DHL Expressと米ワールドエナジー社、SAF証書を活用した航空輸送の脱炭素化を加速するグローバルパートナーシップに合意

・化石ジェット燃料に代わる6億6,800万リットルの持続可能な航空燃料（SAF）を供給する7年契約　・DHLは、ライフサイクルベースで約170万トンのCO2排出量を削減可能に　

2023年10月19日　独ボン/米ボストン発 – DHL Expressは、SAF生産および低炭素化ソリューションのリーディングカンパニーである米ワールドエナジー社と、SAF証書（SAFc）を活用し約6億6,800万リットルのSAFを購入し、航空ロジスティクスの脱炭素化を加速させる戦略的長期契約を締結しました。2030年までの7年契約は、これまでの航空業界におけるSAF証書(SAFc)契約において、最長かつ最大級の契約となります。

契約締結の様子、DHLグループCEOのトビアス マイヤー（左）、ワールドエナジー社CEOのジーン ギボリー氏（右）

この合意により、航空燃料のライフサイクル全体で約170万トンの二酸化炭素排出量削減が見込まれており、これは、アメリカ大陸においてDHL Expressの年間約7万7,000回分の航空飛行を1年間カーボンニュートラル処理したのに相当します。この節目となる重要な合意は、DHLグループのサステナビリティに向けたロードマップとして、スコープ1、2、3を通じて2030年までにグループの年間温室効果ガス排出量を2900万トンCO2e以下へ削減という野心的な目標へ向けた同社のコミットメントを証明するものです。

DHLグループCEOのトビアス マイヤー（左から2番目）、ワールドエナジー社CEOのジーン ギボリー（左から3番目）および両社の関係マネジメント

DHL ExpressのCEOであるジョン ピアソンは、「DHL Expressは、航空ロジスティクスにおける持続可能な未来の開拓に向け、全力で取り組んでいます。このたびのワールドエナジー社との画期的な合意により、私たちは二酸化炭素排出量を最小限に抑え、より持続可能な未来に貢献するために、またひとつ大きな飛躍を遂げました。より多くのサプライヤーに刺激を与え、業界全体でSAFの生産と導入を加速させたいと考えています」と述べています。

ワールドエナジー社CEOのジーン ゲボリス氏は、「航空産業の脱炭素化を目指す取り組みにおいてDHLと提携できることを光栄に思います。排出削減が困難なセクターの脱炭素化には、バリューチェーン全体での取り組みが必要であり、DHLのような企業が野心的な気候変動目標を達成するためには、本日発表したようなパートナーシップが重要な鍵となります」と述べています。

ブックアンドクレーム方式による透明性の担保と説明責任の遂行

SAF証書(SAFc)においては、燃料の環境特性は、「ブックアンドクレーム」証拠保全(CoC)モデルを使用し燃料そのものから分離されます。「ブックアンドクレーム」方式により、各クレジットに関連する排出削減量が正確に記録され、第三者による検証を保証することで、SAFの透明性担保と説明責任の遂行を強化します。これにより、DHL ExpressはSAF証書(SAFc)の購入を通して、関連する排出削減量を利用し、GoGreen Plusサービスを購入したお客様に環境特性を提供することができます。また、「ブックアンドクレーム」を通じて供給されるSAF証書(SAFc)は、燃料を世界中に輸送する必要がないため、物流コストと排出量の両方を最小限に抑えることができます。つまり、SAF証書(SAFc)は、航空業界の脱炭素化を推進する上で最も効率的な方法と言えるでしょう。DHLがワールドエナジー社より購入するSAF証書(SAFc)はすべて、持続可能なバイオマテリアルに関する円卓会議（RSB）の厳格な持続可能性認証基準を満たしています。さらに、購入したSAF証書(SAFc)は、関連するクレームのトレーサビリティを確保するため、独立した登録機関を通じて全量を追跡可能です。燃料そのものは、カリフォルニア州パラマウントにあるワールドエナジー社の製造施設に近い、ロサンゼルス地域の空港に供給されます。