根幹を絶てる方法が見いだせたのではないかと思っています。近年の特殊詐欺は、お金のためなら手段を選ばない犯人による悪質なものが発生しています。今後も全国の警察官と協力して特殊詐欺を根絶できるようご協力をお願いします。」と支援官に向けて訓示を行いました。
■杉良太郎特別防犯対策監 昇任式を実施
同日、杉良太郎特別防犯対策監の昇任式が執り行われ、杉対策監と、国家公安委員会委員長の谷公一氏、警察庁長官の露木康浩氏が出席しました。SOS47を牽引する功績から、特別防犯対策監の階級が星3つから4つへと昇格しました。
■SOS47 令和4年度広報啓発用チラシ、47都道府県ご当地動画を公開
本イベント前には、メディアに向けて令和4年度制作のSOS47啓発用チラシと、47都道府県ご当地動画が公開されました。チラシには特別防犯支援官の町田啓太氏を起用し、多くの詐欺被害は自宅の固定電話からの電話という事を受けて、防犯機能付き電話の設置を促す内容となっています。
47都道府県ご当地動画は、各都道府県出身の特別防犯支援官や著名人が出演し、ご当地の方言を用いて特殊詐欺の啓発を行っている動画です。本動画は、同日の14:30にSOS47公式HPやYouTubeチャンネルにて公開されました。
・SOS47公式HP
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/
・47都道府県ご当地動画(例:熊本出身 コロッケ特別防犯支援官)
■実施日:2023年3月14日(火)
■実施会場:グランドアーク半蔵門 富士の間
■出席者:
【緊急対策会議】
人間環境大学 総合心理学部 嘉瀬 貴祥 氏
警察庁 特別防犯対策監 杉 良太郎 氏
警察庁 特別防犯支援官 伍代 夏子 氏
〃 城島 茂 氏
〃 松本 利夫 氏
〃 吉原 朝馬 氏
〃 町田 啓太 氏
〃 乃木坂46 黒見 明香 氏
〃 AKB48 向井地 美音 氏
〃 SKE48 斉藤 真木子 氏
〃 NMB48 塩月 希依音 氏
〃 STU48 福田 朱里 氏
〃 HKT48 運上 弘菜 氏 (順不同)
【昇任式】
国家公安委員会委員長 谷 公一 氏
警察庁 長官 露木 康浩 氏
警察庁 特別防犯対策監 杉 良太郎 氏
【決起集会】
警察庁 長官 露木 康浩 氏
警察庁 特別防犯対策監 杉 良太郎 氏
警察庁 特別防犯支援官 伍代 夏子 氏
〃 城島 茂 氏
〃 松本 利夫 氏
〃 吉原 朝馬 氏
〃 町田 啓太 氏
〃 乃木坂46 黒見 明香 氏
〃 AKB48 向井地 美音 氏
〃 SKE48 斉藤 真木子 氏
〃 NMB48 塩月 希依音 氏
〃 STU48 福田 朱里 氏
〃 HKT48 運上 弘菜 氏 (順不同)
この度、令和4年度 決起集会が開催され、警察庁特別防犯対策監の杉良太郎氏、特別防犯支援官の伍代夏子氏、城島茂氏、松本利夫氏、吉原朝馬氏、町田啓太氏、乃木坂46黒見明香氏、AKB48向井地美音氏、SKE48斉藤真木子氏、NMB48塩月希依音氏、STU48福田朱里氏、HKT48運上弘菜氏が出席しました。
決起集会の中で、杉対策監らは、自身が行ってきた啓発活動等について振り返りつつ、増加傾向の詐欺被害を根絶するための決意を述べました。
- イベントレポート
通信事業者に特殊詐欺対策への協力を要請
「特殊詐欺の電話は、通信事業者において着信を遮断してもらいたい」
「平成30年9月から、防犯対策活動を続けてまいりました。活動を始めて4年以上が経過する中で、特殊詐欺を始めとするほとんどの犯罪が、インターネットなどの通信網を介して行われるなど犯罪傾向が変化し、従来の犯罪対策や捜査手法では、その未然防止や摘発に支障が生じていることを目の当たりにしてきました。インターネット上には、特殊詐欺の『受け子』を募集する情報など、犯罪を誘引するような情報で溢れかえっています。事業者は速やかに削除してもらいたい。また、特殊詐欺の電話は、捜査当局の捜査を回避するため、海外を経由して架かって来ます。利用者が登録したものを除き、通信事業者において着信を遮断してもらいたい。特殊詐欺のような組織犯罪では携帯電話が悪用されますが、捜査当局による職務質問や押収時において、携帯電話のロックの解除に所有者が応じなければ内容を確認することができず、結果的に犯罪者を利することになります。捜査当局に対して、こうした携帯電話の中身を確認することができるよう手段を与えていただきたい。 」
罰則の強化を提言
「特殊詐欺に関与した犯罪者に対し、今以上に重い罰則を科していただきたい」
「特殊詐欺に関与して検挙された犯罪者に対する罰則が軽すぎるため、特殊詐欺に関与することが“割に合わない”と感じさせるに至っておりません。特殊詐欺は従来の詐欺をはるかに超え、殺人をも簡単に犯す犯罪集団であります。関係機関においては、是非、今の社会全体の声に耳を傾け、特殊詐欺に関与した犯罪者に対し、今以上に重い罰則を科していただきたい。」
特殊詐欺における捜査の見直しを
「『おとり捜査』を認めていただく必要がある」
「特殊詐欺の『受け子』として検挙された犯罪者から聴取したところ、“警察がおとり捜査をしない限り、上位の犯罪者を検挙することは無理だ“という声もあります。もうすでに時代は変わっているのです。捜査当局に対して、特殊詐欺に限ってでも、捜査する側が応募して犯人の逮捕につなげるような『おとり捜査』も認めていただく必要があると思います。」
“自分がバカだった”。特殊詐欺は、被害者が泣き寝入りする犯罪という特殊性がある
「犯罪件数、被害額は計り知れないほど深刻」
「特殊詐欺は、被害者が家族にも言えない、“自分がバカだった”など警察に被害届を出すのをためらう犯罪であります。被害者が泣き寝入りする犯罪という特殊性があり、よって犯罪件数、被害額は計り知れないほど深刻であります。特殊詐欺の被害に苦しむ人をなくし、事件事故の起きない社会を作るためには、現場の警察が力を発揮できるようにする必要があります。特別防犯対策監としてお願いしたいことを述べました。全国警察官の思いも乗せ、日々頑張ってまいります。通信事業に関わる企業の皆様、国民の皆様、御理解と御協力をいただきますよう、よろしくお願いいたします。」
■伍代支援官「“おせっかいをする”“おせっかいになる”という意識が広まってほしい」
伍代支援官は「SOS47として活動を開始し4年が経過しましたが、令和4年は前の年に比べて特殊詐欺被害が増加しました。被害に遭いやすい御高齢の方は、中々自分で対策をすることはできないので、周りの人が“おせっかいをする”、周りの人に“おせっかいになる”という意識がもっと広まっていくよう、お子さん世代・お孫さん世代にも特殊詐欺の怖さを引き続き伝えていきたいと考えています。」と積極的なコミュニケーションが大切だと話しました。
また、記者から“今まで訪問して特に印象に残っている場所と理由”について聞かれた際、「特に印象に残っているのは、昨年10月の山形県の学校訪問での啓発です。山形県内の8つの中学・高校をSOS47メンバーで2チームに分かれて訪問し、学生の皆さんに“おじいちゃん、おばあちゃんに、常に詐欺に気を付けるよう呼び掛けてあげてほしい“等と伝えてきました。SOS47では、高齢者の方だけでなく、そのお子さん世代にも特殊詐欺対策について訴えていますが、お孫さん世代にここまで大規模に呼び掛けをしたのは初めてだったので印象に残っています。」と答えました。
■城島支援官「全国各地への呼び掛けを強めていく」
城島支援官は「昨年の11月、番組収録で北海道の旭川を訪れた際に、北海道警の要請を受けて緊急記者会見を開き、旭川で被害が増加している架空料金請求詐欺について、住民の皆さんに注意喚起しました。今後も、各地域を訪れた際に、地元の警察と一緒に、特殊詐欺の被害防止の呼び掛けができればと考えています。」と全国各地へ向けた詐欺防止の呼び掛け強化を誓いました。
質疑応答で“特殊詐欺の予防啓発上、重要だと思われる点はなにか”について聞かれた際、城島支援官は「特殊詐欺の被害に遭われる方の多くは、“自分は騙されない”と思い込んでいます。高齢者の方には“自分も騙されるかも”と常に思ってもらうことが必要ではありますが、自分が被害に遭うという可能性を中々意識できないかと思います。そのため、ご家族や周りの方から、“特殊詐欺に気を付けて!”と呼び掛け続けたり、防犯機能付き電話をプレゼントしたりすること等、高齢者ご本人で中々取り組むことのない対策をしてあげることも大事なことです。」と高齢者の周りができる対策を伝えました。
■松本支援官「詐欺を防ぐには市民だけでなく企業の協力も必要」
松本支援官は「私は昨年10月、宮城県を訪れ、地元の金融機関に対して、お客さんが特殊詐欺被害に遭わないように積極的に声掛けをしていただくための呼び掛けや、地域安全運動の大会で、集まった方全員で特殊詐欺対策について情報発信をしました。特殊詐欺撲滅のためには、金融機関をはじめとした関係機関や、地域の皆さんの協力が不可欠ですので、今後も協力を呼び掛けていきたいと思います。」と企業に対しても特殊詐欺被害防止への協力を求めました。
■吉原支援官「僕ができることを一つ一つやっていきたい」
吉原支援官は「落語家として、特殊詐欺について分かりやすく伝えられないかと思い、詐欺落語 詐欺に勝つ(喝)!を自作し、広報啓発行事や寄席等で披露しました。自分の培ってきた技術を、これからも特殊詐欺の被害防止のために活かしていきたいと思います。」と述べました。
その後、記者から“現在まで活動されてきた中で、特殊詐欺について伝えることの難しさや意識されている点”について聞かれ、「私は昨年、東京都や三重県に訪問し、お集まりの高齢者の方に詐欺落語を披露しました。その中で意識していることは、今現在流行っている手口や内容はどのようなものか、を常に研究しつつ、犯人からの最初の連絡は自宅の固定電話に掛かってくる場合がほとんどであるなどの様々な詐欺に共通する手口や対策をしっかり伝えることです。今後も詐欺の手口を変化を意識しながら、詐欺落語で呼び掛けていきたいです。」と詐欺の状況に合わせた詐欺落語を今後も披露していくことを伝えました。
■町田支援官「防犯機能付き電話機の設置が重要」
令和4年度のSOS47啓発チラシに出演している町田支援官は「今回、防犯機能付き電話機について紹介するチラシに出演させていただきました。特殊詐欺の被害の多くは、自宅の固定電話に掛かってくる1本の電話から始まります。防犯機能付き電話は、非通知の電話は着信拒否にできますし、自動で通話内容を録音してくれます。大切な御家族が詐欺被害に遭わないよう、おじいちゃん・おばあちゃんに防犯機能付き電話機をプレゼントしてあげてください。僕たち孫世代が発信することが特殊詐欺を防ぐために大事だと思います。」と防犯機能付き電話機の重要性と設置を呼び掛けました。
■乃木坂46黒見支援官「若者の詐欺被害が増加する可能性がある」
黒見支援官は「昨年の4月に成人年齢が18歳に引き下げられ、親の同意なしで様々な契約等ができるようになったこともあり、今後、若者が被害に遭う特殊詐欺も増えていくのではないかと危惧しています。特殊詐欺というと、高齢者が被害に遭うもの、というイメージが先行しますが、架空料金請求等、若者が被害に遭う手口もあるため、自分が被害者になる可能性があるということを、若者にも伝えていきたいと思います。」と自身と同世代の若者が詐欺に遭わないように注意をするよう伝えました。
■AKB48向井地支援官「家族を守るという自覚を持ってほしい」
向井地支援官は「今年の1月、府中市の成人式にお邪魔し、大勢の新成人に特殊詐欺についてお話しました。今でも大人になったと実感するのは、やはり成人式を迎えてからという方も多いと思います。大人になったら、今まで家族に守られてきた自分が、今度はおじいちゃん、おばあちゃんといった家族を守らなければならないという自覚を、若者の皆さんには持ってほしいと思います。」と若者が家族の中心となって詐欺被害から守るようお願いしました。
■SKE48斉藤支援官「愛知県の特殊詐欺対策は私たちだからできること」
斉藤支援官は「若い方はSNSを使うことが多いと思いますが、最近ニュースになっているように、特殊詐欺の『受け子』や『出し子』を募集する投稿が数多くあります。楽にお金を稼げる方法なんてありません。そうした投稿に安易に応じると、抜け出せなくなるので、絶対に投稿者と連絡を取ることのないようにしてください。」と呼び掛けました。
また、記者から“愛知県のご当地支援官として活動する中で重視している点”について聞かれた際「私たちSKE48は、昨年の10月にSKE48の活動拠点である、名古屋市のサンシャインサカエの広場で、特殊詐欺に関する広報啓発を実施し、特殊詐欺の手口だけでなく、SNSで募集している『受け子』や『出し子』等について伝えたり、12月には、『年末の安全なまちづくり県民運動出発式』に出席し、愛知県民の皆さんと一緒に『安全に安心して暮らせる愛知』の実現を目指す宣言を実施したりしました。ほかのご当地支援官の皆さんも同じかと思いますが、今お話したような取組は、普段愛知県を中心に活動している私たちだからできるものだと思います。今後も、愛知県警と連携して、特殊詐欺対策に取り組んでいきたいと思います。」と今後の取組への意気込みを語りました。
■NMB48塩月支援官「“それ詐欺!”で大阪府を詐欺から守りたい」
塩月支援官は「私たちNMB48では、例えば電話の中でATMという言葉が出てきたり、自宅にやってきた人が“キャッシュカードを封筒に入れる“などと言ってきた場合、”それ詐欺!“という合言葉で大阪の皆さんに対して詐欺の手口を伝えています。複雑な手口にも、共通して登場する言葉がありますので、まずはそうした言葉を覚えていただき、電話等で出てくれば、警察にすぐに相談してください。」と大阪府のご当地支援官ならではの対策について述べました。
■STU48福田支援官「ATMで電話をしている人を見たら声を掛けることを意識」
福田支援官は「特別防犯支援官として活動するようになり、“ATMで電話をしている人を見たら、詐欺被害に遭っていないか声を掛けよう”、と常に意識するようになりました。ATM周辺で携帯電話を使っている人がいたら、還付金詐欺の被害に遭っている可能性が高いです。そうした人を見たら、すぐに声を掛けるか、警察に通報してください。」とATMでの携帯電話使用に対しての呼び掛けを求めました。
■HKT48運上支援官「全国の警察の一員であるという自覚を持つ」
運上支援官は「私たちは福岡県を中心に活動しており、普段は福岡県警と一緒に、特殊詐欺被害防止に関する活動に取り組んでいますが、今日の決起集会のように、SOS全体での取組に参加することで、改めて、特別防犯支援官としての一体感を感じています。全国の警察の一員として活動しているんだという自覚を持って、これからも取り組んでいきたいです。」と特別防犯支援官としての自覚を再確認すると同時に、今後のご当地支援官としての活動への思いを語りました。
■特殊詐欺の被害状況を受けて緊急対策会議を実施
決起集会の開催にあたり、イベント前に対策監、支援官による緊急対策会議が実施されました。この会議には人間環境大学で心理学を研究している嘉瀬貴祥氏が登壇し、『特殊詐欺につながる心理的要因』の研究報告を行いました。報告では、特殊詐欺被害者の被害時の心理的状況や、性格の特徴、それに基づいた対策等について発表され、発表を受けて杉対策監は「さまざまな特殊詐欺被害防止に対する対策をしてきましたが、中々詐欺の根幹を絶つことができていませんでした。しかし、今回の研究結果を聞き、根幹を絶てる方法が見いだせたのではないかと思っています。近年の特殊詐欺は、お金のためなら手段を選ばない犯人による悪質なものが発生しています。今後も全国の警察官と協力して特殊詐欺を根絶できるようご協力をお願いします。」と支援官に向けて訓示を行いました。
■杉良太郎特別防犯対策監 昇任式を実施
同日、杉良太郎特別防犯対策監の昇任式が執り行われ、杉対策監と、国家公安委員会委員長の谷公一氏、警察庁長官の露木康浩氏が出席しました。SOS47を牽引する功績から、特別防犯対策監の階級が星3つから4つへと昇格しました。
■SOS47 令和4年度広報啓発用チラシ、47都道府県ご当地動画を公開
本イベント前には、メディアに向けて令和4年度制作のSOS47啓発用チラシと、47都道府県ご当地動画が公開されました。チラシには特別防犯支援官の町田啓太氏を起用し、多くの詐欺被害は自宅の固定電話からの電話という事を受けて、防犯機能付き電話の設置を促す内容となっています。
47都道府県ご当地動画は、各都道府県出身の特別防犯支援官や著名人が出演し、ご当地の方言を用いて特殊詐欺の啓発を行っている動画です。本動画は、同日の14:30にSOS47公式HPやYouTubeチャンネルにて公開されました。
・SOS47公式HP
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/
・47都道府県ご当地動画(例:熊本出身 コロッケ特別防犯支援官)
・SOS47チラシ(町田啓太支特別防犯援官)
- 開催概要
■実施日:2023年3月14日(火)
■実施会場:グランドアーク半蔵門 富士の間
■出席者:
【緊急対策会議】
人間環境大学 総合心理学部 嘉瀬 貴祥 氏
警察庁 特別防犯対策監 杉 良太郎 氏
警察庁 特別防犯支援官 伍代 夏子 氏
〃 城島 茂 氏
〃 松本 利夫 氏
〃 吉原 朝馬 氏
〃 町田 啓太 氏
〃 乃木坂46 黒見 明香 氏
〃 AKB48 向井地 美音 氏
〃 SKE48 斉藤 真木子 氏
〃 NMB48 塩月 希依音 氏
〃 STU48 福田 朱里 氏
〃 HKT48 運上 弘菜 氏 (順不同)
【昇任式】
国家公安委員会委員長 谷 公一 氏
警察庁 長官 露木 康浩 氏
警察庁 特別防犯対策監 杉 良太郎 氏
【決起集会】
警察庁 長官 露木 康浩 氏
警察庁 特別防犯対策監 杉 良太郎 氏
警察庁 特別防犯支援官 伍代 夏子 氏
〃 城島 茂 氏
〃 松本 利夫 氏
〃 吉原 朝馬 氏
〃 町田 啓太 氏
〃 乃木坂46 黒見 明香 氏
〃 AKB48 向井地 美音 氏
〃 SKE48 斉藤 真木子 氏
〃 NMB48 塩月 希依音 氏
〃 STU48 福田 朱里 氏
〃 HKT48 運上 弘菜 氏 (順不同)
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