業界最高水準の高周波（125MHz）に対応　高精度測定を実現する、超音波厚さ計「72DL PLUS（ディーエルプラス）」を発売

直感的な操作感を実現し、作業効率向上に貢献

オリンパス株式会社の完全子会社である株式会社エビデント（代表取締役社長：斉藤 吉毅）は、非破壊検査機器の一つである超音波厚さ計の新製品として、自動車や航空・宇宙産業製品などの製造や品質管理、メンテナンスに用いる超音波厚さ計「72DL PLUS」を、2022年4月5日に発売します。
超音波厚さ計は、超音波を用いて対象物を破壊・分解することなく厚さを計測できます。製造現場の品質検査やプラントのメンテナンスなど、幅広い分野で使用されています。本製品は125MHzの高周波超音波を使用することで、数十ミクロン単位の厚さを測定することが可能になりました。また、近年航空機の軽量化のために多用されている炭素繊維複合材（CFRP）上のコーティングなど、多層コーティング素材についても、ソフトウェアの改善により高精度に測定・検査することが可能になりました。さらにタッチパネルの搭載など、UI（ユーザーインターフェース）の改善により直感的な操作感を実現し、作業効率向上に貢献します。

▪主な特長
1. 125MHzの高周波超音波により、数十ミクロンの厚さも高精度に測定
2. 最大6層までの多層コーティング素材も測定可能
3. タッチパネルによる直感的な操作が可能なUI

▪開発の背景
製品の強度や安全性を担保するため、あらゆる産業製品の製造現場において、国の工業規格や社内の業務標準に準拠した条件で検査が実施されています。厚さ計による非破壊検査も、品質を担保するための重要な工程の一つです。その一方で昨今の技術革新により、目的に応じてさまざまな新素材が誕生し、製品の素材が多様化しています。自動車産業や航空・宇宙産業では、丈夫でありながらも微細かつ薄肉で軽量な素材などが開発され、検査の難易度も高まっています。このような課題に応えるため、業界最高水準の周波数125MHzの超音波を採用し、高精度測定を実現する超音波厚さ計「72DL PLUS」を開発しました。

▪主な特長の詳細
1．125MHzの高周波超音波により、数十ミクロンの厚さも高精度に測定
超音波厚さ計においては、超音波の周波数が高いほど、より薄い対象物を高精度に検査することができます。従来製品で使用する超音波が最大30MHzであったのに対し、本製品では最大125MHzの高周波超音波に対応しています。これにより従来測れなかった、数十ミクロンの厚さを測定することが可能になりました。そのため、例えばプラスチック製の対象物であれば、12.7μm※1程度の薄さから測定することができます。
※1　測定範囲は、対象物の形状、材質等の条件により異なります。

▲サンプル（樹脂製フィルム）の測定風景、および測定画面イメージ
本製品の計測画面において、縦軸は超音波の強さ、横軸はサンプルの厚みを表す矢印部分の幅から、0.0005 inch≒12.7μmの厚さと計測できた。
薄肉の樹脂製フィルムにおいても、高精度に測定可能。

2. 最大6層までの多層コーティング素材も測定可能
近年、多層コーティング素材は自動車部品や航空機部品など幅広い分野で活躍しています。本製品はソフトウェアのアルゴリズムを改善し、測定における計算の処理能力を向上しています。これにより、従来製品では測定が難しかった最大6層までの多層コーティング素材においても、各層の厚さを高精度に測定可能です。

▲3層コーティング素材（航空機部品）と、測定画面イメージ
本製品の計測画面において、縦軸は超音波の強さ、横軸はサンプルの厚みを表す。
3層それぞれの厚さを高精度に計測できている。

3. タッチパネルによる直感的な操作が可能なUI
本製品では新たにタッチパネルを採用しています。またマイアプリケーションという設定手法を追加したことで、経験の浅い作業者でも画面表示に沿って操作するだけで、簡単に検査・測定条件を設定できます。これらのUI改善により、直感的な操作を実現し、作業者の業務効率向上に貢献します。

▲本製品のUIイメージ
左のボタンで、使用頻度の高い機能はワンタッチで使用可能。
UIの示す通りにアイコンをタップすれば、煩雑な検査設定も、誰でも簡単に設定できる。

本リリースに掲載されている社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。


エビデントについて
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