時代の価値観に配慮したマーケティングコミュニケーションの効果などを実証
~明治大学加藤拓巳専任講師とNECの共同研究がIEEE ICKII 2024 Best Conference Paper Awardを受賞~
明治大学商学部の加藤拓巳専任講師と日本電気株式会社(NEC)の小泉昌紀シニアプロフェッショナルらの事業開発チームとの共同研究が名古屋で開催された2024年8月16-18日の7th International Conference on Knowledge Innovation and Inventionにて、Best Conference Paper Awardとして2件受賞しました。これらの成果は、NEC causal analysisのワークショップ「ビジネスの羅針盤アカデミー」から生まれました。
1件目の受賞研究では、食品、生活用品、家電など多様な業界において、「広告で描写する夫婦の家庭での様子のあるべき姿」について、電子レンジを対象に検証しました。
2件目の受賞研究では、日本の大学生の新卒採用情報について比較検証をおこない、日本の大学生が感じる「職場の魅力」要因の1位はリモートワークであることを実証しました。
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研究1:Effect of product usage scenes of married couples in home appliance ads on purchase intention (家電広告における夫婦の商品使用シーンの描写が購入意向に与える影響)
著者:Takumi Kato; Kenta Kasahara; Tomoaki Hattori; Shinya Masuda; Juyeon Park; Katsuya Watanabe
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マーケティングコミュニケーションでは、商品・サービスのブランドコンセプトを訴求することが基本である。しかし最近では、コンセプトは表現できていても、時代の価値観への配慮が不足すると消費者から批判される懸念がある。
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食品、生活用品、家電など多様な業界において、広告で描写する夫婦の家庭での様子のあるべき姿について、電子レンジを対象に検証した。その結果、「夫が仕事・妻が家事」「夫婦で家事」よりも、「夫が家事・妻が仕事」を描写した広告の方が高い商品魅力になることを明らかにした。この結果は、評価者が男女のどちらでも同じ結果となった。
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広告では、コンセプトの伝達という観点に加え、時代の価値観への適合も併せて検証することで、広告効果を高めることが期待できる。
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研究2:Attractive workplace factors from university students’ perspective in Japan (日本の大学 生から見た魅力的な職場の要素)
著者:Takumi Kato; Yuto Tsukada; Atsuki Matsuda; Ryosuke Ikeda; Katsuya Hayami; Masaki Koizumi
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優秀な人材獲得に向けて、職場環境、人材の多様性、カジュアルな服装、スキルアップ、1 on 1の方法、早くから活躍できる機会、リモートワークの推進など多くの観点が訴求されてきたが、職場の魅力に対するそれらの効果の比較は不十分なままであった。
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そこで、日本の大学生に対して、大手食品メーカーとコンサルティングファームの新卒採用を対象としてランダム化比較試験を実施した結果、リモートワークが最も職場の魅力を高めることが明らかになった。パンデミックが落ち着いてから、企業の経営層は出社回帰を厳格に進めているが、学生の視点ではそれは否定的な印象が強いと推察される。
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「ピープルアナリティクス」などの流行によって人事領域のデータサイエンスが注目され出したが、実証実験の難しさが問題になっている。実証した根拠に基づいて、人材採用Webサイトや人事制度の設計の意思決定をすることが重要である。
この記事に関連するページ
加藤拓巳専任講師ホームページ
加藤拓巳専任講師の研究紹介記事「マーケティングとは、販売を不要にする価値づくり」(Meiji.net)
https://www.meiji.net/business/vol429_takumi-kato
受験生のための学部選択ガイド Step into 商学部
https://www.meiji.ac.jp/stepinto/shogaku/
NEC causal analysis - 因果分析ソリューション
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