メイド・イン・ヨーロッパ:フォルクスワーゲン、PowerCo、Elliが先駆的なバッテリーおよびエネルギー テクノロジーを発表(日本語訳)

  • ワールドプレミア1:全固体電池を搭載したグループ初のテスト車両

  • ワールドプレミア2:「エレクトリック アーバンカー ファミリー」向けのPowerCoユニファイドセルおよびCell-to-Pack(セルトゥーパック)バッテリー

  • ワールドプレミア3:Elliがザルツギッターに初の大規模蓄電システムを建設

  • CEO オリバー ブルーメ: 「フォルクスワーゲン グループはテクノロジーの進歩を全速力で推進しています」

2025年9月8日 ミュンヘン – フォルクスワーゲン グループとその子会社のPowerCoおよびElliは、IAA モビリティ2025において、「メイド・イン・ヨーロッパ」の持続可能なモビリティを推進しています。この3社は、自動車業界における先駆的なテクロジーの数々を展示しています。全固体電池を搭載した世界初のグループ テスト車両では、将来のバッテリー テクロジーを垣間見ることができます。PowerCoのユニファイド セル(統一規格のセル)は、フォルクスワーゲン、シュコダ、クプラの「エレクトリック アーバンカー ファミリー」向けに採用され、量産の準備が整っています。これらの車両は、新しいバッテリーシステムと組み合わせることで、性能、コスト効率、柔軟性の面で技術的な飛躍がもたらされます。フォルクスワーゲン グループは、eモビリティに関するノウハウを継続的に蓄積しており、現在では内燃エンジンから PHEV、電気自動車、 バッテリー、エネルギー技術に至るまで、市場で最も幅広いテクノロジーを保有しています。

技術デモ車両:全固体電池テクノロジーを搭載したドゥカティ バイク
PowerCoユニファイドセル

フォルクスワーゲンAG最高経営責任者(CEO)、オリバー ブルーメ:「フォルクスワーゲン グループおよびそのブランドは、テクノロジーの進歩を全速力で推進しています。私たちは、バッテリーセル、バッテリー  システム、電動ドライブなどのeモビリティの主要技術を自社で管理しています。そのため、お客様にとって最適なソリューションを開発することが可能です。同時に、私たちは、地域に根ざし、回復力があり、持続 可能な開発および生産を通じて、ヨーロッパを自動車産業の拠点として強化しています。

全固体電池を搭載したグループ初のテスト車両、新しいユニファイドセルを搭載した“エレクトリック アーバンカー ファミリー”、そしてザルツギッターにおけるElli初の大規模蓄電システムの建設は、私たちが自動車産業における世界的なテクノロジー リーダーとなるための、さらなるマイルストーンとなります。」

ワールドプレミア1:全固体電池を搭載したグループ初のテスト車両

eモビリティの未来:PowerCo、ドゥカティ、アウディは、QuantumScapeの画期的な全固体電池を初めて 電動バイクに搭載しました。この技術デモ車両は、研究室から量産に至るまでの道のりで、次のマイルストーンを設定します。また、これまで以上に長い航続距離とより短い充電時間を実現する、eモビリティの未来を垣間見ることができます。全固体電池が量産されるまでには、さらなる開発ステップが必要です。

このバイクは、ドゥカティの電動バイク「V21L」をベースにしていますが、大幅な改良が施されています。 バッテリー システムは、全固体電池の要件を満たすようにゼロから設計され、現在ではQuantumScapeのQSE-5セルを最大980個搭載することができます。リチウム金属アノードとセラミックセパレーターを備えたQuantumScapeの全固体電池テクノロジーは、従来のリチウムイオンバッテリーの単なる進化形ではなく、根本的に新しいセル技術です。このバッテリーは、エネルギー密度、急速充電機能、安全性、耐用年数の面で大きな利点があります。

フォルクスワーゲン グループ テクノロジー担当取締役、トーマス シュマル:「全固体電池は、eモビリティの 世界に革新をもたらす可能性を秘めています。私たちは、パートナーであるQuantumScapeと共同で、このテクノロジーを産業化し、量産に向けて次のステップを踏み出すことを目指しています。PowerCoのユニファイドセルにより、私たちは完璧な組み合わせを実現しました。ユニファイドセルは“全固体電池に対応”して おり、全固体電池の準備が整い次第、グループ車両への迅速な技術移転が可能になります。グループの バッテリー戦略は先駆的であると同時に、前例のないスケールメリットをもたらします。」

ドゥカティCEO、クラウディオ ドメニカーリ:「ドゥカティには、公道とサーキットの両方でのライディング体験を向上させるために、テクロジーの限界を打ち破ってきた長い歴史があります。私たちは、イノベーションを  追求することで、MotoGPコンストラクターズタイトル6連覇という偉業を含む、素晴らしい成果を達成することができました。全固体電池で実現する高いエネルギー密度は、スポーツバイクのような高性能モーターサイクルに最適です。」

QuantumScape CEO、シバ シヴァラム:「本日、QuantumScapeの全固体電池は、商用化に向けて、さらなる一歩を踏み出しました。私たちは、10年以上にわたりフォルクスワーゲン グループと緊密に連携し、電気自動車のドライバーが求める長い航続距離、急速充電機能、高い安全性を実現する画期的なテクノロジーの開発に取り組んできました。私たちは現在、このテクロジーを市場に投入し、高性能電気自動車の可能性を再定義することに焦点を当てています。」

私たちのプロジェクト パートナーは、今後数か月間にわたって、全固体電池のテストと改良を継続する予定です。次の目標は、サーキットでテストするためのレーシングバイクの開発です。並行して、PowerCoとQuantumScapeはすでに、全固体電池をユニファイドセルに統合し、自動車への搭載を目指す取り組みをすでに進めています。目標は、2020年代末までに商用化を実現することです。両社は数年にわたり緊密な開発協力を構築しており、カリフォルニア州サンノゼにあるQuantumScape本社に共同産業化チームを設立しました。

ワールドプレミア2:「エレクトリック アーバンカー ファミリー」向けのPowerCoユニファイドセルおよびCell-to-Packバッテリー

量産に向けた技術的飛躍:フォルクスワーゲン グループとPowerCoは本日、新しいユニファイドセルの  量産バージョンを発表しました。このセルは、フォルクスワーゲン、シュコダ、クプラの「エレクトリック アーバンカー ファミリー」に搭載されて初登場します。最初のセルは、年末までにザルツギッターのギガファクト  リーで生産され、その後バレンシア(スペイン)とセントトーマス(カナダ)でも生産される予定です。カソード材料などの前駆体もヨーロッパで生産されます。これにより、ユニファイドセルは、これまでバッテリー技術で最先端に立つことが難しかったヨーロッパの自動車産業にとって画期的な出来事となるでしょう。

技術的に見ると、PowerCoのユニファイドセルは、飛躍的な進化を遂げています。エネルギー密度は約660Wh/lで、この容量セグメントで最も強力なバッテリーセルの1つとなっています。これは、以前のセルに比べて約10%の増加に相当します。バッテリーシステムも完全に新しく開発され、Cell-to-Packテクノロジーが採用されています。

バッテリーシステムと角柱型ユニファイドセルは完全に同期されており、「エレクトリック アーバンカー ファミリー」は最大450kmの航続距離と25分未満の充電時間(予測値)を実現します。主要コンポーネントにはギガキャスティング プロセスが採用され、さらに軽量化されています。同時に、従来のバッテリーに比べてコストも大幅に削減されました。フォルクスワーゲンは、このようにしてコンパクトカーセグメントにおける 航続距離、充電速度、効率の面で新たなベンチマークを設定し、eモビリティを誰もが手頃な価格で利用できるようにします。

ユニファイドセルは、フォルクスワーゲン グループ内のグローバル テクノロジー プラットフォームとして機能し、さまざまなブランドや各マーケット向け電気自動車の最大80%に搭載されます。ユニファイドセルは、LFP(リン酸鉄リチウムイオン電池)から、ナトリウムイオン電池、NMC(三元系リチウムイオン電池)、全固体電池に至るまで、さまざまな化学特性を備えたセルを搭載できるため、標準化にもかかわらず最大限の柔軟性を提供します。これは、PowerCoおよび外部サプライヤーによって開発および製造されています。

PowerCo CEO、フランク ブローム:「バッテリーセルは21世紀における重要なテクノロジーであり、ヨーロッパの自動車産業の将来にとって重要な役割を果たします。今日、私たちはヨーロッパでバッテリー技術を確立するという目標に向けて大きな一歩を踏み出しました。技術的には、当社初の量産バッテリーセルは、既存の競合他社の製品と完全に同等の性能を実現しています。そして、私たちは、すでにLFPまたはナトリウムイオン化学を利用した新しい製品の開発に取り組んでいます。PowerCoは、世界的なセルメーカーおよびヨーロッパのバッテリー技術の牽引役として急速な成長を遂げています。」

ワールドプレミア3:Elliがザルツギッター工場に初の大規模貯蔵システムを建設

フォルクスワーゲンの充電およびエネルギー子会社であるElliは、ザルツギッターにPowerCenterを建設し、2025年12月に初の据置型大規模蓄電システムを電力網に接続する予定です。最大出力20MW、蓄電容量40MWhの蓄電システムは、PowerCoのバッテリーパックをベースとしており、エネルギートレーディングのためのスケーラブルなプラットフォームとして機能します。これにより、フォルクスワーゲン グループとElliは、自動車産業とエネルギー産業をつなぐ接点となります。今後数年間、風力および太陽光エネルギーの変動する需要と供給のバランスを取るために、エネルギー蓄電容量の全体的な強化が必要となるでしょう。

Elli CEO、ジョバンニ パラッツォ:「大規模蓄電システムの建設と運用により、私たちはヨーロッパのエネルギー転換と供給の安全保障に決定的に重要な貢献を果たしています。ザルツギッターにおける最初のPowerCenterの開設は、さらなる蓄電プロジェクトに向けた長期計画の出発点となります。」

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会社概要

URL
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業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
東京都品川区北品川4-7-35 御殿山トラストタワー18階
電話番号
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代表者名
マティアス シェーパース
上場
未上場
資本金
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設立
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