専用環境の構築が不要な量子シミュレーターのクラウドサービスを提供
ゲート方式・アニーリング方式の両方に対応した検証が可能
株式会社インテリジェントウェイブ(本社:東京都、代表取締役社長:川上 晃司、以下:IWI)は、量子シミュレーターをクラウド型で提供する「Qaptiva Simulation Service(キャプティバ シミュレーション サービス)」を2026年7月10日に開始します。
本サービスは、これまでオンプレミス型で提供してきた量子シミュレーター「Qaptiva 800」を、クラウドで提供するものです。専用サーバーなどの導入や運用管理の手間を必要とせず、量子計算の検証や研究開発を行うことができます。
背景
量子コンピューティングの社会実装に向けて、現在、多くの企業や研究機関が研究開発を進めています。しかし、量子コンピューター実機の導入には、極低温環境やノイズ遮断といった特殊な設備と多大なコストが必要となるほか、実機の開発も発展途上であるため、自社の研究開発に最適なハードウェアのスペックや計算方式を見極めること自体も容易ではありません。
こうした実機の高いハードルにとらわれず、手軽に量子計算の検証が行えるツールとして、一般的なコンピューター上で実機の挙動を再現する「量子シミュレーター」が活用されています。
IWIはこれまで、フランスのコンピューターメーカーBullが開発した量子シミュレーター「Qaptiva 800」をオンプレミス型で提供してきました。今回、利用者が、研究フェーズや開発規模、セキュリティ要件などに合わせて導入形式を選択できるよう、新たにクラウド型での提供を開始します。
サービス概要
利用者はVPN(仮想プライベートネットワーク)経由で、IWIがクラウド上に構築した量子シミュレーション環境にアクセスすることで、量子回路の作成、実行、結果の分析を行えます。既存のオンプレミス型とは異なり、専用サーバーの運用や自社での運用管理が不要となるため、インフラの構築や保守の負担を抑えながら研究開発に専念できます。
Qaptiva 800について
Qaptiva 800は、最大41論理量子ビットの量子回路を実行できるシミュレーターです。主要な量子プロセッサ(QPU)がモデリングされており、ハードウェアのスペックや演算精度を自由に設定できます。また、ゲート方式・アニーリング方式の両方に対応しているため、検証したい複数の量子計算方式や環境を柔軟に試すことが可能です。量子特有のノイズの有無や発生条件も細かく設定でき、NISQ(*1)とFTQC(*2)に対応した研究が行えます。さまざまな量子コンピューターや開発ツールとも連携可能なため、量子回路を効率的に設計・実行・検証できます。
詳細はQaptiva 800の製品ページをご参照ください。
https://www.iwi.co.jp/products/innovation/qaptiva800.html
*1 Noisy Intermediate-Scale Quantumの略で、ノイズの影響を受ける中規模量子コンピューターです。現在の技術の制約から、この方式が主流となっています。
*2 Fault-Tolerant Quantum Computingの略で、量子エラー訂正技術を用いて、ノイズの影響を抑えた高精度な量子計算を実現する方式です。
今後の展開
IWIは、本サービスの提供を通じて、より多くの企業や研究機関が量子コンピューティングの研究開発に挑戦しやすい環境の整備を進めます。
既存のオンプレミス型と新たなクラウド型から最適な選択肢を提供することで、企業・研究機関の多様なニーズに対応し、国内における量子コンピューティングの社会実装に貢献していきます。
インテリジェントウェイブについて
IWIは、1984年の創業以来、24時間365日止まらないクレジットカード決済システムや、カード不正利用の検知システム、高速・大量データのリアルタイム処理を実現する証券システムなどを開発し、安全安心な社会インフラの構築に貢献してきました。これら決済と証券の両領域で培った高速・大量データ通信・分析技術をもとに、情報セキュリティや放送分野へも事業を展開しています。
本サービスに関するお問合せ先
株式会社インテリジェントウェイブ
E-mail: qlm@iwi.co.jp
※記載された情報は発表日現在のものです。今後予告なしに変更されることがあります。
